↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/108

シタイケドサア

 今夜こそ。

 と、アリスは気張っていた。

 今夜こそ、マサヒコとヤル。もうバッチリ決める。エッチする。

 なぜって、マサヒコは自分の体目当てでツキアってるのだから。

 エッチできないなら別れる、と言い出すかもしれない。ちゃんと期待に応えないとならないのだ。

 それになによりアリスがエッチしたい。


 そういうワケで夕食をトり、各自シャワーを浴びたところで、アリスは気合を入れてボディのケアをした。ムダ毛の処理を念入りにし、メイクもバッチリし直して、香水もキッチリつけて。


 服はチューブトップに超ミニ。肩も胸も足も露出しまくり。コレにジャケットをハオる。


 ヨシっ、行くぞっ。

 アリスは気合を入れて、バシッと自身の頬をハると部屋に戻った。


 マサヒコは当然すでに戻っており、テーブルでシュマホー読書をしていた。

 真剣にシュマホーを見ているその眼差しが、カッコ良くて、アリスは、イイなー、と思わず見惚(みと)れた。


「あっ、オカエリ」

 マサヒコが顔を上げた。それから、ウン? と首をカシげる。

「アレ、これから、ドッカでかけるの?」


「ウウン。別にでかけないケド」

 緊張しながら、マサヒコの元へ。なんだか足元がオボつかない。フワフワする。


 チョコンとマサヒコの隣に腰かける。

 自分で言うのもなんだがカナリ大胆な服装。距離も近め。

 今までの元彼たちなら、もう、スゴい勢いで迫(せま)ってきたコトだろう。


 だが、マサヒコはシュマホーに視線を落とすと、また読書を再開してしまった。


 アリスはそこからどうしてイイか分からない。なにしろ、今まで、自分から誘ったことなどないのだ。だいたい部屋でフタリきりになると向こうから迫(せま)ってきた。


 真剣な面持ちで読書を始めるマサヒコの横顔をナガめる。

 心臓がドキドキ。ノドがカワく。


 チナミにマサヒコの方も平静ではなかった。当たり前。

 アリスの生足が、ムキ出しの肩や、大いに主張している胸の谷間が、すぐ隣にあるのだ。アト香水のニオイも強く、鼻孔をクスぐる。イロイロ、ヤバい。


 なんだよ。なんで、そんなカッコウしてるの? アト寝るだけだろ。メイク落とせよ。寝間着着ろよ。


 いちおう、読書のテイはトっているが、内容などチットモ頭に入ってこない。もう考えることはアリスの体のコトばかり。

 スッゴイ、ヤリてー。


 アリスは立ち上がった。

 ココまで来てヒけるか。最後までイったる、とそういう意志。

 マサヒコの後ろに回り込む。


 マサヒコは当然、その気配を感じて緊張する。

 なんだ、ナニ始める気? 怖いんだけど。


 アリスはマサヒコの背中に覆(おお)いカブさった。椅子の背もたれが邪魔で、頭をキュッと抱くようになった。

 そのまましばし沈黙。


「ネっ。しようか。エッチ」

 囁(ささや)くように言った。


 マサヒコはコタえない。反応なし。

 アリスは不安になった。

 ちょっと、なんか言ってよ、マジで。

 ヒいてんの? ヒいてんの?


 マサヒコの手がアリスの手にソっと重なってきた。優しく。


「俺、その、アリスのコト大事にしたいんだ。ゆっくり関係を育(はぐく)みたいっていうか。ツキアってすぐ、そういうコトするの、違うんじゃないかって。そういうのが目的でツキアったワケじゃないから」

 落ち着いた声で言った。


 またしても沈黙。そのまま時間が止まったかのようにフタリは動かなかった。ただ、互いの触れ合っている部分が、ヒドく愛おしかった。


 やがて、アリスが言った。

「……そっか。ヤリたいからツキアったワケじゃないんだ」


「ウン。もちろん、ヤリたいけど。それだけじゃないから。絶対」


「そっか」


 アリスがマサヒコから離れた。

 ズズズっと鼻をススり、部屋のドアの前へ。

「メイク落としてくる」

 言って部屋を出ていった。


 アトに残されたマサヒコは、あー、と髪の毛をカキ回した。

 良かったの? 今の正解だった? 間違ってなかった? アレ、俺アリスに恥かかせちゃった? 

 ワカンない。マジ分からない。


 ハッキリ言って、チンチンはスゴい元気そのもの。俺はまだアキラめてないぜ、みたいな感じで、まだフルパワーを維持している。


 もう、アリスが抱き着いてきたときは、本当にヤバかった。頭が真っ白になった。

 襲いカカる寸前だった。


 それでも。

 アリスを大事にしたいという気持ちは本心で。カッコウもつけていた部分もあるが、本当に、心から、傷つけたくないのだ。

 ここで誘われるまま、欲望のまま、セックスをしてしまうのは違う。そんな感じがしたのだ。

 アリスが本当に求めているものと違う。そんな気がしたのだ。


「でも、ヤリたかったです」

 テーブルに突っ伏してウメいた。


 一方、部屋を飛び出したアリス。

 泣いていた。なんだか知らないが、涙がずっとアフれてきて、止まらない。

 ヤバっ、ウチ、ナンデ泣いてんの。意味ワカンないんだけどー。


 とにかく、感情が乱れに乱れ。

 体が、ザケンな、と訴えていて。

 ウチは、スゲエ、ヤリたいのにっ。


 それなのに胸いっぱいの幸福感。胸の中がホカホカと温かく。ワクワクとこそばゆく。


 シャワー室にまた戻って。

 顔を洗う。バシャバシャと。涙を洗い流す。


 マサヒコ、マジでウチとツキアってくれんだ。ヤリたいからじゃなくて。セフレ気分じゃなくて。マジの恋人? 


 カアーっ、と濡らしたばかりの顔が熱くなる。体も熱くなる。


 なんなん、アイツ。ホストかよ。ウチをハメようとしてんの? あんなコト真顔で言うなよっ。

 などと、心の中でテレ隠しの暴言を吐き散らす。

 もちろん、ウレしくてタマらない。

 大事にしたい、なんて言われて、ウレしくないワケがない。


 せっせ、せっせとメイクを落とす。

 いつもマサヒコにスッピンを見られたくないから、タオルで顔を隠して部屋に入っていた。

 だが、今日はもうスッピン見せちゃう。

 ウチ、こんなんだけどぉ。オッケー?


 メイクを落としてる最中に思い出して、また涙がでてきた。

 ヤバっ、目がハレる。明日、顏ヤベエじゃん。


 ともかく、メイクを落とし終わる。

 そこで、ハっ、と気が付いた。なんか、モらしちゃってるみたいな。

 下着を確認。アっ、コレ……。


 急いで【ギルドカード】から事前に買っておいた生理用品を出した。

 このタイミングかよ、と思った。

 そのままトイレに直行。


 しばらく、そのままトイレにコモり、落ち着いたところで、部屋に戻る。

 部屋の電気はついたままだがマサヒコはベッドに入っていた。寝ているのか静かだ。


 たぶん、寝たフリをしてくれてるんだろうな、とアリスは思った。マサヒコのそういうさりげない優しさが好きだ。


 アリスはマサヒコの顔をノゾくと、チュッと軽くキスをした。


「超好き。オヤスミ」

 言って、ハシゴを上る。


 照明を消しても、まるっきり眠くはなかった。

 アリスは何度か寝返りを打った。

 ウチ、大事にされてる。超大事にされてる。


 もう、幸福感でいっぱい。大好き、大好き、と何回でも口に出したくなる。

 生理が始まって腹が痛いのに、それでもウレしくてタマらない。


 何度かトイレに行った。そのたびに、マサヒコの顔を見る。もう寝ちゃったかな?

 またキスしちゃおうかな?


 その夜、アリスは思いっきり浮かれていた。


 さて、実はこの夜、マサヒコも寝れなかった。イヤ、寝れるワケがない。

 アリスにあんな風にエッチに誘われて。

 オマケに寝たフリをしてたらキスまでしてきて。超好き、とか言われちゃって。


 興奮しないワケがない。思い出してはチンチンがパワーアップしてしまう。

 オマケにアリスが中々寝ないもんだから、もう意識しまくりだ。


 クソっ、ミスったー。カッコつけないでヤっちゃえば良かった。ナニやってんだ、俺。

 何度も心の中で絶叫した。

 せっかく、ヤラせてくれるって言ったのに。俺のバカー。


 エロいコトが次から次へと頭に浮かんで、体はカッカとホテってしまい。

 モダエるように何度も何度も寝返りを打った。

 ああ、時間よ戻れ。あの瞬間に戻れ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。