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12話

その春頃からずっと個集に嫌気がさしていた。集会へ行くと宗田の嫌がらせ私生活では山村の女性エロ話にウンザリしていた。


春の近集大会も信者の増加に伴い2ヶ所での大会となり川上兄弟姉妹に会う事が出来なかった。それでも時折実家の用事と言っては中川個集に行ったりしていた。


あの病気の女の子は思わしくなく余命半年と宣告され、すでに半年経過していたが夏に入る少し前に亡くなったようだ。悲しみにくれる個集にお調子者の自分が行くのは躊躇われ自然、中川個集から足が遠のくようになる。


同じ時期に何度か不思議な光景を目の当たりにする。ファミレス勤めの坪井千秋が度々車で通勤しているのを目にするようになる。


親が買ってくれたのか〜良いな〜程度にしか思って無かったある日、坪井の同僚で春川の探求生の長田一男が自転車で坪井の家に行くのが見えそのまま車に乗り何処へ行った。


どうやら、あの車は坪井のでは無く長田の車らしい。では何故坪井が乗っているのか?疑問だけが残った。


そうして広集大会が近づく頃に今度は丸尾優子が何かにつけて山村に接近しようとしていた。



それを見て私は、ふとこんな事を考えた…もし山村と丸尾が結婚でもしてくれたら山村から解放されると。



そして広集大会が始まる。今回、特別な係りは無い為に実にノンビリ出来たが天候が最悪だった。


屋外競技場だったので初日から雨に見舞われた。降りしきる雨は容赦無く聴衆に打ちつけた。


私は登山用の避難用簡易テントを被っていた。他の人も雨ガッパ姿ばかりだった。


この悪天候は予想されていた為にそれぞれ準備に余念が無かったが至高書を開いたり歌の本を開いたりは出来ずに黙って聞くしか無かったのだ。


私は競技場の1番上にいたので周りを良く観察出来た。その時、又々不思議な光景を目の当たりにする。


あの坪井千秋と長田一男がピッタリ寄り添っているのだ。まるでアベックだ。


雨が小降りの時に坪井を抱きかかえるようにして歌の本や至高書を開いて見せていた。


実に不思議で不自然な光景だった。


そうした中でもプログラムは続き大会の最初の劇は悲惨だった。避難都市のプログラムで始めの場面が斧を使った仕事中に斧が外れ1人の男性の頭に当たり亡くなるシーンだったが死体役の男性は水たまりの中に倒れ込むと拍手が起こったくらいだ。


その大会の3日目までこんな状態が続いた。


3日目の帰りに山村に会場での坪井と長田の不思議な光景を話すと山村が黙ってしまったのが印象的だった。


4日目に初めて晴れて快晴となる。靴も濡れてしまい乾燥に丁度良かった。最終日もかのアベックはピッタリ密着していた。


大会が終わってから私には楽しみがあった。


4日程休みを取りずっと遠方に旅行する計画を立てていたからだ。集会もそちらの個集に参加の予定にしていた。


山村が押し黙った日から山村は無言となっていたが私には気にならなかった。旅行の支度をして夕方に出かけ当日は実家に泊まり翌朝7時に出発した。


これが忘れられない旅になる事と私の知らない所で動いていた物にはまだ気づかなかった。


続く。

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