月街 13話 春雪ごめん
えーっと、僕は神浦リョウト。
いったん状況を整理する。
今いるのはトキヤの車の後部座席だ。
車の運転手はトキヤ。
車が走っているのは、普通の道路。
まず僕は色んな異様な状況に巻き込まれた。
そして、変な奴らに命を狙われている。
そして、僕に協力した人も命を狙われている。
で、そんな命を狙われてる人を助けながら仲間を集めてる。
一人で変な奴らと戦えるほど僕は強くないから。
そんで、今集めたのは。
キョウヤ、桜木、トキヤ、来栖、なぜかついてきたライム。
それで、トキヤの持ってる黒塗りのデカい車で
僕らは街中を探索したりしてるワケだ。
で、それで、少し気になってることがある。
「協力」した人の中に春雪は入るんじゃないのか?と。
他の人を呼びに行ってて放置してたけど。
彼女は僕を泊めてくれたわけだし。
春雪はただの普通の少女だ、もし命を狙われたら一瞬で殺されるだろう。
そんな、僕の一抹の不安を知ってか知らずか、
右隣に座ってるライムが何か渡してくる。
そのことが僕の思考を脱線させていく。
「この、肉の缶詰、苦手、ゆえにお前にやる」
嫌いなモノ押し付けてきたこいつ。
そして、左隣に座ってるのは、来栖。
彼女は外を見てる。
僕も何が見えてるのか知りたく、同じように外を眺めた。
電波塔の先端がビルの陰から見えてた。
あの塔は無月町で最も高い。
そして最先端のテクノロジーを集結してるらしい。
できたときのキャッチコピーは「世界が滅んでも電波だけは滅ぼさせない!」
世界が滅んだら電波もクソもないと思うけど。
まあ、あれのおかげでインターネットや電話が使えるので
良しとしよう。
そういやあそこはなんかの建物と混ざってたはずだ。
って!だから春雪のこともっと真剣に考えろ僕!
春雪のことをトキヤに話すと、結構すぐに「行こう」と言われた。
ちなみに、キョウヤは前部座席に、桜木さんも前部座席に座っていた。
この車デカいから、いっぱいの人が入れるのだ。
春雪の家につくと、装甲兵が春雪を抱えてどこかに連れて行こうとしてた。
殺されてないのを喜ぶべきか、さらわれていることを心配するべきか、どっちだ。
非常に珍しく
装甲兵は一体しかおらず、全員でかかれば倒せるかもしれないと思う。
しかし、迷う。
僕たちはいまだ何一つわかっちゃいない。
だから、桜木さんが僕の思っていることと同じことを言ったとき。
賛成した。
こういう事だ。
「このまま、奴がさらわれるのをこっそりつけないか?」と。
僕は補足しておいた。
「何処にさらっていくのか、分かれば何か解るかも知れない」
明らかに今、この町は異様だ。
少しでも何かが知りたかった。
僕はみんなに挙手を求める。
意義があるなら手を挙げて、と。
来栖が上げかけたけど、結局上げておらず。
キョウヤだけが、挙手していた。
「あの娘を危険にさらす気かよ!?」
本気で彼は怒っていた。
ライムはまあまあとなだめる。
「ホントに危険なら、来栖とリョウトが助けるますね」
勝手にそういうことにされた。
桜木さんは、春雪を見逃さないようしっかり見ているので
集中していて無言。
トキヤも装甲兵に撒かれないようときどき車を動かし
集中していて無言。
来栖は「装甲兵はあの娘をいつでも殺せる、だけどなぜか殺してない
理由はわからないが、そうそうあの娘が殺されることはないと思う」
と、言った。
そういう考え方もあるのか。
キョウヤは、渋々とこの作戦に納得した。
「でも、もしあの娘が殺されたら、俺はお前らが許せないと思うぞ」
そう文句を言うのも忘れていなかった。
もし、春雪が殺されそうになったら、僕が先に装甲兵を殺す。
そう思いながら車の窓を見ると、僕の笑顔がうつっていた。
嫌悪の対象でも、その逆の存在でもあった。
やっと仲間がそろったので、各々の戦いに関するスペック
リョウト 超能力は隙がでかい 鉄パイプはそんなに強くない 意外と弱い?
だが、超能力のおかげで爆発力はある。
キョウヤ 普通にそこそこ強い でも、相手を傷つけるのに躊躇しちゃう。
実は武器を取り扱う才能がある(そのせいで母親殺しちゃうけど)
桜木 そこまで強くない でも弱すぎというほどでもない。
来栖 格闘は強い 銃の腕とかは多分大したことない。
ステゴロだけならキョウヤの上位互換。
春雪 弱いけど、いたいけな少女だし、わりと普通の弱さ。
トキヤ 春雪、桜木より強い、キョウヤよりやや弱い
ライム 不明 彼女は調子によって大きく強さが変わる。




