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月街 12話 来栖とライムと神浦少年

今回も三人称

来栖は、親の葬式にきていた。

デブ男とに殺された両親のうち、母は、バスケットボールがうまく、すさまじい身体能力を持っていた。

父は格闘家で、ボクシングのトップだった。


つまり、彼女の強さは遺伝によるものが大きい。

もちろん、彼女も柔道や空手などを努力した結果の強さだ。

最初から強いものなんてそうそういない。


葬式会場は妙にぼろっちい建物の中だ。

来栖はもう少し高級なところが良かったが。

生前親が「俺らの葬式テキトーにして、まじで仰々しいの嫌いだから」

というので、あまりいいところは選べなかった。


会場は大して重い空気が流れていなかった。

だいたいは、来栖の親戚が来ているが

彼らに来栖の両親と面識はほぼない。

よく知らない人の死をあまり悲しめない人が多かった。


そして、来栖が高身長なことも、この空気の原因だ。

普通は「まだ子供なのに両親を失うなんて・・・」

と、いたたまれない気持ちになるが。

来栖の身長は周りに威圧感を与え。

その威圧感はいたたまれない気持ちを塗り替える。


来栖は周りの人たちを知らなかったが、感謝した。

あまり関係ない自分の親の葬式に来てくれるなんて。


予想だにしていなかった。

「フヒッ、来栖」

変な笑い声を小さく上げて、少女は来栖に話しかけた。

葬式の場で笑うなと来栖は言おうとしたが、彼女は返答されるより早く言った。

「ほら、あいつ」

そして、女を指さす。

「あいつ、やべし。フヒッ」


来栖は彼女の、 木出 ライム の指さしたものを見た。

ライムは来栖の古くからの友人である。

ちなみに顔は良いが、しゃべり方で一切モテない。

葬式に来た理由はよくわからない。


彼女の指差したものを来栖は知らなかった。

なにが、「やべし」なのかもわからなかった。


そして、葬式が終わって、葬式から人が帰っていき。

人がまばらになったころ、指さされた人が来栖に近づいてきた。

「やべし、マジやべし、奴は」

ライムは同じ言葉を繰り返す。


そして、その人は、男か女かもわからないような端正な顔つきであった。

来栖はそんな顔つきでリョウトを思い出す。

彼も中性的顔つきだったな。と。


その人は口を開いた。

「わ・・私は鳥枝 弓子 そのっ あなたたちを殺さないと、ごめんなさい」

それだけ言って、鳥枝の姿は、カメレオンの色が背景に溶け込むように。

消えた。


来栖は魔法か何かかと思ったが、ライムが機械の力と言う。

「フヒッ!光学迷彩・・・姿を見えなくできるです」


パンッと乾いた銃声がした。

残っていた葬式に来ていた人が頭から血を吹き出して倒れる。

「!?」

葬式上は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

いる人たちはこけたりしながら、必死でこの場を離れようと逃げ惑う。


そんな人たちが、どこからか撃たれている。

姿を消した鳥枝が撃っているのだろう。

来栖は止めるため、音に集中した。

銃声は_「こっちからだッ」

そして、跳ぶ。


前へ大きく。

銃声がした空間を殴りつける。

すると。手ごたえがあり。

数秒して、倒れた鳥枝が姿を現した。


「フヒヒ 光学迷彩破れたり」

「・・・で、なんでこの人は人を襲ったわけだ?」


3分後、もう会場には来栖、ライム、鳥枝しかいなかった。

とりあえず、3人は話し合っていた。


鳥枝は落ち着いた様子で、襲撃の理由を教えてくれた。

「上からの、命令で、みんなの平和を来栖さんが壊す可能性が高いので」

そんな説明で来栖は納得できない。なので文句を言うと。

「来栖さんはリョウトさんの太った男との戦いに手を貸しましたよね?」

と返された。


来栖はまだ納得できてない。

「じゃあ、なんで葬式場にいた人を殺した?私だけ狙えばいいだろ」

と怒りをあらわにすると。

それが鳥枝の何かに触れたようで、鳥枝はおかしくなった。


「ホントはみんな死ぬべきなんです!誰も彼も!死んでしまえばいいんです!」

本気でそう言っている。

「死ぬべきなんですよ!ホントに!」

そして、唐突に二丁の拳銃を取り出した。

それを来栖とライムそれぞれに向ける。


このままでは、来栖たちは撃たれる。

撃たれては、死ぬ。

来栖は、銃を奪い取ろうと走り出し。

ライムは銃を防ごうと、盾に使えそうなものがないかと辺りを見回す。


その瞬間。


窮地に救い。


ゴン、と鈍い音が響き、鳥枝がゆっくりと倒れた。

「えーっと、久しぶり かな?」

鉄パイプを持った少年が、倒れた鳥枝のすぐそばに立っていた。

神浦 リョウト  

彼が来栖たちを助けたのは明らかだった。

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