フリュス・10
「ホォッオォ!!これうまっ!!」
先ほど無事フリュス王との会談を終えた俺は城下に繰り出し昼飯を食べていた。
「何かわからんけどこれうまいぞ!」
「わかったからこっちに食べかけの物を向けるな!!」
興奮のあまり夜叉に強烈な注意を受ける。
「しかしにぎわってるな。今までこんな町見る余裕なかったからな」
「まぁ王さんがいる街は大体にぎわうだろ」
「え?そうなの?」
そんなことが・・・。
俺はまたこの世界の事を一つ学んだ。
「ただ一概に賑わうのがいいってことでもないけどな。ほらあそこを見てみろ。あの店モンスターが経営してるぞ」
「マジか!?」
夜叉が指さしたのは俺たちがいる通りの一番隅っこにひっそりとある店だった。
「なに・・?「酒」と書いてあるな。」
「へぇ、モンスターも酒飲むんだ。・・とりあえず行ってみようぜ。普通の店かどうかだけでも確かめとこう」
そう言って俺たちは店に向かった。
「らっしゃいらっしゃい!このフリュスで一番の酒店!「酒童子」!!味の良い酒を低価格で!おっ!そこのおっさん!一本買わない!?」
何かとてつもなく元気な店員のおかげでその店の前にはかなりの人だかりができていた。
「おい兄ちゃん!一本くれ!」
「俺にも!」
「私は二本!!」
「はいはい並んで並んで!まだ在庫はたくさんあるから!」
そしてどうやらかなりの人気らしい。店の前の人達は我先にと酒を買い求めていた。
「へぇ、すごいな。こんなに・・」
「よほど旨いのだろう。・・で?とりあえず店員の確認だけでもしとくか?」
「そうだな」
俺は夜叉に肩車してもらい、店の様子をうかがう。
店が祭りなどにある露店と同じつくりなので、こうすれば店員は簡単に確認できる。
「えーっと・・・!?!?」
店の中で酒を売りさばいていたモンスター・・。
そいつは俺にも見覚えがあった。
黒い髪を肩まで伸ばした長髪のイケメン。
「酒呑童子」だった。
そしてよくよく見ると大きな声を張り上げて売り子をしているのは「豪鬼」だ。
「ふっふぅ・・。なんで・・?」
「おいどうした!?何があった!?」
肩車で俺を担いでいるため何も見えない夜叉が俺に聞く。
「いや・・確かにこの店はモンスターが経営してるぞ」
「やっぱりか・・。で?そのモンスターは倒した方がいいのか?」
「・・・・そこなんだが・・あの店にいるモンスターは俺が前に倒した奴らなんだよ!」
「!?そんなことが・・」
「とりあえずあいつらと接触するぞ!」
俺は夜叉から降り、そのまま店の方に走る。
だが・・
「おいおい兄ちゃん!割り込みは行けねぇぜ!!」
「そうだぞ兄ちゃん!ちゃんと並びな!」
と、いかにも酒好きそうなマッチョさん二人に社会のルールを諭されてしまったため、俺はおとなしく列の後ろに並ぶ。
(しかし長いなこの列・・・何分かかるんだ・・?)




