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23話

負債を抱えながら開拓証明活動行なう矛盾に気づかないまま私は日々の暮らしに追われていた。


毎月の活動時間…90時間…が達成出来ない為に笹山からブツブツ言われた。笹山はあちらこちらで紹介された塗装の仕事をこなして結構な収入を得ていた。


そう私から奪った仕事で…。


私は自分に言い聞かせた。「絶対にこんな状態から抜け出してやる!そして、こんなド田舎から遥か離れた区域に移ってやる!」と毎日言い聞かせ続けていた。



初夏を迎えたある日の集会で一つの発表がなされた。安藤信男と福地国子の婚約発表だった。


1番のショックを受けたのが林静子だった。


安藤の為に身を粉にしながら安藤の嫌う人間の攻撃を先頭に立って行って来たのに捨てられた…と思ったかどうか知らないが落胆は誰の目にも明らかだったが懲りてはおらず致命的なミスを後に犯すのだ。



そんな周りの恋愛話には全く無縁の私は日々証明活動、仕事に追われていた。


そんな私にある招待状が届いた。9月の頭から始まる開拓証明学校への招待状だった。


そんな悠長な暇等無い事は分かっていたが何かの変化が欲しかった私には丁度良い機会であると考えた。



夏になり開かれた広集大会で千船個集の主導者の一人だった野口兄弟と再会した時に野口兄弟からこんな事を言われた。


「兄弟、私達の個集には兄弟が足りなくて大変なんだよ帰って来ない?」


丁度私が千船個集を去ってすぐに分会となり宗田、春川達の南個集と野口兄弟の北個集とに別れたのだった。


この野口兄弟は宗田や春川とは違い私を認めてくれていた兄弟だったので帰ろうかどうか悩んだが今の中川個集に自分の居場所なんて無いし居るだけ時間の無駄と考えすぐに帰る事を決定し野口兄弟に伝えると喜んでくれた。

証明学校が終わった後の秋に戻る事を伝えた。


それを決定すると心が軽くなるのを感じる、やはりこの個集が心の負担になっていたのだ。



大会終了後に千船に戻る事はしばらく黙っていたが証明学校が始まる少し前に笹山に伝えた。


それは、すぐに個集に広まった。


その事は松尾姉妹の息子の祐一にも知られ行っちゃ嫌だ!と言われた。そう子供達と鈴木姉妹、川村姉妹、大木姉妹から寂しくなるね〜と、言われたが岸田、笹山や安藤グループは冷ややかだった。


川上兄弟がそっと耳打ちしてこう言った。「こんな所にいない方が懸命だ」と。



そして始まる開拓証明学校。


その時に個集で私の昼の弁当作りの希望者を募ったが僅かな人しか応募が無く私から断った。


私はこの2週間をコンビニの弁当で過ごし静かにしていて、これまでの疲れを癒す機会にしようと考えていた。


第一日目の昼にコンビニへ弁当買いに行こうとすると昼休みに学校に来る人の経験を聞くためにたくさんの人が集まるのだが見知らぬ女性からどちらへ行くんですか?と聞かれたので弁当を買いに行きますと答えると手付かずの自分の弁当を差し出して来た。


申し訳ないですと言っても首を振りどうぞと言われ戴く事にした。


すると翌日も弁当を準備してくれた。他の人々からもたくさんの親切を受けた。この組織「エルヒムの証明会」に関わってから初めての経験だった。初めてエルヒムの祝福を感じた本当に本当に貴重な2週間だった。


そんな学校も終わりの時を迎える。私は中川個集を去り元の千船北個集に移るが遥か離れた遠くの区域に移る予定に変化は無かった。


そのワンステップにしようと思っていたのだ。


その移動は本当に自分に大きな影響を与える移動となるのだった。


続く。

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