表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/47

月街 20 自己嫌悪 罪悪感

今回はリョウトの心の中の話です

実は、キョウヤがやられてからの記憶がおぼろげだ


キョウヤは、血をどくどく流しながら。

「気にすんな・・・怪我したのは俺が突っ込んだせいだ」

と言ったと、記憶してる。

トキヤが応急処置はした、止血した。

なのに、まだ苦しんでて、僕等の医療知識は少ないので桜木さんとトキヤに

医療は任せた。


なんだか、いろいろ頭に入ってこない。

ぼんやりする頭は罪悪感だけをクリアにする。

僕のせいだ。全部、何もかもが。


桜木さんが泣いてるのも、僕を春雪や来栖がよくわからない目で見てくるのも。

僕のせいだ、僕が調子に乗ってたんだ。


超能力が使えて、熟知してるわけでもないのにそれにまかせっぱなし。

弱いくせに、出しゃばって。


いや、全部を僕のせいにするのはキョウヤに失礼な気がする。

キョウヤは自分の怪我は自分のせいと言っている。

彼は、いや彼だけじゃなくみんな僕ごときが影響を与えられる程度の存在か?

違う気もする。


でも、自己嫌悪は止まらない。

気付けば、僕の左側に車窓があった。

景色は流れていく。

窓に薄気味悪い僕の顔を映して。


右側に来栖がいた。キョウヤも見えた、苦しんでる。

そんなキョウヤを見て。


早く死ねと思った。

たぶん僕の口角は上がっていた。


「ああああああああああああああ!」叫んで

自分をナイフで突き刺そうとした。

でも、いつの間にかナイフなんてなくしていた。

どこでなくなったんだっけ?前までは使ってた気がする。


最悪だ、僕はここまでクズとは驚きである。


「リョウトッ、大丈夫か?」

いつの間にか頭を掻きむしってた僕に来栖は何か言ってる。

心配してくれてる・・・・・・・ホントに心配してくれてるのか?

信じようとしてるのに心がブレーキをかける。


嫌だ、殺して。


頭の中がぐちゃぐちゃなんだ。

ぐちゃぐちゃに思考が巡ってるんだ。

僕は死ぬべきなんだ。

心のどこかでキョウヤをぐちゃぐちゃに殺してやりたいと思ってる。

違う違う違う、そんなこと思ってない。

思ってるよおまえは僕は、違う違う僕じゃないお前は僕だ、いや違うそうじゃなかった

おまえは僕じゃない失せろいやテメエは僕だ。


誰か、誰か、来栖でもいい。

僕の頭を叩き潰してくれこんな奴殺してくれ

叫ぼうとしたけど、僕なんて人に頼み事していいような奴じゃない。

最低なクソ野郎なんだ。

自分でみじめに首でもつって死ぬべきなんだ。

快楽殺人者の末路はそれがお似合いなんだ。


_リョウト君、落ち着くんだ誰もそんなこと思ってない!_

トキヤのテレパシーだ、うるせえ。殺すぞ、はらわたぶちまけて死ね。

あれ?トキヤ?それ誰だっけ?

おい僕、記憶喪失の振りして逃げようとするんじゃない。

キョウヤがこうなったのは、どう足掻こうとお前に責任があることは間違いない。

お前が超能力をうまく扱えてれば、撤退指示を早く出してれば・

違う!キョウヤだってそう言ってた!

違わない!キョウヤが言わなかっただけだ!


頭の中での大喧嘩。

自分との、僕との言い合い、傷つけあいが終わる気配はなかった。

どこか冷めた目が車窓に映ってる。

気持ち悪い、だれのものだ?僕のだった。

映ってるんだから。

世界が滅んでるのも人肉食ってるのも、知らなきゃよかった。

知らなきゃそれで済んだ。


うるさい、知るしかなかった、理不尽だ。

僕は何もできてない、僕がしたことはただたくさんの人を不幸にした

それだけ。

誰も救えてない、誰もお前の存在を喜ばない。


誰もお前を望まない。


車の景色がいつの間にか流れていなかった。

「リョウトさんッ ガンバっス」

病院の駐車場についていた。

桜木さん、春雪、来栖が何やら準備してる。

トキヤは「ごめん、キョウヤ君のそばについて役に立てるのは僕だけだからさ」

なぜか覚えてないけど、応急処置はトキヤがしたらしい。

つまり、医療の心得があるトキヤはキョウヤについているべきだということだ。

なにがあるかわからないし。


「じゃあリョウト、今からこの病院でキョウヤの治療できそうなものを探すんだよな?」

来栖が確認してくる。

僕はうなずいた。


その瞬間、僕のポケットで携帯が振動する。

メールが来ていた。

差出人は大道寺、それ以上知るなとか書いてる。

うざい、メールを削除。


僕は鉄パイプをしっかり握りしめる。

これで頭殴ったら運よく死ねないかな。

なんて思いながら。


僕を心配そうに見つめる皆が気持ち悪く感じた。


そう感じてる僕のことが一番気持ち悪く感じた。

やっと彼も主人公らしくなってきました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ