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「唯一無二のドゥードゥーーーーー」

エレオは人参の袋を引きずりながら甲板を進んだ。レーザーがまだ耳のすぐ横を飛び交う中、気絶した貴族たちを次々と跨いでいく。


彼はまっすぐ、まだ煙を上げるレーザーピストルを構えた筋骨隆々の制服の男に近づいた。


「すみません」


周りの騒動を完全に無視して、エレオが尋ねる。


「あの空飛ぶ船、どうやったら手に入りますか?」


男が振り返り、まるで異星人の言葉でも聞いたかのような目でエレオを見た。


「坊主、逃げろ! 危険だ――」


ピュン!


レーザーが、男の胸に命中した。


「おっと」


エレオはそう言いながら、彼を跨いで先へ進んだ。


他の制服の兵士たちが、エレオに向き直る。


「おい坊主、今すぐここを離れろ! 危ないぞ!」


エレオが瞬きする。


「え……そうなんですか?」


「そうだ!!!」全員が叫んだ。


ピュン! ピュン! ピュン!


全員、撃たれた。


エレオは頭を掻いた。


「あ。またやっちゃった」


---


その時――


ズドンッ!


鉤爪付きのロープが、船の手すりに食い込んだ。


そして――


ズドンッ!


ズドンッ!


さらに二本のロープが、木材に突き刺さる。


エレオの耳がぴくりと動く。黒い人影たちが、亡霊のような動きでロープを滑り降りてきていた。


彼はにやりと笑った。


「うわあ! 楽しそう!」


海賊たちが甲板に着地した――派手な服装、武器、略奪品を入れる袋を背負って。


その中の一人、サングラスをかけ、鼻に傷のある大柄な男が前に出て、エレオを睨みつけた。


「うさぎのガキが、なにやってんだ?」


エレオは鼻を拭って、にっと笑った。


「あ、僕の船がちょっと壊れちゃって……だからインクロープでここまで登ってきたんです!」


海賊たちが互いに顔を見合わせる。


「インクロープ?」


エレオがインクロープを、めちゃくちゃに振り回す。


バシッ!


うっかり、海賊の一人の顔を叩いてしまった。


「いてっ!」


エレオはもう一度振り回す。


ボコッ!


別の海賊の腹に命中する。


海賊たちは、一斉に後ずさった。


「うわっ!」


---


その時――


空飛ぶ船のスピーカーから、大きな怒声が響いた。


「さっさとしろ、間抜けども! 財宝を全部かっさらえ! でなきゃお前ら殺すぞ!」


海賊たちはごくりと唾を飲み、慌てて略奪を急いだ。


金貨の袋を抱えた一人の海賊が、エレオを見た。


「あの、船長。このうさぎのガキ、連れてっていいすか?」


声が返ってくる。


「構わん。とっとと戻ってこい!」


エレオが首を傾げる。


「おお、冒険に行くってこと?」


海賊はエレオの襟首を掴み、鉤縄に放り投げた。


「僕の人参は!?」


海賊はため息をつき、エレオの人参袋を掴んで、一緒に滑り降りていった。


海賊たちは全員、無事に巨大な空飛ぶ船へと着地した。


その瞬間――全員が、巨大な石の椅子に向かって、一斉に膝をついた。


---


エレオは甲板に立ち、周りを見渡した。


海賊たちは全員、跪いている。


まるでボタンでも押されたかのように、寸分違わぬ同じ瞬間に。


彼らが向いているのは、甲板の奥にある巨大な石の椅子――間違いを許されない条件下で、何度も練習してきたであろう者たちの、揃いも揃った忠誠心とともに。


エレオは椅子を見た。


跪く海賊たちを見た。


もう一度、椅子を見た。


「……なんで、その石の椅子にお辞儀してるの?」


海賊全員の頭が、寸分違わず同時に彼の方を向いた。


「しーーーっ」


---


椅子が、回転を始めた。


ゆっくりと。


わざとらしいほど、丁寧に。


「この回転自体が演出の一部だ」と理解している者だけが出せる、その速度で。


そして――椅子には、一人の男が座っていた。


まず目に飛び込んできたのは、髪だった。


途方もない野心を秘めたアフロヘアー。左側は深紅、中央は温かみのあるクリーム色、右側は豊かな青――まるで、予算だけ与えられて監督者を失った夕焼けのようだった。


とにかく巨大だった。


構造物と呼んでいいレベルだった。


客観的に見て――これは、一つの「決断」だった。


その下には、丸い色付き眼鏡、輪っかのピアス、金属製のチョーカー、色ブロックのジャケットを前を開けて羽織り、すべての指に指輪をはめている。


全体の雰囲気は、「高価なもの特有のリラックス感」――つまり、計算し尽くされたカジュアルさだった。


褐色の肌が光っている。


彼は拳に顎を乗せ――


にやりと笑った。


そして、音楽が流れ始めた。


船のどこかに隠されたスピーカーから。


劇的で。


オーケストラ調で。


何か重要なものが明かされる時に流れる、あの種の音楽。


上空から、スポットライトが唐突に現れ、椅子に座る男を照らした。


風など一切ないにもかかわらず、彼のコートが劇的にはためき始める。


彼は身を乗り出した。


「よぉ、坊主。俺は――」


慎重に計算された、間。


「唯一無二の――」


両腕を大きく広げる。


「デュデュデューーーーーーッ!!!」


音楽が盛り上がる。


スポットライトが明るさを増す。


理由の分からない、二つ目のスポットライトが出現する。


跪いた海賊たちの何人かが、「まさに予定通りだ」とでも言いたげに頷き、それに満足していた。


---


沈黙。


デュデュは、反応を待っていた。


エレオの頬が、丸く膨らんでいた。


目には涙が浮かんでいる。


唇は、抑えきれないものを必死に抑えようとする、あの独特な強さで固く結ばれていた。


デュデュが片眉を上げる。


「……何がおかしい」


エレオが、音を出した。


小さな音。


圧力のかかった音。


「なあ」


デュデュが姿勢を正す。


「なあ! 何がそんなにおかしいんだ!?」


「ぷっ、はははははは――」


一気に、爆発した。


「その髪型、なんなの!? ぶわはははは――」


エレオはもう、完全に、限界だった。


片手は膝の上。


もう片方は、指差したまま。


涙が、こぼれ始める。


自分ではもう、どうにも止められない類の笑いだった。


---


乗組員全員が、固まった。


海賊の一人が、剣を取り落とす。


甲板に落ちたそれを、誰も見なかった。


別の海賊は、両手で口を覆い、空を見上げた。


後方にいた三人目の海賊は、ゆっくりと後ろを向いた――「見ていなければ、それは起きていないことになる」とでも言うように。


「今、あいつ――」


「うわ、まずい――」


「まずいぞ、これは――」


デュデュは勢いよく立ち上がり、その拍子に椅子が倒れた。


「俺の髪を笑うな、この小僧――」


「無理――あははは――生理的に止まんない――」


「もういい」


---


デュデュが、指を鳴らした。


鋭く。


正確に。


「システムを持つ男」の指鳴らしだった。


彼の背後から、二つの人影が現れる。


一人目は、ボー。


とにかく巨大だった。


上半身裸――これは彼の体格を考えると、ファッションの選択というより、構造上避けられない必然だった。


顔全体を覆う巨大なネズミの仮面をかぶっていて――リアルで、少し不気味で、説明は一切ない――そして、かつては誰かにぴったり合っていたであろう、ぶかぶかの下着を穿いていた。


左肩には大きなネズミが乗っていて、色々な物を見てきた動物特有の、辛抱強い知性を湛えた目でエレオを見つめていた。


二人目は、ビーケー。


ビーケーは、道化師だった。


比喩ではなく。


本格的なピエロメイク。


道化衣装。


襟には鈴がついているが、鳴らない――彼が、音を立てないように動く術を身につけているからだ。それは、普通に鳴らすよりも、なぜか不気味だった。


指の上でコインをゆっくりと、絶え間なく転がしながら、あらゆる結末と折り合いをつけた者の笑みを浮かべている。


---


エレオは二人を見た。


デュデュを見た。


もう一度、二人を見た。


「……なるほど」彼は言った。


「これは、面白くなってきたぞ」


---


ビーケーが、ルーレット盤を押して出してきた。


大きい。


プロの手による製作物。


明らかに、相当な金がかかっている。


「これは、初めてやることじゃない」と物語る類のルーレットだった。


区画はラミネート加工されている。


指針は、心地よいクリック音を立てる。


装置全体が、ひとつの「制度」としての存在感を放っていた。


デュデュは両手を組み合わせ、「勝手知ったる場所に戻ってきた男」の笑みを浮かべた。


「選択肢は二つだ、坊主」ルーレットを指す。「回すか」海を指す。「飛び込むか。どんな取引にも表と裏がある――船が出る前に、どっちか選べ」


エレオは身を乗り出し、ルーレットの区画に目を細めた。


黙って読む。


まだ読んでいる。


「ふうむ」


考え込んでいるふりをするように、顎をさする。


「わかった。だけど……」


顔を上げる。


「僕の人参は?」


---


デュデュが指を鳴らす。


海賊の一人が、エレオの人参袋を掲げて見せた。


「ああ、それも……そうだな、それも賭けの対象だ」


エレオが息を呑む。


「やだ! 僕の大事な人参は駄目!」


パニックになって、両耳を掴む。


「わかった、わかった! ルーレットにする!」


デュデュがにやりと笑う。


「素晴らしい選択だ、坊主!」


乗組員たちが、皮肉たっぷりに歓声を上げる。


「うおおおー! 回せ回せ!」


「一攫千金か、それとも一巻の終わりか!」


「信じる神様に祈っとけよ、うさぎ坊や!」


---


ビーケーが前に出て、大仰な仕草でルーレットを回した。


大きな音を立てて回転し、記号が溶け合うように滲んでいく。


デュデュがそれを指差す。


「選択肢は十四個ある、坊主。そのほとんどは、俺がお前を殺せるやつだ。二、三個は……まあ、大したことない」


エレオがルーレットに目を細める。


十四の区画には、それぞれ違う結末が書かれていた。


『船から突き落とされる(人参なし)』


『船から突き落とされる(人参あり)』


『ネズミだらけの穴でボーと戦う』


『ビーケーに全力でビンタされる』


『デュデュに素敵な虹色の銃で撃たれる』


『デュデュに耳を戦利品として持っていかれる』


『一週間、デュデュの下僕になる』


『船の洗濯物シュートに放り込まれる』


『二十四時間、間抜けな海賊コスチュームを着せられる』


『ビーケーと戦う(確実に殺される)』


『一日、檻に閉じ込められる(人参なし)』


『乗組員全員のために料理をする(不評は確実)』


『何も得られない』


『デュデュを一発だけ、無料で殴れる』


回転が緩やかになるにつれて、海賊たちが合唱を始めた。


エレオは指を交差させた。


「頼む、なんかカッコいいやつ来て!」


彼はルーレットを両手で掴み、渾身の力で回した。


うなりを上げる。


区画が溶け合っていく。


指針が、ゆっくりになりながらひとつひとつを通過していく音が、甲板いっぱいに響いた――


カチ――カチ――カチ――カチ――


カチ――カチ――


カチ。


ルーレットが、止まった。


『デュデュを一発だけ、無料で殴れる』


---


甲板が、完全に静まり返った。


エレオはそれを見つめた。


それから振り返り、デュデュを、純粋で、湧き上がるような、宗教的とすら言える喜びの表情で見つめた。


「……却下だ」デュデュが言う。


エレオが拳を鳴らす。


「そんな――あれは十四分の一の確率で、ほとんど当たらな――」


エレオが一歩前に出る。


「待て待て待て――」


デュデュが両手を上げた。


「事を始める前に言っておくが、『無料で一発』ってやつを書いたのはビーケーで、俺は一度も同意して――」


ビーケーがコインを弾き、何も言わなかった。


「ビーケー!」


ビーケーはコインを受け止め、それを見つめ、ポケットにしまった。


「……知らんな」ビーケーが言った。


---


エレオの拳は、すでに引かれていた。


「インク・バラージ――」


「待て待て待て、それはパンチじゃなくて――」


ズドオン。


拳が、デュデュのみぞおち付近に命中した。


衝撃と同時に、インクが四方に弾け飛ぶ。


デュデュの体が、地面から浮いた。


甲板を長く優雅な弧を描いて後方へ吹き飛び、マストにぶつかった――今まで言おうとしていたすべての言葉が、一気に体から抜け出るような音とともに。


彼はゆっくりと、マストを伝って滑り落ちた。


その根元に座り込んだ。


瞬きした。


---


「……今の、有効だよね」エレオが言った。


近くの海賊に向き直る。


「今の、有効だよね?」


海賊が慌てて頷く。


「はい。間違いなく。有効です」


デュデュが、その海賊を指差す。


「お前はクビだ」


「クビにできませんよ、俺、志願兵ですし」


「なら、志願を取り消す!」


---


次は、乗組員全員がエレオに向かってきた。


ほぼ全員が、ほぼ同時に――ボスが辱められるのをずっと見せられて、その鬱憤をぶつけたい者たちの、圧縮された熱意とともに。


最初の一人は、まっすぐ突っ込んできた。


エレオは左に一歩ずれた。パンチは耳の脇を通過する。そのまま男の手首を掴み、勢いを利用して方向を変えた――海賊は困惑した声を上げ、そして甲板に顔面から着地した時、もっと大きな声を上げた。


二人が、異なる角度から同時に襲いかかってきた。


古典的な連携だった。


エレオは低く身をかがめる。二人は頭上で衝突し、彼は立ち上がりざまに肘を打ち込んで、どちらが一番驚いたかという問題に決着をつけた。


小さな木ほどもある棍棒を持った大柄な海賊が、甲板の向こうから突進してきた。


エレオは待った。


海賊が振り下ろす。


エレオは椅子を拾い上げた。


ガシャン。


椅子の勝ちだった。海賊の負けだった。


---


「おい坊主、キャッチ!」


皿が一枚、彼の頭めがけて回転しながら飛んできた。彼はそれを受け止め、振り返らずに投げ返した。その方向から、命中音、そして沈黙が返ってきた。


ビーケーがどこからともなく現れ、剣を綺麗な斜め斬りで振り下ろす。


エレオはどこからか――もう出どころを追うのをやめていた――二枚目の皿を掴み、それで刃を弾いた。金属音が甲板中に響き渡る。彼は一回転しながらその皿を放ち、平らな面がビーケーの顎に命中して、横に吹き飛ばした。


「いいフォームだ」ビーケーが、甲板に転がりながら、心底感心したように言った。


「ありがと!」エレオが答える。


ドロップキックを繰り出しながら海賊が一人飛んできた。エレオは、解剖学的にかなり楽観的な角度まで体を反らせ、ブーツが鼻の上を通過し、海賊はそのままテーブルへ突っ込んで、テーブルは即座に諦めた。


---


肩に乗ったままの大きなネズミが、この一部始終を興味深そうに見つめていた。


ボーが、前に出た。


すべてが、静かになった。


ボーは、他の海賊たちとは違った。彼らが武器や速さや角度でエレオに向かってくるのに対し、ボーはそのどれも必要としないものの気配を漂わせていた。彼は、ただ「大きすぎる」というだけで、まったく別のカテゴリーの問題になっていた。


首を鳴らす。


ネズミの仮面が、その描かれた表情のまま、エレオを見つめる。


「でかいね」エレオが言った。


---


ボーが拳を振る。


ヒュッ。


エレオは頭を、二インチ左に傾けた。拳がすれすれを通過し、押しのけられた空気が頬に触れるのを感じた。


彼は瞬きした。


止まった拳を見る。


ボーを見返す。


「なるほど」彼は言った。「意外と速いね、あんた」


ボーが再び拳を振る。エレオは屈んで潜り込み、下から――膝を、ボーの顎の下に叩き込んだ。全力ではないが、十分な力で。ボーの頭が跳ね上がる。肩の上のネズミが、落ちないように両前脚で耳にしがみついた。


ボーが頭を振る。


エレオを見下ろす。


一度だけ、頷いた。


それから座り込んで、それで終わり、という様子を見せた。


エレオは、しばらく彼を見つめた。


「……大丈夫?」


ボーが親指を立てた。


「あ、よかった」


---


甲板が、静かになった。


三十人以上の海賊が、横たわっている。ビーケーは床にあぐらをかいて座り、指の上でまたコインを出したり消したりしている。ボーはマストのそばに、満足げに座っていた。


エレオは両腕を頭の上に伸ばし、周りを見渡した。


「いやあ」彼は、誰にともなく言った。「楽しかった。でも、みんな戦い方、下手すぎだよ」


---


マストの陰で、何かが動いた。


デュデュが、立ち上がった。


ジャケットを整える。


手を伸ばして髪を直す――両側とも、丁寧に、赤も青も――元の構造的な栄光を取り戻すまで。


彼は振り返った。


その目が、変わっていた。丸い色付き眼鏡は変わらない。だが、その奥には、さっきまでなかった何かがあった――怒り、というのとは少し違う。もっと冷たくて、もっと興味を持った何か。


「うさぎのガキ」彼は言った。「お前の戦い方は港のドブネズミそのものだ――失うものもなければ、計算もない。認めるぞ。好きじゃないが、認める」


エレオが彼を見た。


「もう十分楽しんだろう」


デュデュはジャケットを肩から滑らせ、床に落とした。


「今度は俺の番だ。潮は、いずれすべての船を連れ戻す、坊主。お前の番が、今来た」


首を鳴らす。


---


「スプリング・パンチ!」


腕が、後ろに引かれる。


放たれる直前の半瞬、エレオはそれを見た――筋肉と関節が巻き上がり、皮膚が普通の腕のあり方とは違う張り方で引き伸ばされていく。その腕には、通常の物理法則には属さない何かが蓄えられていた――


シュン。


拳が、解き放たれた罠のように前へ弾けた。


エレオは横に身を投げ、それが通り過ぎるのを感じた――耳を風で揺らすほど近く、心臓が普通の鼓動から一気に「普通じゃない」鼓動へと切り替わるほど近く。


彼は二メートル後ろに滑り、じっと見つめた。


デュデュが、かかとで軽く跳ねていた。その動きは、あるべき弾力よりも少し過剰で、すべての関節に「巻かれている」感覚があった。


「へへへ」


眼鏡を直す。


「感心したか、うさぎのガキ?」


---


エレオはその腕を見つめていた。頭の中で、いつもの処理が走る。「今のは何だったか、どこに位置づけるか、それが何を意味するか」


「……あんたのSオーブ」彼は言った。「体全体を、バネにするんだ」


デュデュが瞬きする。


「……そうだ」


「それって、全身? それとも一部だけ――」


「全身だ」


エレオが顎をさする。


「じゃあ、押し倒したら……ずっと跳ね続けるってこと?」


デュデュの目が、ぴくりと動いた。


「そういうことじゃ――」


「それって、何かに向かって跳ねるのにも使えるの? すごい遠くまで飛べたりする? それとも、防御専門? だってさ、まっすぐ動こうとしてる時に体がバネだと、逆に遅くなりそうな気がするんだけど――」


「質問はもう十分だ!」


---


エレオが顔を上げる。


デュデュは、今、笑っていた。それは、さっきまでの笑みとは違う種類だった。


椅子の上での演出用の笑みでもない。


殴られた直後の、いきり立った怒りでもない。


どちらよりも、もっと本物に見えるものだった。


興味を持ち始めた人間の笑み。


「俺の力が知りたいか?」デュデュが言う。「なら――俺から奪ってみろ」


---


彼が、飛び出した。


脚のバネが一気に解き放たれ――二人の間の距離を、一回の弾けるような動きで詰めてくる。腕を引き絞り、全身に蓄えられた力を右拳に集約させて――


エレオの両腕が上がる。


ズドオオン。


衝撃がガードに直撃し、彼は甲板を滑るように後方へ弾き飛ばされた。ブーツが木の上に線を引きながら、船の縁の手すりまで滑っていく。倒れないよう、片手で手すりを掴んだ。


腕が、振動していた。


自分の両手を見る。


デュデュを見る。


甲板の中央に立ち、軽くかかとで跳ねながら、同じ興味深そうな表情を浮かべている彼を。


「そら、これだ」デュデュが言った。


首を傾げる。


「お前、名前は? うさぎのガキ」


---


エレオが、背筋を伸ばす。


手すりから手を離す。


腕の振動を振り払い、構え直し、甲板の向こうにいるこの馬鹿げた男を――夕焼け色のアフロと、バネ仕掛けの体を持ち、実際に、本当に自分を押し返してきたこの男を見た。


「エレオ」彼は言った。


デュデュが、その名前を味わうように繰り返す。


「エレオ、か」


眼鏡を直す。


「面白いな、お前。まっすぐ、正面から、何も隠さずに来た。ここまで恐ろしい相手には、大抵の奴は逃げ道を作るもんだが。お前は作らなかった」


「そっちもね」エレオが言った。


それは、正確には褒め言葉ではなく――事実として、そう言っていた。デュデュは面白かったのだ。まだ解けていない問題が面白いのと同じ意味で。十二歳で、行くあてもなく、渡るべき世界がまるごと目の前に広がっている時に、自分より強い誰かが面白く見える、その意味で。


彼はにやりと笑った。


「あと、あんた、めちゃくちゃからかいやすいよね」彼は付け加えた。


デュデュの眼鏡が、鼻からずり落ちる。


「その髪」エレオが続ける。「特に。情報量が多すぎる」


「殺すぞ、お前――」


「あの配色、名前あるの? 夕焼け? 朝焼け? なんかどっちもな気がするんだけど――」


「スプリング・キャノン!」


---


エレオが走った。


拳が、彼が立っていた場所の手すりに命中し、その手すりは消滅した。


エレオはすでに動いていた。走っている――というのも面白い話で、デュデュもすでに跳ねていたからだ。甲板の上を、大きな弾力のある弧を描きながら、エレオの脚が敵わないペースで距離を詰めてくる。二人の間の距離は、快適な範囲を保ってくれなかった――


彼は拳からインクロープを出し、上へ投げた。


ロープはどこか上――マストか、帆桁か――に絡みつき、彼はそれを使って振り子のように移動した。甲板が足元を通り過ぎていく。デュデュの拳が、彼の足の下の空間を通過した。


エレオは甲板の反対側に着地し、ロープを消し、振り返る。デュデュはすでに、また跳びかかってきていた。バネの力が、大きな塊のように距離を食い潰しながら――


二人は、中央で激突した。


バチンッ。


エレオの右フックが、デュデュの前腕にぶつかる――バネがその大半を吸収し、力を予想外の方向へ分散させ、拳の関節がじんじんと痛んだ。デュデュの手のひらがエレオの肩に当たり、彼を横に回転させながら弾き飛ばした。二人はよろめきながら離れ、三メートルの距離を挟んで、息を切らして立っていた。


---


甲板は、二人の息遣いだけを残して静まり返っていた。


エレオが姿勢を正す。


肩が痛む。拳の関節も痛む。一撃一撃を、余すところなく感じていた。


彼は、笑った。


正直な笑みだった。道場の広場で見せた笑み。ソファの上で見せた笑み。《アイアン・ファング》の外の土の上で、クマに見下ろされながら見せた笑み。演技でも、虚勢でもない――ただの彼自身。この状況を、心の底から、純粋に「いいもの」だと感じている部分の彼。


---


デュデュが、それをじっと見つめた。


跳ねる動きが、止まる。


ずぶ濡れの白いパーカーと、拳についたインクと、あれだけ殴られたばかりの人間にはあり得ないはずの笑みを浮かべた、この十二歳を見つめた。何かが、その表情の中を通り過ぎた。


柔らかさではない。


もっと、「認識」に近いものだった。


「お前、本気で勝とうとしてるな」デュデュが言った。


「うん」エレオが言う。


「俺相手にか」


「うん」


---


デュデュはしばらく彼を見つめていた。


それから、笑い出した。


さっきまでの演出じみた笑いではない。怒りの笑いでもない。本物の笑いだった――何かに実際に「捕まった」時に出る、ぐちゃぐちゃで正直な笑い。彼は膝に手をつくまで笑い続け、眼鏡がまた鼻の半分までずり落ちた。


「坊主」彼は言った。「ああ、こいつは――船体に潜り込んだ錆だ。気づいた時には、もう手遅れになってる類のトラブルだ」


「まだ戦う?」エレオが尋ねる。


「もちろん戦う――」


デュデュは姿勢を正し、目元を拭い、眼鏡を直した。


「ああ。間違いなく、まだ戦う」


再び構えに戻る。


「ただ、その前に、この瞬間を味わいたかっただけだ」


エレオも、自分の構えに戻った。


「わかった」


「お前の葬式だ」


「もう三回くらい言ったよね、それ」


「何度言っても、本当のことだからな!」


「なのに」エレオが指摘する。「僕、まだここにいるけど」


---


デュデュが口を開いた。


閉じた。


エレオを見た。


「……まだそこに、いるな」彼は言った。


――待て。


彼は瞬きした。


「……まだ、そこにいるんだな」


静かに、言い直した。


---


船は、開けた海の上を漂っていた。豪華客船は、少し離れた場所で心地よく燃えている。ボーはマストのそばに座り、居眠りをしているようだった。ネズミが彼の仮面の上で丸くなっている。ビーケーはコインを弾きながら、良い見世物を見分ける男の注意深さで、二人を見守っていた。


エレオの胸の奥で、Sオーブが低く、温かく燃えていた――風を送られた炭火のように。


彼は息を吸った。


吐いた。


「ラウンド2」彼は言った。


デュデュがにやりと笑う。


「ラウンド2だ」


そして、戦いが再開した。

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