フリュス・8
「す!すみません王!」
グドがあわてて謝る。まぁ自分が連れてきた客がいきなり王の部屋を血だらけにすればまぁあわてるだろう。
・・・・本当は俺が言わなければいけなかったのだが。
「ふん・・まぁいい。ここの神官が連れてきた人間だ・・。信用はできるのだろう」
と、フリュスの王は神官を指さしながら言う。
「ははっ、そういってもらえて光栄だなぁ。・・・ねぇ、この頭どうすればいいの?血止まんないんだけど」
神官は頭から血をどくどく流しながら言う。若干顔も青ざめてきた気が・・
「で・・まぁ、すいませんけど王さん。俺たちはそこの神官に言われてここに来たわけですけど・・。何があるんですか?」
「ああ、そうだったな。」
そう言うと神官は部屋の隅にある小さな引出を開け、少しボロッとした紙を取り出す。
「これは・・」
「まぁ、俺に来た殺害予告だ」
「はぁ?」
その紙を見ると
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す・・・・・・・・・・・・・殺す」
紙いっぱいに「殺す」と言う文字。
「・・・やばいやつですやん」
「そうだ、やばいやつだ。だからお前を呼んだ」
そう言ってフリュスの王は、先ほどより少し真剣な面持ちでこちらを見る。
「・・でも俺たちにできることなんて少ないですよ?俺、剣は初心者ですし・・」
「初心者でもそこのグドを倒すほどなのだからそれなりな実力はあるのだろう」
「・・・」
不意打ちで倒したんだけどなぁ・・。
「で、だ。お前にはテキトーにそこらへん歩いてほしい」
「は?」
「いや、お前をここに呼んだ理由だ」
「いや、観光しろと?」
「半分そうだ。・・だがお前にはモンスターが現れた際いつでも反撃できるようにしておいてもらいたい」
「なるほど・・。と言うか、いつの間にかあなたを守ることが決定したみたいになってません?」
「当然だ。お前に拒否権はない」
「うそぉ!!!」
「いいだろ?別に半分観光だ。気負わずやってくれ」
「は・はぁ・・」
無理やりだなぁ。まぁ、半分承知で来たからどうでもいいのだが。
「ま、わかりました。頑張りますよ」
「よし、ならこいつを持って行け」
フリュス王はまた先の引き出しから何かを取り出す。
それは小さな女の子の形をした人形だった。
「・・・おっとぉ!?すいませんこれ「ねんど〇いど」っていうやつじゃ・・」
「おっ!よくわかったな。前に地球に行った際ゲットしたのだ」
「ええっ!?」
どんだけ地球に異世界人来てんだよ!
「で、この「ねんど〇いど」だが・・・」
「伏せるのめんどくさいんで人形って言ってもらえませんかねェ!?」
「・・この人形は通信機器だ、お前がこのフリュスの中にいるなら屋内屋外問わずどこにいても連絡が取れる」
「へぇ」
やっぱりどの大陸にも独自の通信技術が発展しているのだなぁ、と俺は感心する。
通信媒体が「ねんど〇いど」なのはいただけないが。
「じゃあ、頼んだぞい」
王にそう声をかけられ俺は王の部屋を後にした。
グドがすごく何か言いたそうな顔をしてこちらを見ていたが、まぁ見なかったことにしよう。




