13話
その旅行は実家へ戻る途中から印象的な出来事の連続だった。8月も半ば過ぎの土曜日。
ある町を通りかかると沢山の人だかりが橋の近辺にいた。事故?どうやら違うようだ警備員の誘導でゆっくり走行すると、行われていたのは精霊流しだった。
暗い川面に揺られながら流れる小さな灯りを灯す舟。幻想的な心持ちとなり今回の旅行を暗示する物を感じていた。
後で分かる事だけどその町で精霊流しをする機会は特に無いらしく事実それ以後同じ時期にそこに行っても精霊流しは行われる事は二度と無かった。余談だけど未だにあの行事の意味は分からない、後に町民に聞いても口を濁し話してくれなかった。余談でした。
さらに、その町を離れしばらく行くと次の集落が川向こうに見えたが強い証明が見える。どうやら盆踊りか地区の祭りみたいだった。
あちこちで短い夏の一時を楽しんでいるな?と考えていた。
やがて実家に着き簡単な晩ご飯を食べ翌日早いので酒も程々で休んだ。
朝6時に出発し道路を北上して行き見慣れた風景を眺めながら今日行く町の個集はどんな所か考えていた。実はその町は良く知っている町だ親戚が居る為に小学生の時に1回来た事がある町だった。
風景はほとんど変わって無く懐かしい景色を眺めながら走行して行くとある市に到着した。
ちなみにこの地方都市が舞台の有名なドラマがあるが今回は関係無いから省略。
そこを過ぎ目的の町に到着しスーパーのトイレでネクタイ姿に替えたた。会館は普通の民家に手を加えただけのシンプルな作りの会館だった。
初めて来る自分を地元の人が親切に迎えてくれる。特別開拓証明者の姉妹がパートナーで入っていて親切に歓迎してくれた。
正直、エルヒムの証明会に入ってから初めて受けた歓迎と言っても過言では無い。勿論最初に千船個集に行った時も歓迎されはしたが言葉だけの歓迎だった。
いきなり姉妹達から、こう言われた。
「兄弟、宜しければお昼ご飯ご一緒にしませんか?それとも先約がありますか?」
私は、ずっと春川から独身でいるよう圧力をかけられ独身の姉妹に近づく事は御法度だったので答えかねていると特別証明者の探求生と言う人が「なら私も行く!」と言い安心して応じる事が出来た。
さらに押しかける人が殺到する。
集会も私を無視する宗田はいないので伸び伸び注解出来た。本当に久しぶりに満足がいく注解と集会だった。
そして昼食の賑やかさと楽しさは、これまで経験した事の無い物だったので心の中でこう思った。…変なのは春川宗田山村だ!事実こんな人達もいる、こんな個集で証明活動出来たらどんなに良いだろう?…と考えるようになった。
そして初めて目標を見つけた。
必要の大きい小さな個集で働くぞ!そう決意した。
その時はまだ小さな個集が持つダークサイドには気づいてはいなかった。
とにかく、この旅行が大きな変換点となった事は事実だったのだ。私は大満足のうちに千船に帰る事が出来た。
自分が留守中に千船個集にも変化が起きていたのだ。
続く。




