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プレゼント

【階段の間】へ移動。中央の下り階段の前に大きな宝箱が、でんっ、と置いてあった。

 初めてのコトである。


「ナンカあるっ」


「クリアボーナスみたいなモンかな」

 いちおう、この5階層で一区切りということかもしれない。


 箱型でフタの部分が半球形とほかの宝箱と同じ。だが色が違う。真っ赤で金の装飾が施されている。


 マサヒコはワクワクしながらフタを開けた。

 今まで、【魔導書】以外はロクなモノが入ってなかった。イヤ、魔装や【ギルドカード】やシュマホーが無かったら十分なのかもしれないが。


 箱の中にはベルベッドの布が敷かれていた。その上には台座に載った黄金のネックレス。それも大きなダイヤモンドが何個もついたスゴいネックレスだ。


「スゴっ。コレ絶対、億とかいくヤツじゃん」


 イヤ、マサヒコの見立てではそんなレベルではない。現代日本なら、もう1桁は上だろう。こちらの世界では、そこまで価値はないのかもしれないが、それでも、5億エーンくらいしそうだ。


「Bランクから上の冒険者の待遇がビップ扱いなワケだ」

 こんなレベルの物がホイホイ手に入るなら大富豪確定である。


「アリスにアゲるよ」

 マサヒコは言った。ちょっとカッコつけた。彼女にプレゼントしたい年頃なのである。


「えっ、ハっ? ウチ、こんなん似合わないし」

 アリスがアワてる。


 まあ、こんなの似合うヤツ、王女とか公爵令嬢とかだろ、とマサヒコは思った。


「ちょっと付けてみたら?」

 マサヒコは冗談めかして言った。


「……じゃっ、つけてよ」

 アリスが赤い顔でうつむいて言った。


「えっ、ウン」


 マサヒコはアリスのシオラシさに、ヤベー、カワイイ、超カワイイ、と思いながら、黄金のネックレスを箱から出した。

 持ってみるとズシリと重い。

 アクセサリーの重さじゃないだろ、コレっ。


 マサヒコはアリスの後ろに回り込むと、緊張しながら、彼女の首に黄金のネックレスを巻いた。


「重っ。ナンカ、存在感スゴいんですけどぉ」

 アリスが言った。それからゆっくり振り返る。

「どう? 似合ってる?」


 不思議と似合っていた。もともと銀色ナースが派手派手なので、ナンカ違和感がない。


「ウン、似合ってる」

 心から言った。


「マジ? じゃあ、ツけてよっかな。彼氏からの初プレゼントだし」


「えっ、ずっとつけてるの? ソレ」

 大粒、というか粒ですらないようなダイヤがたくさんついている。日常的にツけていたら、神経がスリ減りそうだが。それに重すぎる。


「だって、マサヒコのプレゼントじゃん。ツけたいじゃん」


「重くない?」


「慣れっしょ」


 まあ、拾い物だしイイか、とマサヒコは思った。どうも、コッチの世界に来てから、金銭感覚が麻痺している気がする。


 アリスが魔装顕現(マソーケンゲン)を解いた。すると制服姿。黄金にダイヤモンドたくさんの重厚なネックレスが……割と似合っていた。

 もともと派手派手しいギャルメイクで、アクセサリージャラジャラである。思ったよりも違和感がない。


 アリスがネックレスをシャツの下に入れる。すると、もうゼンゼン違和感がなくなった。


 ギャルすげえ、とマサヒコは思った。


「なんか、マサヒコの愛、感じまくりなんだけど」

 アリスが言った。


「俺にもしものコトがあったら迷わず売るんだよ」


「ハアアぁっ? なに不吉なこと言ってんの」

 アリスが素でニラむ。


 マサヒコとしては、冗談3割、本気7割と言ったところ。魔物が跋扈(ばっこ)する世界だ。万に一つのコトがある。

 アリス一人になったトキにネックレスを売れば食べるには困らないだろう。


 アリスがマサヒコの頬を両手でハサんだ。

「マジ、やめてよ。マサヒコ死んだらウチも死ぬから」


「イヤ、死なないから、そー簡単に」


「当たり前じゃん」

 言ってアリスがマサヒコの唇を奪う。


 そのままフタリはキス。長く、エロいヤツ。

 さすがに我慢できなくなったマサヒコは、アリスのボタンを外し、胸元に手を忍ばせた。


 アリスの手もマサヒコの体をマサグる

 

 途中、アリスがまた激しく痙攣(けいれん)した。唇を離し、マサヒコの肩に額をつける。

「マジぃ? もー。キスだけなのにぃ」


「ときどき、あーなるの、ナニ?」

 マサヒコはピンとこない男だった。


「男の射精みたいなモン。言わせんなっ」


「へー、女の子もあるんだ、そーいうの」


「普通はキスで、とか、ないから。ていうか、ウチ、元彼とエッチした時も、1回もなかったから。イクことなんてさ」


「そうなんだ」

 マサヒコ、自尊心がクスぐられ、顔がニヤつく。


「マサヒコだけだから。ウチ、イカせたの」


「じゃあ、もっとイカせないとな」

 言って今度はマサヒコからアリスの唇をフサいだ。


 長々とキスをするうちに、だんだん、服が乱れ、露出が増える。

 マサヒコのズボンは下がり、パンツ一丁。もちろん、勃起だ。


 アリスはシャツのボタン全外し。ブラも外れて、オッパイがポロリどころかモロ出し。

 チェックの短いプリーツスカートの下に伸びるフトモモは、汗やらナニヤラの液でネットリ湿っている。


「ソファ、出そうか?」

 マサヒコが言った。

「それともテントがイイ?」


「ソファでイイからぁ。ウチ、もう、無理、コレ以上、我慢できないからぁ」

 アリスが言って、【ギルドカード】からソファを取り出すマサヒコの腰にしがみつく。その手がドンドン下がり……。


◇


「ねー、マサヒコ」


「ウン? ナニ?」


「呼んでみただけ」


「また?」


「好き」


「それは何の略?」


「超×∞大好きの略」


 ハハっ、とマサヒコは笑った。

 自分の体に乗ったアリスの背中をナデる。

 アリスがマサヒコの頬をペロっとナメた。


「クスぐったいよ」


「愛が足りないんじゃね?」


「そんなコトはない」


「じゃあ、ここは?」

 アリスの唇がマサヒコの耳タブをハムっとくわえる。


「ナンカ、変な感じかも」


「柔らかい。食べたい」


「イヤ、食べちゃダメ」


「じゃあ、コッチ、食べちゃおうかなぁ」


「もーちょっと休まない?」


「ダメ。た、べ、る」


◇


 長い夜。フタリは思いっきりマグワった。

 もう、休憩を何度もハサんで、何度もマグワった。くんずほぐれつ、である。


 テントの中に移動してからも行為は続き、結局、日付が変わるまで何度も何度もつながった。

 レベルアップの影響か、あるいは【ギルドカード】の【ソウルシステム】の影響か、マサヒコもアリスも精力がドンドンとワき上がって、尽きることがなかった。


 やがて、さすがに疲れて眠った。

 深い深い眠り。

 マサヒコが目を覚ました時には午前9時を回っていた。完全に寝過ごした。


 アリスの体をソっとナデて優しく声をかける。

 何度かそうしているとアリスが目を開けた。


「オハヨウ。スゴい寝ちゃったよ。今、9時」


「マジっ? 超寝坊じゃん」

 言いながらもアリスはそれほどアワてていない。マサヒコに向かって手を伸ばす。


 マサヒコは上体を寄せてアリスの抱擁を受けた。

 てっきり、このままキスをするのかと思ったのだが、そうではなかった。

 むしろ、キスをしようとマサヒコが顔を寄せるとアリスが顔を引いた。


「寝起きのキスはヤバいから」


「えっ、なんで」


「ツバって乾くとニオうじゃん。朝、口乾いてんじゃん」


「あー、ナルホド」


「マサヒコに、口クサっ、とか思われるんのヤだから」


 フタリはそのまま名残惜しい気持ちで抱き合い続けた。


「あっ、アサダチは? シテんじゃね?」

 アリスが言って、マサヒコのソレに手を伸ばす。フタリとも裸なので、ムキ出しだ。

「んっ、そーでもない?」


「イヤ、結構、時間経ったからさ」


「アレ、出すまで立ったままじゃないの?」


「そんなコトはない」


「マジっ? ウッチー、そう言ってたけど。だから、彼女は彼氏の朝ヌきするのは、義務だって」


「嘘だからソレ。そんなこと言ったら、みんな朝から、そういうのしてるコトになるじゃん」


「マジで、そういうモンだと思った。マサヒコも毎日してんのかなって。手伝ってあげたいなって思ってた」


「イヤ、だいたい時間がタつか、オシッコすればオサまるからね。ほかの彼氏にもそういうコトしてたの? 毎朝」

 マサヒコは、ちょっと嫉妬しながら言った。


「泊まっトキはしてたけど。毎朝通ったのはウッチーだけ。ウッチーより、ウッチー母に会いたかったから……んっ、あっ」


 マサヒコにより、アリスが話の途中から甘い声をアゲだした。

 自分で聞いたくせに嫉妬にノマレたマサヒコだった。


 そのままフタリは朝から行為に及んだ。

 水を飲んで、口をウルおしたので、キスもした。バンバン、ネットリ、シタ。


 それも終え、身支度が整えられたのが、11時すぎ。もうすぐ昼である。

 フタリはブランチを食べた。


「でっ、これから上に向かうんでしょ。メンドクサっ」


「今日中に、3階まで行きたいな。ムリかな」


「てか、ウチ、もーここに住んじゃいたいけどぉ。誰も来ないしさ。フタリっきりで」

 言ってアリスが顔を寄せる。

「どう?」


 マサヒコはアリスの髪を手でスキながら、それもいいなあ、と思った。

 【迷宮】地下5階フロアから6階フロアでヒキコモリ生活。アリスとなら何年でもヒキコモっていたい。


「イイね。でも、アリスと一緒なら、ここじゃなくても、ゼンゼンいいから。どこでもハッピーだから」


 それにアリスが顔を赤らめる。

「もう、ホストかよっ」


 ブランチ後、フタリはモロモロを【ギルドカード】に収納し、【階段の間】をアトにした。

 マサヒコは地下6階フロアを少しノゾいてみたかったが、そんなことをしていると、永延と【迷宮】から出られなくなりそうだ。ここは自重。


 シュマホーを見ながら最短ルートを戻っていく。引き続き魔装は、マサヒコ軽魔装、アリスはナース魔装。

 ピトっとくっついてイチャイチャしながら歩いている。ハタから見ると、お前らナニしにキてんだよ、と言いたくなるだろう。


 ただ、魔物が現れれば、サっ、と離れ、瞬殺。それからまた、くっついてイチャイチャ。

 チナミに【迷宮】でもキチンと魔物の死骸は回収している。とはいえ、高値で売れる部位だけ。あとは放置。しばらく放置された死骸は【迷宮】の床に取り込まれ消えてしまう。

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