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街 under the 終わり

頑張って書きました

そこには、砂漠が、広がっていた。

少年はいったいそれが何なのか理解できなかった。


果たしてそれは何なのだろう?

絶望か、夢か、希望か。


永遠に広がる砂は決して答えない。

***


僕、神浦リョウトは空を見ていた。

高校の屋上で幼馴染のキョウヤとともに肉のみ弁当を食べながら。


はてさて、空を見上げるとなんだか狭い世界に生きてる気がしてくるから不思議だ。

僕らは無月高校の生徒で、1年生になったばかり。

つまり仕事とかもしてないし、税金とかの事もわからず世界の事を何も知らない。

そういう僕たちが空を見上げる時、世界の広大さ以上に自分の小ささを感じるのだ。


……暗い話になった気がするけども、僕は全然絶望してない。

なんだかんだ僕の人生にも良い事がある、例えば今一緒にご飯を食べているキョウヤだ。


硬そうな髪の毛、少し高い背、男らしいと評されそうな顔つきなキョウヤ。

彼は僕と全体的に反対の外見をしている。

アホ毛のある柔らかい髪の毛、少し低い背、どちらかといえば女と見間違われる事もある顔つきの僕。とは反対だろう。


見た目は反対なのに精神性は重なる部分があるらしく、昔から何かと気が合うのだ。

例えば明らかな与太話大好きってこととかさ。

良い友達だと思う。


「リョウト、ここ行くぞ」キョウヤは僕の名前を呼びスマートフォンの画面を見せる。

 そこには墓場がうつっていた。

「今度は墓かぁ、それでいったいどんな謎があるの?」


僕らは都市伝説とか与太話が大好きで、その変な情報がホントか検証しまくっている。

もっとも遊びでやっているから、真剣にはしていない。


ちなみに、心霊はそんなに好きじゃないからやってない

ひとりかくれんぼとか、こっくりさんとかはやらない。

当然のことながら超能力だのと言ったものは検証しない。

……僕等はやばい殺人者がでるとか、そういうものだけ取り扱う。


そのほうがドキドキするし、つまり「肝試し」に近い。


「不気味な女が最近のところ毎日墓場に出るんだ、そして墓の下を血まみれで掘る、それを色んな墓場毎晩やってんだ」

「うん」

「そんでだな、その女が出現していない墓場は残り一つ、きっとこの墓場に女が現れる」

 といってキョウヤはスマートフォンの画面をまた見せつけてくる。

そこには寂れた墓場が映る。


それが本当なら、警察は動いてるだろ?とか、それただの危ない人じゃ?

みたいな疑問はあえて口に出さない。

都市伝説なんてそんなものだろう。


「じゃ、放課後に行こうか、そこ」

僕はそう言って話を切り上げて、肉のみ弁当を食べることに集中した。

最近なんだか野菜の値段が高い、だから肉のみ弁当なんて商品が出てきたのだ。


別にいいけど、美味いから。


そして放課後がやってきた。


僕とキョウヤは墓場にいた、都市伝説検証と称した肝試しのためだ。

墓場といってもあれだ、特に大きいわけでもない。

狭いなかに墓石が大量にあるせいで通り道はとても狭い、平均体系じゃ一人くらいしか通れない。

きっとぽっちゃりしている人は歩くだけでも無理だ。


1人で通ってもうっかり墓石を蹴り飛ばすなんてことが多々あるくらいには狭いのだ。

実際僕も何回か足をぶつけた、罰当たりすぎるがわざとではないので許してほしい。


しかしこの時間帯は薄暗く不気味さにテンション上がる。わくわくだ。

じっと辺りをキョウヤが見回して、沈黙。


僕がこんなに興奮してるんだし、君もアゲてきなよ!

なんて言わない、僕はテンションが上がっても心のうちに押しとどめておくスキルがあるのだ。


「・・・墓なんだな」

そうキョウヤがもらす。

そしてしばらく沈黙してからゆっくりと口を開き。

「たくさん人が死んでて、その、なんというか、やっぱもう帰らなねえか?」

どうやらビビっちゃったみたいだ、まぁ仕方ないかもしれない墓だし。


煮え切らないキョウヤを無視して僕はずんずん進んでいく。

もうちょっとここを探検したい。


「おい!この大量の墓を見て何も思わないのかよ?」

思わない。

止めようとするキョウヤを無視、追いかけてくるキョウヤも無視。

「おーい!遊ぶとこじゃないだろ!?」


ベキベキと足元で割れる木の枝も無視。

色んなものを無視。

そうしていると、頭と心が壊れてる女を見つけた、無視・・・できなかった。


なんだあいつ!?

女は泣きながら墓の下を素手で掘っている。

手は泥と血まみれになっているがそんなこと意に介していない。


きっとあれだ、今日この場所に来る理由となった墓荒らし……


まじで本当にいるなんて思いもしなかった、まずい。

明らかにあいつはヤバい、逃げなきゃ。


足を止める、絶対に向こうへ行かないよう自分にブレーキをかけながら


僕はキョウヤと眼で会話する_あいつやばい__

キョウヤも僕に目で返す。_逃げようぜはやく_


相手は女、こっちの数は高校生とはいえ男二人、だが逃げることを選択する。

相手は間違いなく危険な性質を持っている、そもそも触れないのがベストだ。


僕たちは回れ右して道を引き返す、そのはずだった。

ベキ、と大きな音が響く、それは僕の足元からなっている。

ああ、僕が、木の枝を踏んでなった音だこれは。


女が僕を見ている。


数秒、時間が止まったように感じた。

しかしそれは女がゆっくり動き出すと同時に動き出す。

女の全身から凶器のような狂気を感じた、ダジャレになったがわざとじゃない。


_やばいやばいやばいあの女、目が据わってるしナイフを取り出している_

僕らは焦っていたがあえて走りださずじっくりじっくり後ずさりすることを選ぶ。

背中を見せたらその瞬間とびかかられる気がしていた。



女はゆっくり近づいてきやがった。

じりじりと後ろに下がりながら睨むけど、効果はなくて。

女はナイフを構えて突進してきた。


「クッソ!」

横に避けるのは狭い道と墓石のせいで難しい。

だから、ナイフを受け止めることにする。

女のナイフが遠くから、僕の胸に迫ってくる。

どんどん、どんどん、迫る。

そして、いまにも突き刺さる瞬間、相手のナイフの持ち手を掴んだ。


女の力は弱いようで、それだけで簡単に女の動きを封じられた。

やったぜと自分をほめる、さすが僕だこの異様な状況に適応出来るなんてすごい。



……でもナイフを攻撃を止めただけなんだ、まだ目の前の女は僕を殺そうとしてるんだ。

次はどうしよう?どうこの場を切り抜けようか。

冷静に僕が考えていると。


女は「うそつき、うそつき、うそつき」と連呼している。

何言ってんだこいつ、と僕が思っていると

「あなたじゃない」突然冷たい目つきになった。

_殺される_そう僕に思わせるには十分な冷たさ

そして女は、とてつもない力で僕を片手で投げ飛ばした。


なにこの女!?僕を投げた腕脱臼してる、平気か?!

なんて一瞬で思いながら地面にたたきつけられ、僕は少し意識を失った。


次に意識が戻ると近くには静かさがあった。

あたりを見回すと、ちょっと遠くでキョウヤと女が戦っているのが見えた。


キョウヤは戦わずに背を向けて逃げたそうに見える。

しかし僕が一度ナイフ攻撃をガード出来たのはまるで奇跡だったかのように、女の動きには隙が無い。



だから気づく、あいつ……僕との戦いはちょっと手を抜いたんだ。

僕を油断させて、気絶させて人数不利を覆したかったんだろう、たぶんそうだ。



でもどうやら僕がすぐに復帰しているのには気づいてないみたいだ、必死でナイフを避けるキョウヤに必死っぽいから。

さぁ、とりあえずキョウヤを助けてやらないとと思って動き出そうとした瞬間僕は頭を押させてうずくまった。

ずきずき僕の頭が痛む_クソ、あの女のせいで頭うったのか_とか思いながら違うと気づく。


僕の、この頭の痛さは、何か普通と違う。

じんわりと芯から熱くなるような_


テストのために一夜漬けして頭がぼんやりするような。


そうか なるほど そういうことか


意味不明、超展開、荒唐無稽のあほらしいものが使えるかもしれない。

そんな気がした。

なぜそんなことを急に感じたかなんてのはまた今度考えることにする。


まず自分にこう言い聞かせる。_正当防衛だからやってもいいんだ_

キョウヤ以外目に入っていない女の後ろから、手のひらを向ける。

―これは正当防衛なんだ―

それから脳みその中にある五百個の球を転がすような感触の中で、一つのボタンを探す。

鼻の裏側に焼けるような痛みが走った。



僕の手に、女の腕やわらかい感触が伝わる。

それを関節と逆に折り曲げると女の腕も折れ曲がる。

彼女は持っていたナイフを自然と落とした。


そしてほかの関節を探して曲げる。

そうするたびに女がうめき声をあげて苦しむ。

「ああああああああ!」

この声は、僕の声でもあり、女の声でもあり

お互いにたような悲鳴を上げるから混じってる。


「うわッ!なんだ!」

キョウヤが叫んだ、目の前で女の腕が突然折れたのだ。


「うおおおおおお!!」

僕は叫びながら、これを続ける。

相手を殺してやると決心していた。

頭がずきずきする、この力は脳に負担があるみたいだ。

頭痛い、しかも鼻血でてきた。やべえ普通にきつい。

そして女が僕の目の前で倒れ。


白い閃光。


大量に僕の頭に映像が流れ込んでくる。

「うっぷ」強制的に視界に変な映像をながされることは、相当にきつい。

だめだ、力をつかう時の負担が大きいみたいだ、この<超能力>は。




僕が見た映像は、さっきの女の視点からの映像だった。

男と一緒に生きようと約束して、男が死んで。

男のほかに信頼できる人なんていない女はそれを聞いた時泣き崩れ。

ここから、映像が高速で切り替わっていく。

埋葬だのゾンビだのといったタイトルの本、墓場で男の死体を探す女、そして女の体の関節がいびつに折れ曲がる映像。


女は何が起きたのか答えを求めてあたりを見回す、すると僕にとって見慣れた顔がいる。

神浦リョウトという人間に殺される光景を、僕は見せられた。


「……なんだよ」

今日はおかしい、肝試しに来たら女に襲われて、そしたら僕は超能力を使えるようになってて正当防衛で女を殺して……なんなんだ?


それに僕の体がおかしい、ふらふらする。

貧血か何かか?

少し不安だ、体がまずい状態なのかもしれない。

世界が回る、違う、視界が回る。

そして。

僕はぶっ倒れた。


「おいリョウト!?」

キョウヤの声が聞こえる。そんな中僕の意識は闇に落ちていった。


何もわからないまま僕の意識は、途絶える。


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