幽鬼
滅鬼が鬼道を宣言する数分前・・・。
「お前を殺せ・・・だとさ」
「そう・・ですか」
幽鬼とミコトが睨みあっていた。
(どうしましょう・・。おそらくこのままだと私たちは負ける。)
「俺はお前を殺すつもりだ・・。お前はどうか知らんが・・」
「もちろん私もそのつもりですよ」
「わかった。・・なら」
「んっ!」
「殺さしてもらう・・早めにな」
この時、さっきまで5mほどあった距離が一気に詰められている。
(まずい!)
とっさに刀を抜きふるう。
「甘いな・・動揺が見て取れるぞ。」
「く・・」
あっさり躱され、右手でパンチを繰り出される。
「う・・」
受けた瞬間に後ろに跳び、少しは威力を分散したものの、体が軽いので、かなり飛ばされてしまう。
(このパンチ力・・あの細身の体のどこから・・・)
「・・・・・ふぅん」
また幽鬼が消える。
(いや・・違う!ほんとに消えてる!)
さっきの攻撃とは違い、今度は完璧に消えた。速すぎて見えないとか、そんなんじゃないのだ。
ゴッ!!
「ぐ・・」
背中の骨がきしむ。後ろからパンチを打たれたようだ。
(敵が武器を持っていなくてよかった・・)
後ろを見ると幽鬼がまた消えるところだった。
「くっ!」
突きを繰り出すが紙一重で躱されてしまう。
(透明になるだけではなく、実体すら消せれるのか・・)
まさに幽霊である。
「フン」
「!」
後ろから声がしたのでとっさに刀を振りぬく。
「やはり甘いな」
かがまれて躱され、足を払われる。
「くっ・・」
体勢が崩れたところにパンチを撃ち込まれる。
「く・・四方陣!」
そのパンチを四方陣で防ぎ、その間に体勢を整える。
「フン・・悪あがきを」
といい、また消える。
(このままじゃ・・)
確実にやられる。戦闘経験が(おそらく)少ないであろう健のためにも、短期決戦が望ましいというのに。
「く・・」
バサラがあればこんなやつは倒せるのだが、今日はもう使ってしまっている。
「なら・・」
五感を集中させる。
「ふう・・」
「・・・・!」
刀を真上に突き出す。
「な・・」
そこには、上からパンチを撃ち込もうとしていた幽鬼がいた。
「ち・・!」
刀は幽鬼の腕をかすめていた。
(やっぱりか)
ミコトは刀をもとに戻しながら思っていた。
(幽鬼は攻撃するとき必ず実体に戻る。・・おそらく能力で消えていると実体もなくなるため敵に攻撃が当たらないからでしょう・・。)
やはりどんな力にも弱点はあるのだ。
「くく・・面白い・・・。けど」
「!」
健のいるほうでもの凄い殺気が爆発した。
「滅鬼が鬼道した・・。おそらくこれであちらの人間は死ぬだろう・・。そうなればこちらは2対1となり貴様を殺す。」
「く・・・」
「助けにも行かせない。・・・・もし行きたかったら俺を倒せ」
「そんな・・・」
状況はさらに悪くなった。




