11話 キョウヤの物語
桜木は昔。あるものを見てから都市伝説を追い始めた。
それは、行方不明になった近所のおじさん。
その人が警察に誘拐されるところを見た。
いつも「外の世界にだせ!」とわめいているおじさんである。
そんな彼が、公務員に誘拐される・・・
その謎を解き明かしたかったからだ。
後、承認欲求が強いから、というかそっちが本音。
彼女は今、深夜にキョウヤの家のドアをたたいていた。
「キョウヤ―!インターホン押したろ―!出ろー!」
装甲兵に彼女は家の中を襲われ、命からがら逃げだしたのだ。
彼女の用意していた何かそういう危険なものが来るとき用のバットは役に立たなかった。
なのでスタンガンなど最低限の武器だけ持ってキョウヤに助けを求めに来た。
ホントは、もっといろいろ持ってきたかったが、忘れてしまった。
その頃キョウヤは。
家の中で。
自分が刺殺した母親を見て、嗚咽していた。
少し、前に時間を戻そう。
キョウヤは自宅の2階、そこにある自室で
パソコンをしていた。
ネット上の友達たちとチャットしていたのだが。
その友達は
山坂 利知 だの 赤木 迷 だの
だのといったやつらがいて、そいつらが負けて世界が滅んだなどと騒ぎだしたので。
そっと、パソコンの電源を切った。おかしい奴にはかかわらないに限る。
ちなみにここで出た名前はべつにストーリーと深くかかわることはないので忘れてもらって
かまわない。
そして、母親に夜ご飯だと呼ばれ
リビングのある一階へと降りて行ったのだが・・・
嗅いだことのある、嫌な匂いがした。
母が、うつろな目をして何も乗ってない食卓を見ながら
「ごはんよ」とつぶやいていた。
「何もないけど?」
キョウヤが聞いても。
「ごはんよ」
という返答しか返ってこない。
そして急にキョウヤの頭を掴み、食卓にたたきつけようとした。
キョウヤは必死で抵抗し、手を振り払い、キッチンへ逃げた。
「うわあ!」
キョウヤはそれを見て、背筋が凍る。
鍋でコトコトと人の腕が煮込まれていた、
そしてまな板の上に、いくつも切り込みを入れられたキョウヤの父の
頭部が転がっていた。
調理するところじゅうに父の死体があった。
嫌な匂いは、リョウトの家で嗅いだ死の匂いだった。
「ごめんね、キョウヤ 少しあなたの分食べちゃった」
母はキョウヤにやさしく話しかけながら。
包丁で切りかかった。
上手く避けてキョウヤは叫ぶ。
「母さんが!父さんを殺したのか!?」
包丁を避けながら。
「母さん!」
キョウヤは泣いていた。
そして悩んでいた。
自分が、最もやりたくないことをすることを。
母はキョウヤに向かって包丁をなげつけた。
それはキョウヤの顔スレスレを通り過ぎて、壁に突き刺さる。
キョウヤはその包丁をとり母に向けた。
「母さん!やめてくれ!これ以上俺を殺そうとするなら俺は!」
その言葉は届かず。
母は二本目の包丁を持ち、キョウヤにとびかかった。
キョウヤは運が悪いのか良いのか、腕っぷしが生まれつき強い。
だから、反射的に、母の攻撃をよけ、攻撃、してしまった。
キョウヤはそれを望んでいなかったのに
彼の戦いの才能がそうさせた。
「・・・・あ?」
キョウヤも彼の母も何が起きたのか一瞬理解できなかった。
母には包丁が深く深くつきささり、致命傷は明らかだった。
「き・・・救急車!」
キョウヤは呼ぼうと電話に向かいたかったが、母がキョウヤの足首を強くつかんだ!
そしてこけてしまった。
「母さん!早くしないと死ぬって!救急車呼ぶから!」
キョウヤは必死で母から逃れ、救急車を呼びたかったのに。
「殺してやる・・・」
母が足首をとてつもない力で掴み、どうしようもない。
無意味にキョウヤの頬を涙が伝っていた。
必死で母をどかそうとするが、彼女は狂っていた。
常に火事場のバカ力がでっぱなしだった。
そして数分してどかせたとき、母は死んでいて。
外から、キョウヤを呼ぶ桜木の声が聞こえてきて。
キョウヤは嗚咽して。
この話の冒頭に戻る。
「キョウヤ―! インターホン 押したんだからー! はーやーくー!」
と、そんな風に桜木が騒いでいると、ブロロという音を立てて
黒い車がやってきた。
そして、その中から、リョウトとトキヤが出てくる
そして桜木に気づいたリョウトは話しだした。
「桜木さん、良かった今、僕にかかわって協力した人が装甲兵たちに狙われてて」
「だから、キョウヤも桜木さんも危険なんだ!」
桜木は装甲兵に襲われたことを思い出した。
そして、「キョウヤー!お前も危ないってー!リョウトが言ってた!」
とまたキョウヤの家のドアをたたきだした。
キョウヤは、その頃、涙を拭いていた。
母を殺してしまった、自分は人殺しである。
だから、自殺しようとも思った。
だが、桜木からリョウトの名を聞き、やめた。
キョウヤはリョウトの名を聞いて冷静になり、考えた。
リョウトの周りは今、異常だ。
自分たちを取り巻くものは異常だ。
町全体が何かおかしくなっている。
そのおかしさが、皆を殺すのなら。
自分はそのおかしさを潰さないと。
その思いは彼の正義感からくるものだ。
キョウヤは母と父の死体に手を合わせ
「葬式とかする暇なさそうだ、ごめん」と謝罪し。
そして、彼はリョウトたちのもとへ走った。




