制服デート?
アリスの支度には時間がカカった。シャワーを浴びてメイクをして。その間、マサヒコは朝食の準備をした。とはいっても、【ギルドカード】に収納していたモノを取り出して、テーブルに並べるくらいのものだが。
フト、料理を覚えようかな、という気になった。アリスがメイクをしている間に、自分が朝食を作ったらイイんじゃないか?
エプロンをしてフライパンを振るう自身の姿が思い浮かんで、悪くないカモ、と思った。
バッチリ、メイクを終えたアリス。今日は制服コーデ。コチラの世界にヤってきた時の姿だ。どうせ魔装顕現するのだから、ナニを着ても別にイイのだが、ナニも着ていないと人がいるところで魔装顕現を解けなくなる。
マサヒコはアリスの制服姿にちょっと欲情した。あのカワイイ制服ギャルと俺は、などと、またしても昨夜のイメージが頭の中を駆け巡る。
「ねっ、マサヒコも制服着てよ」
アリスにそんなオーダーをされた。
「制服デートみたいじゃん」
それもイイかも、とマサヒコは思った。
ジャージっぽい服装から着替える。
フタリして制服姿。テーブルで朝食を取る。
パンとスープ。サラダ。
アリスのコトを思って軽めにした。
「ナンカ高校に戻ったみたい」
アリスがパンを両手で持ってウレしそうな顔で言った。
「教室でさ。昼休み? こんな感じだったじゃん」
「俺、ボッチだったからさ。ヒトリでスマホ見ながら、食べてたけど」
「でも、マサヒコ別に陰キャじゃないじゃん。普通だし。てか、超話しやすいし」
上目ヅカいでマサヒコを見て、それからニヤケる。
「カッコイイし」
「イヤ、アリスがグイグイ来てくれたからだよ。俺、人見知りだし。コミュ障だしさ」
「ハっ? さっきだって、知らん人と話してたじゃん。コッチきてからだって、アックスさんとか、ウィナスとか、友達デキてんじゃん」
「そーいえばそーだな」
言われてみれば、である。なんだか、コッチに来てから必死すぎて、いつの間にかコミュ障が治っていたようだ。
「だけど、本当に、日本にいるときはそーだったんだって。ナンカ、イロイロ考えすぎてたのカモ」
「カモね。でも、マサヒコのそーいうトコ、好きだから」
アリスが言って、照れる。
「俺もアリスの明るくて素直なトコ好きだよ」
フタリして顔を赤らめながら見つめ合う。
「そーいえばさ。さっき聞いたんだけど」
マサヒコはつい先ほどレックスから聞いたSランク冒険者の話をした。『ブレイブ』の話と『女喰い』の話だ。
アリスは『女喰い』の話で顔をシカめた。
「ヤバっ、絶対会いたくないんだけどぉ」
「アリス、カワイイから、マジ気を付けないと」
ソレにアリスの顔がまた赤らんだ。
フタリともテントに戻って、またエッチをしたくて仕方がなかったが、周りでは冒険者たちがすでに魔装になったりしている。
どう考えてもそういう雰囲気ではない。
それになにより、マサヒコはエッチをしてしまったからこそ、ソレばかり求めてはいけないと思っていた。
一方、アリスの方は、やはりビッチだとかヤリマンだとか思われるのが嫌である。コッチもコッチでやたらと誘いヅライ。
お前、どんだけヤリたいんだよ、とか思われたくない。
そういったワケで、どちらも自分の欲求に素直になれず、心残りな気持ちでテントを収納した。ソファやらシャワー、トイレ、テーブルセットも片付ける。
「よし、出発しようか。ここで魔装顕現してく?」
「階段降りてからでイイんじゃね? 一緒に学校行くみたいでアガんじゃん」
フタリは手をつないで地下4階フロアへ続く階段を降りた。
4階フロアにも何人か泊まったと思しき人々がいた。朝食を食べたり、朝の支度をしたりしている。
マサヒコたちは赤い扉の前に行くと魔装顕現した。昨日に引き続き、マサヒコは軽魔装の革ジャンのようなレザーアーマー。アリスは銀色ナース(大盾は邪魔なのでやめた)である。
赤い扉を開く。
やはり四角い通路。まっすぐに続いている。
「じゃあ、今日もガンバローか。できれば、5階フロア攻略まで行きたいな」
「オッケー」
とはいえ、フタリして手をツナいでデート気分。
マサヒコは革のグローブ(魔法発射装置【マッパ】)、アリスは銀色手袋(魔法発射装置【マッパ】)なので、互いの手のヌクモリはない。それでも、くっついていたかった。
10メートルも歩かないうちに青いシルエットが5つ出現。魔物の登場だ。頭が大きく大柄な人型。
もうシルエットの段階で丸わかり。オークである。
さすがに手を離し、マサヒコが【ウィンドカッター】で、アリスが【ファイアボール】で攻撃。
マサヒコの風魔法はオークの胴体を上下に割り、アリスの火魔法が直撃したオークとその隣のオークが炎に包まれる。
マサヒコはさらに【ウィンドカッター】を連発。残り2体を倒した。
「魔法にもダイブ慣れてきたよね」
「ウン。コレはコレであり」
「引き出しが多いに越したコトはないから、この調子でガンガン使ってこー」
「アーイ」
地下4階フロアは、今までより敵の発生頻度が高くなっているようだ。
5分と行かずに次の敵が出現する。
マサヒコとアリスは瞬殺しているが、Cランク魔物に苦戦するようだったら、かなりハードだろう。
だが、敵の出現が多いために、魔法を覚えるには最適。
マサヒコは新たな風魔法【ジャンプブースト】を覚えた。背中や足元に強力な追い風を起こして、大きな跳躍力を生み出す魔法。ニンジャ志望のマサヒコにはうってつけの魔法だ。
アリスの方は【フレイム】である。【ファイア】と違い、広い範囲に渡って炎を発生させる。一度、使ってみたアリスは周囲が見渡す限り炎に包まれて面食らった。
「コレ、ヤバいんだけどぉ」
「【魔法力】が高いせいだろうけど。範囲をキチンと意識しないとヤバいね」
発生した炎もデカい。3メートルくらいある。まるで炎の壁。
「コワっ、使いニクいー」
「でも、敵が大量にいるような時は便利だよ」
マサヒコの言葉はまるで予言のようだった。数分後、今度は通路を埋め尽くすような数の魔物が現れた。
蜂のシルエット。だがデカい。体長50センチはありそうだ。
巨大バチの大軍が襲い掛かってくる。
「フレイム」
アリスが言って手の平を前にカザす。
通路に炎が広がった。ハチたちが一瞬で業火に包まれる。
「イイじゃん」
アリスが満足げにうなずいた。
朝から歩き回っているが、なにしろ敵とのエンカウント率が高すぎる。なかなか進まない。
結局、【フロアボスの間】の青い扉の前についたのは昼直前だった。
「えーと、次はBランクが来るってこと? Bランクって、初じゃね」
「オークソルジャー、ゴブリンジェネラル、オーガー、ヘルハウンド、バジリスク、レッサーヒドラ、この辺かな」
「初めての魔物って、ナンカ緊張すんね」
「気を引き締めてこうか」
「ウン」
青い扉を開ける。
例によって、学校の体育館くらいのガランとした広間。フタリが進むと、青いモヤモヤが宙に現れて、そこから青いシルエットが3つ出現。
全部違うシルエット。
1つは見覚えがある。5メートルはあろう人型オーガーだ。
2つ目は獣のようだ巨大な犬といった様子。恐らくヘルハウンド。
3つめはYの字のようなシルエット。
シルエットが一斉に色づいた。
青いテラテラ光る肌のオーガー。
闇を固めたような黒い巨大犬ヘルハウンド。
そして、最後は大蛇だ。人間を丸呑みにできそうなほどでかい。頭が2つある。双頭の蛇レッサーヒドラ。
「フレイム」
アリスが真っ先に火魔法を使った。
3体の魔物が大火にマカレる。
だが、炎の中から魔物たちが飛びだしてきた。
グオォォっ、とウナり声をアゲながら、オーガーが突進してくる。なにしろ足が長いので一歩がデカい。瞬く間に距離が詰まる。
「ウィンドバレット」
マサヒコの風魔法。【ウィンドカッター】と違い、コチラは一度に何発も発射できる。見えない弾丸の乱れうちだ。
オーガーの顔が風の弾丸によって崩れた。
バタンとオーガーの巨体が前に倒れる。
その間にアリスが【ファイアリング】をヘルハウンドの首に巻く。だが、どうやらヘルハウンドは火炎耐性があるらしい。
「アリス、構わないから、弓を使って」
マサヒコが叫ぶ。
「顕現、弓」
一瞬でアリスが弓を顕現させる。だが、遅い。
ヘルハウンドはアリスに向かって飛びかかっていた。
マサヒコが動いた。
【瞬足】でアリスとヘルハウンドの間に割って入り、その凶悪な首を宙でハネる。
アリスは自分を庇うマサヒコの背中にキュンとなった。
ウチの彼氏、超カッコイイんだけどぉ。
残りはレッサーヒドラ。
コレは炎が聞いているらしく明らかに動きが鈍い。
マサヒコが【ウィンドカッター】を2連発し、その双頭を順番に落とす。
「よし。終わり」
マサヒコは、ハア、と息を吐いた。
ヘルハウンドがアリスに向かって襲いカカった時はヒヤリとした。
さすがにBランクともなると魔法縛りはキツイか。
「アリガト」
アリスがマサヒコの背中に抱き着く。
「超カッコ良かったから」
マサヒコは不意打ちだったコトもあり、ビクリっと大きく震えた。ついでにチンチンも大きくなった。
マサヒコは冷静なろうと自身に言い聞かせた。
軽魔装の下半身はレザーパンツ。ちょっと盛り上がるのだ。
5階フロアへ降りる【階段の間】で休憩がてら昼食をトった。
これでBランク昇格試験を受ける資格は得られた。最低限の目標クリア。アトは5階層へのチャレンジ。
「俺、今度、料理してみようかな。ほら、アリスが朝、支度してる間に俺が作ったらイイかなって」
「ナニ? マサヒコ、男でも料理しちゃう系?」
「イヤ、中学の家庭でやった程度だけど。まー、これから覚えてくって方向でさ。アリス、教えてよ」
「料理できたら、マサヒコ、マジ完璧じゃん。てか、彼氏の手料理とか、アガるんですけどぉ」
「そんな期待しないでね。俺、不器用だし」
「イイよ、作ってくれるだけで、マジ、サイコーじゃん。もう、ウチの元彼5人合わせてもマサヒコに絶対かなわないから」
テーブルにヒジをついて、頬杖をつくアリス。そのなんちゃってナース服の胸元がものすごくエロい。
アリスがマサヒコの視線に気が付いて、胸元をチラっとメクる。
「触る?」
否と言うワケがない。マサヒコ、超うなずく。
コレくらいならイイっしょ、というのがフタリの共通見解だった。
コレくらいならビッチっぽくない(主観)。
コレくらいならエロ目的じゃない(主観)。
マサヒコはサっと手を伸ばした。スゴい速さ。
アリスのオッパイを触る。魔装の銀色ナース服は見た目通り硬い。なんか、感触が思ったほど柔らかくない。
と、その手をアリスがつかんで開いている胸元へ誘った。
マサヒコの手の平に伝わるヌクモリと、ヤワヤワとした感触。
マサヒコは存分にモミモミした。
途中からアリスの声が明らかに濡れて、アエぎ声に変わった。
当然、マサヒコのチンチンはビックだ。
雄々しさ最大だ。レザーパンツを下から押し上げてやまない。
ちょっとハシタナイ声をアゲていたアリス。マサヒコのレザーパンツの膨らみに気づいた。
「マサヒコ、おチンチン、スゴくね」
「仕方ない。これは仕方ない。オッパイ揉んだら、誰だってそうなる。俺だってこうなる」
「口で……」
と言いかけてアリスはギリギリ耐えた。
コレはちょっとアウトっぽい。
「えっ、く、口、口?」
マサヒコ、クイつく。
シテくれるんですか? ねえ、シテくれるんですか?
心の声。言いたい。超言葉にしたい。
だが、そんな、欲望丸出しで彼女を性欲のハケ口にしようとするようなコトを言うのは、マサヒコ的にアウトだ。
オッパイはスキンシップ。もう、ハグとかキスの延長線上(主観)。
だが、そっちはアウト。
「く、唇、アレてね? ウチ?」
アリスごまかす。
「えっ、ゼンゼン。キレイ。美味しそう」
クスっと、アリスが笑った。
「じゃあ、食べたら?」
「ウン。食べる」
フタリは互いに身を乗り出してキスをした。もちろん、舌を絡めたり、唾液をナメとり、口内をカキまわしたりする、エッロいキスだ。
そのキスは長かった。30分オーバー。
終わったアトは、抱き合って、好き好き言い合った。




