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10話

丸尾優子が、来てから山村はソワソワし始め、事ある毎に丸尾姉妹が…が続いていた。


丸尾のパートナーの坪井千秋はあまり笑顔を見せずに取っ付きにくく感じていたので正直興味がなかった。


そうして年末から近集監督の訪問が始まる。


今回、意を決して元旦の証明活動を申し込んでおいた。兄弟と呼ばれるようになって今年こそは飛躍の年にしたかったからだ。


だが不安が少し、グループの司会者が宗田で宗田はここしばらく私と口をきいてくれなくなっていたからだ。


この頃までにはスプレンダーホーム奉仕に興味を持たない私を春川は見放していたらしい。折角自分が有名になるチャンスを私のせいで逃したからだろう。


そして訪問の日付と証明場所が貼り出され元旦の区域を見て愕然とした。以前に配送の仕事の会社の近くで知った顔の多い区域でもあったからだ。


正直、二の足を踏んでしまったが、これもチャンスだと言い聞かせその日を待った。


山村との生活とグループに行くと冷たい目で睨む宗田に落ちこまされていたが何のそのと思いその日を迎えた、


当日朝、早く起きて準備を怠らないよう気をつけ朝から証明の準備も行った。実はこの一週間くらい個人探究に勤しみ祈っていたのだ。


その朝も長い祈りを捧げ力を求めた。


「全能者なられる神エルヒムみ名が尊ばれますように、あなたのご意志が天におけると同じように地においてもなされますように。

今日、私は試練の多い区域で元旦の証明活動を行います。知人の多い区域であなたの保護の元、勇気を持ち行えますように力をお与えください……」


そうして長い祈りを済まして出かけた。


朝は10時から開始だった。幸いこの日、宗田は別の用事があり証明活動は休んでいた。


そして見事に知り合いの何人かと会え雑誌を渡す事も出来、エルヒムの支えを確信しながら活動を終え喜びに満たされていた。


次の日が訪問最後の日曜日だった。エルヒムに確信を持った私は、みはりの塔誌探究に入念な準備をして臨んだが、どれだけ注解しようと手を上げても当たらなかった。


司会者が宗田だったから…。



落胆はあったがエルヒムの力がある事は気にしない助けとなった。そんな時に事件が起こる。


訪問が終わっても熱意は冷めずに証明活動に力を入れていたある朝、車のエンジンがかからなかった。宗田に専属ドライバーのように私と車は酷使されていたつけが回ってきたようだ。


仕方なく歩いて証明活動に行くと宗田にこう言われた。


「遅刻するとは何事ですか?いかなる理由があろうとも遅刻はエルヒムに対する不信仰になります」


はい?確かに遅刻はいけないだろうがきちんとした理由があるのに…。次の日、遅刻しないように集合場所に向かったが時間前だが誰もいなかった。


?と思った昨日の宗田の言葉は何だったのか?


10分遅れで宗田夫妻が来たのでこう聞いた。

「誰もいないから集合場所変わったかな?と思いました」


その時、辺りに響く大声で宗田に怒声を浴びせられた。

「兄弟はそんな事考えなくていい!!」


この瞬間に今まで燃えていた熱意が一瞬で消えた。そしてこうも言われた。


「兄弟は最近霊的疲労が見られる個人探究していない証拠だ!集会での注解もしなくなった!」


イヤイヤそれはあんたが当てないだけだから。


「明日から私が援助します絶対に活動に遅刻しないように!」


落胆したまま私は帰った。


翌日、集会場所に鬼のような形相の宗田がいてこう言われた。


「まず兄弟が先に数軒訪問するように」


最初の家でしばらく話が出来、雑誌を受け取ってもらえ残りの数軒も良い反応だったが宗田は不満だったようだ。


「全然ダメだ!家の方の心に届いていない。次から私がする後で何処が良かったか聞くから注意深く観察するように!」


宗田は最初の家でこう言った。出て来たのは温厚そうな50代の女性だった。


「正義の見られ無い世の中で真実の正義を模索する人は多いです。奥さんもその1人ですか?」


女性はこう言った。


「あ、あのう何をおっしゃりたいんですか?」


宗田が同じ事を言うと興味ありません!とドアを閉められた。


次の家も50代の今度は男性だった。宗田が同じ事を言うと男性はこう言った。


「はっ?言ってる意味わかんねー」バタン!


次は若い女性だった。宗田は少し言葉を変えて話すと女性がキッと宗田を睨みつけ何も言わずバタン!と乱暴にドアを閉めた。


その後も同じ展開となり宗田がこう言った。


「あ、あのう…私、用事思い出したから帰ります。次回は追って連絡します」


そう言ってすごすご帰る宗田を見てザマー見さらせ!っと言う言葉以外見つからなかった。


とにかく、この一件で組織に対する疑問が浮かんだ。何故エルヒムはあのような男を主導者としたのだろうか?と。


これは、その年に起こる出来事の序章である事に気づいたのはずっと後の事だった。


続く。

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