#48 白旗は胃から上がる
(2026/02/26)
ぐぇーーーーー。
唸っているのは私である。
昼寝から目覚め、昼ごはんの残りを夕飯にした。
それは良かった。
だが、小腹が空いた。
トーストを二枚。
チーズをのせて焼く。
食べる。
焼きが甘かったかもしれない。
もう二枚焼く。
食べる。
合計四枚。
スライスチーズもろとも、すべてこの腹に収めた。
脳は「まだいける」と異常な司令を出している。
だが胃はパンパンだ。
明らかに限界だ。
それでも、この限界を知れる感覚はどこか心地よい。
小学六年生の頃。
食べ放題で机の端から端まで皿を並べ、吐いたことがある。
ケーキを食べ過ぎて、消化されない苺の赤を見つけ、
「勿体ない……」と呟いた私に、
母は「あんた、馬鹿」と言った。
生の惣流・アスカ・ラングレーだった。
あの頃の食欲の魔神に比べれば、
私は少し人間になれたのかもしれない。
だが今、腹は苦しい。
眠いのに、寝られない。
横になりながらヒーヒー唸る。
気を紛らわせようとマイスウィートダーリンにLINE。
返信。
「トーストに砂糖とバター沢山のせた下品な食べ方したい」
逆効果。
ジャリジャリ砂糖とバターのコラボレーション。
下品でも上品でもいい。
美味しければそれでいい。
こういう時、キャベジンは効くのだろうか。
常備しようと決意するが、
きっと朝には忘れている。
私の胃袋は、
いつも白旗が上がるまで止まらない。




