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17話

ある日西田からこんな事を言われた。


「久米原兄弟今日夜、時間ありますか?」


「今日ですか?時間ならありますが」


「それなら私の妻の探求生の所で食事招待を受けております。一緒に行きましょう」


そして何故か私の車で行く事にした。


探求生の家は30分くらい離れた山の中にある小さな集落だった。子供は近隣の市の高校の寮にいるとの事で本村さんといった。


探求生は奥さんで夫は未信者で至高書には興味が無いが自分の実の妹もエルヒムの証明会にいる為比較的に協力者だった。


食卓にビールが出されたが私は車の運転をしている為に断わると本村さんは驚いた顔でこう言った。


「ほう!君は西田君とは違うね」

最初意味が分からずに西田をみると西田は知らないふりをしながらビールを飲んでいた。



それで私はお茶と食事だけにしていたが本村さんと西田はグラスを傾けながら大丈夫か?と思うくらい飲んでいた。


隣で西田の妻がハラハラした感じで見つめていた。


かなり飲んだ西田と妻を乗せて帰って行くが西田は終始無言だった。



家に戻ると安藤がこんな事を話した。


「見たくないね、主導者の酩酊場面なんか」


吐き捨てるように言った。後に証明活動で本村さんの家の近くを行った時に池田広からここは探求生の家と言われたから知っていると話したた時に驚かれこう言われた。


「えっ!兄弟も飲酒運転したの?」


飲酒運転はして無い事を話すと西田は本村さんの家で酩酊するまで飲んだ後に車を運転して帰る事が普通らしいと聞き唖然とした。


どうりで西田の妻の態度がああだった訳だ。


ある証明活動の時に西田と組んで活動をしている時に先日の本村さんの家での事は話さないよう言ってから西田は話を変えようとしてこんな事を言い始めた。


「ところで兄弟は苫江内市の笹山兄弟のご家族ご存知ですね?」


えっ?と思ったご存知も何も前の千船個集時代に同じグループの姉妹の妹夫婦が笹山家族で何度か会っていたからだ。


「で笹山兄弟のご家族がどうかしたのですか?」


「今度、私達の個集に移動したいと言うんです」


「ああそうなんだ」


理由は分からないが家族で引越して来るらしいのだ。


しばらくすると日曜日の集会に来てから本格的に移動する事を聞いた。数週間後に一家総出で移動して来た。


笹山は助牧者の立場であるので幾つかのプログラムを扱う事が出来ると西田の負担が減り西田は大歓迎だった。


その頃の近集監督は金田と言ったが我々独身男…池田広、心、安藤、久米原…に早く助牧者の資格を捉えるよう促していたのだが助牧者の資格とは至高書に全く関係の無い事柄を要求していたのだ。すなわち自分の言う事を聞いて提案を当てはめる事と開拓証明者で毎月の再訪問が20件を越える事が資格にかなう条件だと言っていた。


勿論!こんな要求は至高書には書かれていない。


そんな金田にとっても笹山の移動は願ったり叶ったりだったのだろう。


笹山はすぐに中川個集でも助牧者として任命を受けるのだった。



この時まだ私の前に立ちこめていた暗雲には現時点では愚かにも気づいていなかった。


続く。


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