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7話

年が明けて少ししてから新聞配達を始めた。


朝3時半に起床して防寒着を着込み氷点下の中バイクで配達する。バイクは新聞販売店から借りていた。


最初の3日は人について区域を覚え地図をもらい昼間に回って覚えた。


凍てつく路面になかなか慣れず大変だが少しづつ慣れてもくる。私が新聞配達始めた事は春川も満足しているようだ。



そして探求の時にこんな事を言われるようにもなるのだ。


「久米原さんこんど山本兄弟が結婚されるんです。そうすると山村兄弟が一人暮らしになるんです。それでどうでしょう?山村兄弟とパートナー生活するのは?」


絶句してしまった。何が悲しくて男と同棲せにゃならんのだ?気持ち悪い。


聞いてはいたが山村兄弟と山本兄弟は独身で男同士で暮らしていたのだ。これをパートナー生活と言うらしい。


「良いですか?久米原さん終わりが近い今、結婚はしないほうが良いんです。だから独身同士で暮らすのが一番です」


そう、間も無くラストストームと呼ばれる戦争が起きエルヒムの証明会以外の人は滅ぼされるというのだ。それが理由か知らないが春川は異常に結婚をする事を禁じるのだ。本人は結婚して子供もいるのに。



やがて春川の考えが分かってきた。春川は私に独身を貫かせ将来はスプレンダーホームと呼ばれる日本支部での奉仕をさせたかったようだ。


そうするならホーム奉仕者を自分は育て上げたと自慢したかったのだ。


息子をホーム奉仕者にしないのか?と聞いたら「キー君(春川は息子の清の事をこう呼ぶ)が成人する頃はスプレンダーバース、楽園になってますよ」だった。


だから久米原さんも結婚なんか考えずに独身の賜物を活かしましょう。と必ず同じ事を繰り返すのだ。


その事はエルヒムへの祈りでも含むようになる。


「唯一真の神エルヒム…久米原さんは年若く人生経験もほとんどありません(すでに22だが)結婚はしないで目標を沢山持っておりますのでお導きください…」


違和感だけが残っていた。





その春先にバサーロを受けていない証明者となり初めての証明活動を行った。冷や汗の連続だった。




そして近集大会なるものも初めて参加し人数の多さに驚きもした。大会は2日土曜日曜に

行われた。


2日目の昼休みにぼうっと会場のホールを歩いていると後ろから久米原さん?と声がかかる。


振り返りあっと声が出た。


あのスクールバスの運転手だった川上さんと姉を訪ねていた奥さんがニコニコ顔でいる。


「お久しぶりです!」というと川上さんいや川上兄弟が握手をしてきた。この人の笑顔を見たのは初めての気がする。


「良く大会に来ましたね、嬉しいです」


色々話をしていたら午後のプログラム開始を知らせる音楽が流れ始めた。


今度、私達の個集に遊びにおいでと言われ別れた。とても親切な夫婦だったが後に組織の愚か者達の犠牲者となるのだ。



そんな楽しい大会が終わってから現実が待っていたのだ。


続く。

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