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身体を売って生活していた私が、デスゲームの参加者に選ばれていじめっ子と手を組む  作者: トムとゼリー


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16話 3人目の仲間!? (挿絵あり)

挿絵(By みてみん)

「あ、あの…先程は私の事を助けてくださいまして、本当にありがとうございました!!あと、スタイルの良い方のお姉さん、さっきは攻撃してごめんなさい!!」

ポノコは引き攣った顔で言う。

「スタイルの良い方!?あのね私はこいつより経験人数…」

クシアがポノコの頭をぶん殴る。

「いいのいいの!!気にしないで!あんな状況になれば誰が敵かわからなくなって当然だぜ!!」


ポノコとクシアは、ステータスカードとマークを見せて能力を偽ってない事を証明しながら自己紹介をした。


次に金髪の少女は左腕の二の腕を見せると、カモノハシのマークがあった。名前は伊府六(いふろく)ペルナ、能力は敏捷帯電(クイックフラッシュ)

ポノコとクシアは口を揃えて言う。

敏捷帯電(クイックフラッシュ)?」

「そうですのよ!なんか基準はよくわからないのですけど、例えばー。」

ペルナは右腕を右側の真横に突き出し。

「シュッ!!」

手の甲を素早く左側へ動かすと、手の軌道上にイナズマが数秒走った。

次に右手を前に突き出し、素早くグーとパーを高速で切り替えると右手が帯電した。

その後に反復横跳びをしてみると横跳びをしている軌道上に稲妻の残像が残り、ペルナの体からもイナズマが飛び出してきた。

ペルナは両手を膝について呼吸を整える。

「はぁ…はぁ…こげな感じで、体を素早く動かすと電撃が発生しますの。」


クシアはペルナの素肌に触れ、その辺の瓦礫で人差し指を思い切り引っ掻いてみるが、少し白い跡が残りちくっとするだけで、痛みはなく後はすぐに治った。

「なるほどな、肉体が電撃に耐えるために超絶身体ほどじゃねえけど体は頑丈になってるみたいだな。」


ポノコは腕を組んで得意げになる。

「ふ、ふーん、それじゃあ相手に直接触らないと能力を発動できないのに素の状態だと肉体の脆い誰かさんよりも役に立つかもしれないわねん。」

クシアは真顔でため息をつく。

「バランス悪っ。」

ペルナは顔がひしゃげて気まずそうな顔になる。

「だって私の能力はコピー、どうしても誰かの能力を借りなくちゃいけない。なのに仲間2人は近接戦闘向き、私自身でコピーするにも相手に近づくことは必須。全員相手に近づかないとどうしようもないじゃねえかよ!!」

ペルナはニヤリと笑う。

「ふふん、そんな心配なら無用ですわ。今からご覧に入れましょう。」

ペルナは軽やかなバックステップを3回繰り返した。

するとペルナがステップを踏んだ跡にはイナズマが数秒残存していた。

「直接的な遠隔攻撃はできないのですが、こういう置きトラップ的な使い方はできますし。」

ペルナはポケットから100均の安っぽいクリアブルーのハンドガン型の水鉄砲を取り出す。

銃を持った左手を少し後ろに引き、引き金を引いた瞬間に右手で水の軌道を優しく素早くなぞる。

すると5mほどではあるが電撃は前に伸びた。

「ちょっとコツがあって止まりながらじゃないと使えないのですが多少のリーチにはなりますわ。」

クシアはため息をつく。

「それが何になるんだ?それで遠隔攻撃に対応できるのかよ!?」

ポノコはクシアの二の腕を掴んだ。

「ちょっと、せっかく新しい戦力ができたのに何でそんな突っかかるの。」

「こんなんなら私たち2人だけで今まで通りコンビネーションで特攻繰り返した方が速いんじゃ!?」

「でも、あんたダメージ喰らいすぎると…」

「あらあら、アタクシはまだ本命を見せてませんわよ!そうね。」

ペルナは飛び出した鉄線を見つけて前に立つ。

手を高速でぐるぐると捻り回して、クシアの方へ手を伸ばし電撃の残像を引いた。


すると、鉄線は震え出してコンクリートから飛び出し勢いよくクシアの顔面横を高速で通り過ぎ、他のコンクリート片に突き刺さった。

「電磁誘導を利用すればこんなこともできますわ!」

クシアは流石に黙った。


夜になり、3人はガラクタでテントを作り、ペルナの電撃で焚き火を上げて簡易的なキャンプを作った。

3人で見つけたソーセージを焼いていると、ポノコが話を切り出した。

「あの、伊府六さんってどうしてこんなところに1人でいたの?ねがい星の戦士たちの放送とかは見なかったの?」

「・・・・。」

ペルナは顔を顰めて焚き火を見つめていた。

「あ、いいの、答えたくなかったら。」

「見てましたわ、私はあの時渋谷にいましたし。爆発の被害もよく見てました。」

「じゃあどうして逃げなかったの?」

「避難誘導を手伝ってましたの。」

「避難誘導?」

「もしかしてあなた方は…」

「うん、私達はねがい星の戦士たちから元々目をつけられてたから昨日まで高尾に逃げてて、画面越しでしか爆発の事は…」

「今まで色々な歴史的資料を見てきましたが、あそこまでのパニックは日本史上でも初めてじゃないかしら。逃げ果せようとする人々でもう道端すら人は差し詰め状態。人を轢いてでも車で逃げた人、騒ぎに乗じて貴重品を堂々と盗む人、それはもうとにかく大変で…でもそんな状態じゃ1日で東京中の人たちが避難なんてできませんわ。だから私は強行に及ぶ人たちを止めて、有志の人たちに避難誘導を手伝ってもらって、夜になってもまだ最後尾は東京にあったので関係ない人たちが奴らに殺されないように1人で戦ってましたの。人が落ち着いた頃に瓦礫の中からまだ生きてる人の救助をしていたら…ふわぁ〜あ…寝不足も祟って…」

「大変だったのね…。」

クシアが割って入る。

「でもねがい星の戦士たちの考えも、デスゲームの参加者としては完全に間違ってるとも言い切れない。倫理的には終わってるけど、あいつらに賛同しようとは思わなかったのか?」

「アタクシは…不本意でこのゲームの参加者に選ばれました…、アタクシ自身は願いなんかに興味がないので…ましてや関係ない人や戦いたくない人まで襲うなどと…」

ポノコはペルナに少し身を寄せる。

「まあそうよね、私も叶えたい願いなんかない。」

クシアはソーセージを口に運んで飲み込むと。

「わ、私も殺し合いなんてほんとはしたくなくて……」


3人の空気はどんよりしてしまい、それから言葉を交わさずにクシアとペルナはテントの中に入っていった。

ポノコは荒地と化した東京の夜空を眺めてぼーっとしていた。

「人が犠牲になった星空がこんなに綺麗なんて、皮肉なものね…」

2人がテントに戻って30分くらい経った頃、クシアは熟睡していたようだが、ペルナはまだ起きており、座り込むポノコに近づいてきた。

ポノコは疑問に思った。

「どうしたの?寝れるうちに寝とかないと…」

「どうしてあなたはそんなに落ち着いていますの?」

「え?」

「クシアという方は言葉は悪いですが、本人なりの迷いを感じますの。それにさっき"彼ら"に賛同しない理由として、クシア様は人を本当は殺したくないと言っていましたわ。でもあなたはその事より先に自分に願いがないと。」

「別に、だって本当のことだし。」

「先程テントの中で少し聞いたのですが、これまで襲ってきた敵を始末したのはほとんどあなただったようですわね?」

「まあ、あくまでトドメを刺してきたのが私だっただけで、あいつも普通に戦ってたけど。」


「・・・じゃあ単刀直入に聞きます。」


ペルナはぬっとポノコの頬に触れそうなくらいに顔を近づけ、光を反射しない真っ黒な瞳で瞬き一つせずに瞼を大きく開いて聞いた。


「あなた、人を殺すの初めてじゃないでしょ?デスゲームが始まる前からあなたは・・・・??」


ポノコは息を呑んだ。

「それでは、ごきげんよう。また明日。」

ペルナは瞳孔が見えなくなるくらい目を細めて口を大きく両側に引っ張った笑顔になり、再びテントへ戻っていった。


ポノコは動けなかった。

「あ、あの子…なんなの…??」

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