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2話 状況

「おい起きろ、起きないと殴るぞ、もしくは蹴り飛ばす」

そんな女の声がうざったい、僕は今柔らかくてあったかいベッドで寝てる。

においもいい。だから起こさないでほしい。

「寝ぼけてるだろ?スタンガンぶち込んでやろうか」


バチバチバチッという電気の音がする。

わざわざダメージを追いたくない僕はベットのうえで立ち上がり、うざい声の持ち主を見た。


「おはよう、ベッドから降りろ」

知らない女の人だった、僕よりたぶん年上で青色のロングヘア―。

見た目からは大人っぽさを感じる、なぜか白衣つけてるし。

容姿はかなりいいだろう、好みじゃないけど。

そんなことを考えていると「いい加減ベットから降りろ」と怒られた。

ホント誰なんだこの人。そしてなぜ僕はベットに?


しかしこの人は仁王立ちをしてるしなんか自信満々な人だなあ……


ちょっとあたりを見回してみる、僕の寝ていた部屋は変なところだ。

壁中に色んなデータをグラフにしたプリントが貼り付けられ、本棚には難しそうな本が並び、そしてなぜか木製のバットがあった。

この女の人は運動しそうにないバリッバリのインテリ臭いんだけど、なぜバット?


白衣をなぜか着てる彼女のことは僕にはわからなっかった。


「お前が神浦リョウトか」

そう切り出される。

「そうですけど、あなたは誰です?」

「超能力をはやくみせてくれ!」

笑顔で言ってきた。自己紹介もせずに突然すぎる。


それより僕は今この状況がわからないから説明してほしいんだけど」

「ああーっとすまん、私は桜木カイ、無月高校の三年だ!色んなものを調べるのが趣味!」

いつの間にか思考を声に出していたらしく、桜木とやらは説明しだした。

「ちなみにキョウヤに墓場の事件について教えたのも私!はい説明終わり!早く超能力見せろ!」

「いや、だからいきなりすぎるって……あなたの事もよくわかってないのに……」


突如

「俺が倒れたお前をここに連れてきたんだ」

部屋のドアが開きキョウヤが入ってきた。

「おおっと、面倒な説明は彼にしてもらうとするか」

そういって桜木は一歩下がり口を閉じる。


「最初な、俺はお前が倒れた時救急車を呼ぼうと思った、けど、あの墓場にいた女が死んでて、お前が殺人犯になっちまうんじゃないかって思ったんだ」

代わりにキョウヤが話出した。

「へー、あいつ死んでたんだ」

「お前がやったんだろ……?」

「まぁたぶん」

超能力を使えるといきなり思って、実際使えましたなんて超展開の中で殺してしまったから正直あんまり実感はない。

だけど間違いなく僕が殺した。


「だから俺はさ、どうすればいいかわかんなくなって、とりあえず親戚だから付き合いのある桜木先輩の家にやって来たんだ」

「殺人犯を匿うなんて悪い奴じゃない?」

キョウヤは正義感が強い、僕があの女を殺したと警察に言うと思ってた。


「お前がいなかったら俺が殺されてたはずだし、襲ってきたのは向こうだし、あそこに行くのを勧めたから俺も悪いところがあるし……」

そういってキョウヤは話を終える。

そんなことを思ったのか、そうか、色々と悩んだ結果この変な場所に連れてきやがったのか。


正当防衛だという説明のためにも警察に捕まった方が良かった気もするが、まぁ僕のためを思って行動してくれたので感謝しておこう。


「よし話は終わったか?それじゃ、とにかく私の話を聞け」

桜木さんがそういって話に割り込んできた。


「お前たち、最近大道寺氏が管理しているこの町はおかしいと思わないか?!」

凛々しいが雑魚っぽい声で高々と桜木さんが叫ぶ。

べつに僕はそうは思わないけど。

あと、大道寺って誰だっけ?町長だっけか?あんまりそういうのは覚えてない。


「見ろ!」

桜木さんは壁に貼られたプリント群を指さす。

そこにあるものを一つ一つ見れば、どれもこれも無月町で異常事態が急増しているという情報だ。

「野菜の値上がり!精神崩壊する人!なぜか落ちてくる砂!失踪する女性!それに君たちが遭遇した墓場の女!そういう異常事件が最近たくさん起きている!」

「そりゃまぁ年がら年中事件なんて何かしら起きるでしょう」


紙を取り出して見せてくる。折れ線グラフだ。

どうやら犯罪数が一年ごとに何件おきているか、というものだ。

2070年とか、2072年はまああまりおきてないが、今年2073年から急激に増加している。

警察とか町長とかもっとしっかりしてほしい。


「あと、最近起きている事件だが……これを見ろ」

桜木さんはとても楽しそうに紙を取り出した、そこには行方不明になった女性の名前一覧がある。

名前の横には顔写真がついている人もいた。


「・・・きれいな人ばかりだな?」

キョウヤがそういうと桜木さんが目を見開いて_てめえ私が言いたかったこと先に言うなよ_

みたいなことを心の中で言った、と思う。いや僕が気持ちを想像しただけだけど。


「さらに女性の行方不明は若い世代に集中してる」

「僕たちにコレを見せてどうしてほしいんですか?」

「え?いや別に?純粋にすごい事になってるぞって教えたかった」

どうやら桜木さんは変な人みたいだ。


「あ、そろそろ帰らねえとやべえ」

キョウヤが時間を気にしだした。

「おいリョウト帰るぞ、流石に親が心配するだろ?」

そういってずるずると僕をキョウヤは外に引きずっていく。

そういえば墓場探索の時点で結構遅い時間だったから、僕が思っているより今は夜深いのだろう。



ふと、超能力を桜木が見たがってた超能力を見せてあげなかったことに申し訳なさを感じた。

せっかくベット使わせてくれた恩があるのに。

でもあれはできるだけ使いたくない、脳みそに負担がかかってるっぽいし……

見せてと頼まれたというのは忘れたことにして、僕たちは桜木さんの家を後にした。



2人で歩く、帰り道にはいろんな人がいた。

本屋に入ってくサラリーマンや、路上でギターを弾く人、部活帰りっぽい高校生。

そういうのを見て「やっぱこの町は平和だね」と言ったら


キョウヤは重苦しい表情で「俺らみたいな人殺しがいなかったらもっと平和だな」とか返す。

結構人殺しを彼は気にしているみたいだった。


殺したのは僕なわけだしおまけに正当防衛だし気にしなくていいと思うんだけどな、仮につかまるとしたら僕の方だし。

……ン?つかまるんなら今のうちに自首した方がいいか?いや待てよ超能力で殺しましたなんて言って警察が納得するとは思えないしむしろいたずら扱いされるだけじゃないのか?。


まぁ考えをまとめるためにもとりあえず家に帰ろうということになって、僕とキョウヤは一度別れた。


そして僕の家について、冷や汗を流すことになった。


玄関ドアが開いてて、そして閉まらなくなっていた。

ところどころ、へこみができてる。

コレは壊れてる、あきらかにだれかに壊されてる。

ガンガン殴られたりけられたりして壊れたんだ。


僕は焦る、まさかさっきの墓場の女が実は生きていて報復に来たとか?

いや待て、あいつは死んだと思うけど……少なくとも何かが起きているのは確かだ。

僕は自分の家にしっかりと敵を警戒しながら入っていく。


ヒヒッ、という声が僕の口元から漏れていた。

それは恐怖か、それとも全く別のものなのか。

僕自身もわからないけどうすうす感じていた、コレは恐怖じゃないと。

読んでくれてありがとうございます

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