大脱出(だいだっしゅつ)
ハンクが拳を鳴らし、得意げな笑みでオロルンを見下ろした。「前回のこと、覚えてるか?」
オロルンはコートの埃を払い、にやりと笑った。「ああ、ああ。だが二度目は縁起がいい数字だろ」
「そんなことわざはないぞ」
「まあ、だいたい合ってる」
一瞬で、ハンクが消えた――そして、自分の部隊の脇に再び現れ、片手を上げる。
「撃て」
アセンダントたちが、一斉に頷いた。
次の瞬間、空気そのものが炎に包まれたように見えた。
オロルンの目が見開かれる。「うわ、まずい」
トニーは両手を合わせ、まるで葬儀に参列する男のように厳粛に言った。「まあ。皆と知り合えて楽しかったよ」
「インク・ダブルロープ!」
エレオの拳から、二本の太い黒い綱が飛び出し、トニーとオロルンの腰に巻きついて、レーザーの壁がその隙間を埋めるほんの一瞬前に、二人を後方へ引き戻した。
四肢と尊厳を失いながら、二人はエレオとケンジの隣に転がり込んだ。
エレオは、ほとんど息をつく暇もなかった。「インクシールド!」
固く凝縮したインクの泡が、四人全員を包み込むように咲き、最初の斉射をその場で受け止めた。
ドンッ! ドンッ! ドンッ!
盾が衝撃に震え、まるで生きていて、それを不服に思っているかのように波打つ。
ケンジが横を見て、心底驚いた声を上げた。「やるな、エレオ!」
エレオの方はといえば、顔全体がピンク色に染まるほど歯を食いしばり、汗を止めどなく流していた。
「へ……平気……」
オロルンは腕を組み、インクにひびが蜘蛛の巣のように広がっていくのを、まるで自分がその内側にいる構造崩壊を評価する専門家のような、冷静な目つきで見つめていた。
「なあ、エレオ。これ、あいつらの弾が切れるまで持つと思うか?」
「え、あの――」
ブジッ!
ひびが一本。それからもう一本。
トニーが、恐竜のあたりから尊厳を諦めた男の、完全にたがの外れた熱意で応援を始めた。
「行けエレオ! 行けエレオ! 行けエレオ! できるぞ、バニーボーイ!」
ケンジが、ゆっくりと彼に向き直る。「何やってるんだお前」
「我らが勇敢なリーダーを応援してるんだよ! 死なないようにな! これを『サポート』って言うんだよ、ケンジ」
「今日聞いた中で一番馬鹿げた台詞だな。今日、俺は恐竜と戦ったっていうのに」
ブジジッ!
さらにひびが、ガラスに広がる霜のように増えていく。
「うわ、まずい、割れる!」エレオが叫んだ。声が一オクターブ跳ね上がる。
レーザーは容赦なく、自動兵器特有の辛抱強さで撃ち込まれ続けた――
盾が、砕けた。
一発の光線が肉に届く前に――
ポンッ。
エレオ、トニー、ケンジ、オロルンが、屋上から完全に姿を消した。
彼らは、巨大な船の暗く唸る腹の中に現れた。突然の暗闇に、パーティーで間違った部屋に入り込んだ四人の男のように瞬きしながら。
「え?」エレオが頭を掻く。「ここ、どこ?」
ケンジが目を細める。柄にはまだ手をかけたままだった。「今の……瞬間移動、したのか?」
彼らは近くの窓に身を寄せた。
下では、アセンダントたちが屋上で凍りついたまま、ついさっきまで標的たちがいた、何もない空間を見つめていた。
一人が、恐る恐る手を上げる。「あの……仕留めましたか?」
ハンクが腕を組み、長く、うんざりしたようなため息をついた。「いや。ビルから飛び降りた」
一斉に、顎が落ちる。「はぁっ!?」
もちろん、ハンクはそれが嘘だと分かっていた。――俺の船の中にいる。彼は思った。にやりとした笑みが、じわじわと形を成していく。感じる。特に、あのうさぎのガキ――あいつの中には、何か封じられたものがある。面白い。
一体のアセンダント――丸く浮かぶドローンのようなもの――が、不安げに揺れた。「あの、それで……これからどうします?」
ハンクが両手を打ち鳴らす。「決まってるだろ。祝勝会だ!」
アセンダントたちが歓声を上げ、エレベーターへと駆け出した。
ハンクはもうしばらくそこに残り、自分の船を見つめていた。笑みの奥に、読み取れない何かを湛えたまま。
ポンッ。
消えた。
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船内に戻って
四人は、重なり合う安堵の吐息を、ばらばらのタイミングで漏らした。
「危なすぎだろ、今の」オロルンが、まだ息を整えながら呟いた。
ケンジが彼に向き直った。目が、再び鋭くなっていた。
「お前――」
前触れもなく、彼は剣を抜き、斬りつけた。
キンッ。
オロルンは、その刃を自分の小指の腹で受け止めた。身じろぎひとつしなかった。
「ケンジ、何やってるの!?」エレオが悲鳴を上げる。
ケンジは刃を下ろさなかった。「こいつはスコーピオンの一員だ。俺たちが眠ってる間に全員腹を裂いて、それを『火曜日の出来事』って呼べる奴だぞ」
オロルンの笑みが、初めて――出会ってから初めて――崩れた。彼は小指を刃に押し当てたまま、押し返しもせず、まったく動かなかった。
「スワーズマン島」彼は静かに言った。「その件か」
ケンジの顎が強張る。「なぜその名前を知っている」
「ギルドの人間なら誰でも知ってる名前だからだ。パーティーで自慢げに語れるような話じゃないがな」
彼の声から、いつもの軽さが完全に消えていた。
「俺はあそこにいなかった。それは記録しておいてほしい。俺は六歳だった。まったく別の場所にいて、その週ギルドが飯を食わせてくれる唯一の方法が、小指で人を刺す訓練だったから、それを習ってた。俺が選んだ仕事じゃない。今日まで、その話すら知らなかった」
ケンジの握りは、緩まなかった。
「それで誰かが生き返るわけじゃない」
「ああ」オロルンが同意する。「生き返らない」
長い間があった。船が、周りで軋んだ。辛抱強く、無関心に。
「俺がギルドに入ったのは、それでその週飯が食えたからだ」オロルンがようやく言い、手をそっと一インチ引いた。刃がついてくるかどうか、試すように。「それで、エレオが冒険に出るっていうから、俺も付いていきたい。それだけだ。それが全部だ。裏の思惑もない。小さな字で書かれた条件もない」
ケンジは、長い間、彼を観察していた。自分自身にも、はっきりと名付けられない何かを探すように。
ゆっくりと、刃が下がった。だが、鞘には収めなかった。
「もし嘘をついてると分かったら」彼は低く言った。「次は、二度は聞かない」
「問題になるつもりはねえよ」一拍。「だが、公平だな」
トニーが、わざとらしく大袈裟に鼻をすすり、緊張を意図的に突き破った。「ああ。感動的だな」
ケンジが答える前に――
パンッ。
鋭い音が、部屋を切り裂いた。
全員が一斉に振り返る。
戸口に、一人の少女が立っていた。腕を組み、かすかな仏頂面を刻んでいる。だが本当に力を抜けば、もっと柔らかな何かに溶けそうな顔立ちだった。大きなピンク色の瞳の中には、小さな星が瞬いているように見え、銀白色の髪は、二本のドリル状のツインテールとなって背後に垂れていた。
彼女の隣には、小さな生き物が短い脚でよちよちと歩いてきた。丸く、ふっくらとしていて、船の光を受けて柔らかな青い羽毛が輝いている。嘴は鋭く小さく、大きな目には、もっと年老いた魂だけが持つような、絶え間ない不満げな審判の色が宿っていた。
ドスッ。
それは、まったく何もない場所でつまずき、顔から床に突っ込んだ。
すぐに体勢を立て直し、「絶対にわざとやった」と言わんばかりの傷ついた誇りとともに、胸を張った。
少女がため息をつく。「マジで?」
エレオが指を差す。「……あれ、ペンギン?」
その生き物が、彼を殺意剥き出しで睨みつけた。
トニーがにやりと笑う。「俺にはペンギンに見えるがな」
その生き物は、その比較に深く、個人的に傷ついたようだった。
ケンジは、まだ剣を構えたまま、少女を見据える。「で、お前は誰だ」
彼女は、気にした様子もなく欠伸をした。「あんたらの情けない尻を、たった今救ってやった人間」
「もっと具体的に」
彼女は腕を組み、まったく感心していない様子で言った。「あんたらをこの船に転移させたのは私。馬鹿ね」
エレオがにっと笑い、頭を掻く。「あ! ありがとう、えっと……」
「アマイ」彼女は平坦に言った。まるで、この自己紹介にすでにうんざりしているかのように。
「ありがとう、アマイ! でも、なんで僕らを助けてくれたの?」
彼女は両手を腰に当て、頭の中で百回は書き直した報告書を読み上げるような口調で説明を始めた。
「ハンクがこの船を所有してることに、うんざりしてたのよ。あいつ、ずっと持ちっぱなしで――正直、退屈な奴なの。飛ばすことすらほとんどしない。だから、新しい経営者を探してたわけ。わかった?」
オロルンが片眉を上げる。「そんなにあいつのこと嫌なら、自分で出てけばいいじゃねえか」
彼女の表情が、完全に平坦になった。「なぜなら、天才さん、私はここに閉じ込められてるからよ。永遠にね」
小さな生き物が、彼女の脚に体を擦り寄せた。言葉のない慰めのように。
トニーが眉を上げる。「つまり――ただでくれるってことか?」
「いいえ」
エレオが瞬きする。「え? じゃあ、僕らは何をすればいいの?」
アマイの口元が、かすかに、鋭く弧を描いた。「頼みがあるの」
エレオが自分の胸を拳で叩く。「はい! ちっちゃい子! 何でも言って!」
彼女の目が、目に見えてぴくりと動いた。「私、あんたと同い年なんだけど」
ケンジが鼻の付け根をつまんでため息をつく。「あいつは無視してくれ。頼みって何だ」
「簡単よ」彼女は指を一本立てた。まるで値札でもつけるように。「あんたらバカどもに、クルーに女の子を一人入れてほしいの」
長い間。
ケンジが目を細める。「それだけか?」
エレオが首を傾げる。「他には何もない?」
「うん」一拍。「あ、それと、お茶会も開いてほしい」
オロルンが鼻で笑う。「ふん。楽勝だな」
トニーが顎をさする。「まあ――『美人』を指定するっていうなら、話は別だがな。それなら少し難易度が上がる」
ケンジは、頭の中で長い割り算をする男のように、こめかみを揉んだ。「それが、お前の最優先事項なのか。お茶会」
エレオが、彼女に元気よく親指を立てる。「わかった、アマイ! 任せて!」
彼女が咳払いをした。「あ。それと――」
全員の頭が、彼女に向く。
「もし私が死んだら、この船は永遠に消える。乗ってる全員もろとも」
沈黙。
ケンジが、完全に静止した。「……もう一度言ってくれ?」
オロルンが、神経質に、少し早口で笑った。「待て――待て、マジで言ってんのか?」
トニーが低く口笛を吹く。「うわ、それは冷たいな。じゃあ、頭に小石一つ当たっただけで、俺たち全員――ポン、開けた空の上で終わりってことか?」
「そう」
エレオが、僧侶のように厳かに頷いた。「なるほど、筋が通ってる」
ケンジが彼の襟首を掴んだ。「どこが筋通ってんだよ!?」
トニーが、なだめるように彼の肩を叩いた。「落ち着け。見ろよ、彼女を。主人公オーラが波のように放たれてる。俺たちの前で死ぬわけがない」
「そうそう」オロルンがにやりと笑いながら付け加える。「それに――もし死んだら、家賃払わなくて済むしな」
アマイは、三十秒前にケンジがやったのとまったく同じ仕草でこめかみを揉んだ。この会話に巻き込まれた者に共通する症状らしい。「もう後悔してる」
「新しい任務発生!」エレオが両拳を突き上げる。「アマイを永遠に生かし続ける!」
小さな青い生き物が、アマイの頭の上に陣取り、自分の飼い主の生死についての会話などまるで気にせず、自尊心に満ちた様子で胸を張った。彼女はトニーを指差した。「あんた。骸骨。ついてきて」
「トニーだ」
「はいはい、トニー。動いて」
彼女は確認も待たずに、背を向けて歩き出した。
トニーは、嬉しそうにため息をついた。「まったく忍耐というものがないな。実に敬意を表する」
二人が階段の上へと消えていく中、ケンジはオロルンに向き直った。
「なあ、オロルン――」
オロルンの両手が、即座に上がった。「何だよ、また斬りかかるつもりか?」
「いや」ケンジは腕を組み、一度、強く息を吐いた。まるでその息とともに何かを押し出すように。「謝りたかった。さっきの態度について」
オロルンが瞬きする。「……は?」
「チッ」ケンジが目を逸らす。「一緒にいるしかない以上――許してやる。今回だけだ」
エレオが二人の肩に腕を回し、満面の笑みを浮かべる。「おおお! じゃあもう二人、友達ってことだね!」
「違う!」二人が、完璧に同期した、恐怖に満ちた声で否定した。
エレオは、まったく納得していない様子で厳かに頷いた。「それ、まさに親友が言う台詞だよね」
ケンジが顔を覆う。オロルンが、聞こえるほど強く歯を軋ませた。
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一方その頃……
アマイはトニーを操縦盤まで連れていき、あまりにも多くの馬鹿に、あまりにも多くの回数繰り返してきた女性特有の、無味乾燥な正確さで、一つ一つのボタンを指し示していった。
「赤はブースター」
「わかった。赤は加速」
「青は翼を作動させる」
トニーがにやりと笑う。「つまり青はバサバサだな」
彼女は、それに応える価値も見出さなかった。「緑は世界地図を出す。オレンジは船全体の起動」
トニーが本気で興味を持ったように顎をさする。「もし海の上にいたら、オレンジは必要なのか?」
「いいえ。そこでは普通の船と同じように動く」彼女は腕を組んだ。「他に馬鹿な質問は? これ以上見せたことを後悔する前に」
「いや、完璧に理解した」彼は拳を鳴らす。「よし、起動させよう」
彼女がもう一言でも発する前に、トニーはオレンジのボタンを叩いた。
エンジンが唸りながら目覚め、甲板全体が二人の下で震えた。
トニーの笑みが、わずかに常軌を逸したものに変わる。「へへへ。この美しい怪物に何ができるか、見てみようか」
彼は次に、赤いボタンを押した。
船が、二人を横に投げ出すほどの勢いで前に急発進し、船全体が、まるでそこに個人的な用事があるかのように空へと絶叫しながら昇っていった。
アマイが両手で舵輪を掴み、エンジンの轟音に負けじと叫んだ。「この撃ちたがりの狂人! 次は先に警告しなさいよ!」
「それじゃ面白くないだろ!?」
彼は青を押した。船体から、巨大で洗練された金属の翼が、空そのものが息を吐くような音とともに広がっていく。
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厨房に戻って
ケンジ、オロルン、エレオは、船全体が激しく横に傾くのを感じた。カップ、皿、そして不運にも食べかけのサンドイッチが、宙を舞う。
オロルンが、辛うじてテーブルの縁を掴んだ。「なんだこりゃ!?」
「あの馬鹿、本当にやりやがったな」ケンジが、壁に体を押し付けながら言った。もう自分の人生がこういうものだと諦めた男の、陰鬱な落ち着きとともに。
エレオが甲板へとよろめき出て、手足をばたつかせた。「飛んでる!? 僕ら、本当に飛んでる!?」
三人が飛び出した瞬間、雲があらゆる方向から流れ去っていくのが見えた。船の翼は完全に広がり、帆のように風を受けていた。
オロルンが、狂ったような笑い声を上げた。「うわあああ、俺たち空の王様じゃねえか!」
ケンジは手すりにしがみつき、指の関節が白くなるほど強く握りしめ、目を見開いていた。「この状況の何もかもが嫌だ!」
「トニー! もっと速く!」エレオが空に向かって指を突きつけながら怒鳴った。まるで空が彼に何か借りがあるとでも言うように。
トニーがにやりと笑い、指を一本、劇的な脅しとともにブースターの上に浮かせた。「おほほほ。本気か、バニーボーイ?」
アマイが彼の手首に飛びついた。「もう一度そのボタン押したら、絶対に――」
「もう何も言うな」
彼が押した。
船が、猛烈な速度で前方へ絶叫し、全員が四肢と怒りの絡まり合った塊になって甲板を転がった。
「殺してやる!」ケンジが吠える。
「俺は永遠に生きるぜ!」オロルンが、嬉しそうに吠え返す。
「自分が何してるか全然わかんないけど、これ最高!」エレオが風に向かって叫んだ。
アマイは両手で顔を覆った。小さな青い生き物が、命がけで彼女の髪にしがみついていた。
「後悔してる」彼女は、誰にでもなく、全員にでもなく、宇宙一般に向けて言った。「全部の決断。すべて」




