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4話

春川強は妻がミツといい小学6年の時子と6歳の清がいた。


春川は私にこう聞いた。


「久米原さんは今日の夕方5時頃には自宅におられますか?」


特に用も無いので居ますと答え場所を教えた。仁さんの奥さんの仲間だから悪い人達では無さそうなので教えた。


とにかく初めての集会は驚く事だらけだった。


公開講演と、みはりの塔の討議で終わると様々な人達からも熱烈に歓迎された。


悪い気はしない。


帰りも仁さんの奥さんに送ってもらう事になる。由美ちゃんが私と後部座席にすわりたがった。どうやら気にいられたらしい。


それから集会に行くと必ず由美ちゃんが横に来るようになるのだ。




その日の夕方に約束通りに春川は私の部屋へ来て壁のポスターやオカルト雑誌を見てギクリとしたようだ。壁にはヘビメタグループのアイアンメイディンのポスター…骸骨が血のついた斧を持ったポスター…があった。


即座に春川は言った。


「久米原さんこれから定期的に日曜日の今時間に至高書を探求しましょう」


これが始まりとなり毎週日曜日の5時、仕事がある日は7時から至高書探求が始まったのだ。



ところが不真面目な探求生であったので休む日も何度かあった。


秋に入っても同じ感じで探求を辞めたくなっていた。ある日、集会へ行くと春川がこう言った。


「久米原さんよろしければ、お昼私の家で食べませんか?」


勿論、即座にOKしたが、これでしばらくやめられないなとも感じた。


これが2〜3度あり辞めると言い出せずに秋から冬へと移る。


冬になり仕事も追い込みとなり忙しくなっていたので集会、探求も休みがちとなるがどうせ間も無く辞めるんだからと気にしていなかった。


ついに仕事も終わり長い冬休みとなる。


年末年始は実家へ帰って行った。


大晦日の夜だった、些細な事で兄貴と喧嘩した私は、そのまま千船市のアパートに深夜帰った。酒を飲んでいたので無謀とは思ったが…。


翌日は日曜日でする事も行く所も無かった時、今日集会があるかな?と思い時間に出かけると集会は行われるらしい。かなり早めに着いたので会館内には数名いて私が来たので驚かれてしまった。


私の頭の中ではいくら熱心とはいえ今日は大半が休むだろうと、たかをくくっていた。


前列から4番目の端に座り始まりを待つと眠気も出てくるようになる。開始5分前くらいに入口が騒がしくなり振り返る私は目を疑う。


次から次へと人達が集まりあっと言う間に満員となる。後で知る事だが、この日初めて来た人も居たという。


不思議な感動が湧き上がる。この人達は本気だったんだ自分とは違う真面目にやらねばと考えていた。


それからはかなり真面目に取り組むようになっていた。手応えを感じた春川の口からかるフレーズが出るようになるのだ。


「久米原さんは自分の立場を考えた事ありますか?」


「はい?私は配送員で給料が安いですが会社員ですけど」


「そういう事ではありません。久米原さんは独身という立場で特権なんですよ」


これからいく度となく出るフレーズ。独身の賜物の登場だった。


そうして冬休み中遊びに行く暇も無く真面目に探求に打ち込んだ。その頃までに夜の不可思議現象は起きなくなる。「それは、エルヒムの助けであり久米原さんは感謝を示さなければなりません。その為に独身の賜物を活かさなければなりません」と必ず最後が独身の賜物で終わるようになっていたのだ。


やがて寒さも緩み3月に入るとポツポツ仕事が始まる為に以前のように毎週日曜日の夜に探求するようになるのだ。


この頃から春川の態度にも変化が起きて前のように昼食に誘ったりしてくれなくなるのだ。少しよそよそしい感じもしてくる。


それは、近隣で起きた事件から顔を覗かせるようになるのだ。


続く。

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