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6 商店街

「あれはフェーベルの黄桃!? カティラのシルクの布まで!? あの野菜とっても安いわ!?」

「エルセ、少し落ち着いてください。」


 流石王都に一番近い街! 人々が沢山行き交って活気があるわ!

 八百屋では野菜がとっても安く売られていて、肉屋には新鮮な赤身肉が置いてあるわ!

 どこからかパンのいい匂いも漂ってきて、もう我慢ならない!


「これとこれを2つずつくださいな!」

「はいよ! 合わせて大銅貨4枚だ! 嬢ちゃんたち綺麗だし、これもおまけで付けといてやるよ!」

「まぁ! ありがとうございます!」


 私は大銅貨を3枚支払い、無花果(いちじく)と、大きな林檎を2つずつ購入し、おまけで一つグレープフルーツをもらった。


「レティ、どうぞ。」

「良いのですか?」

「そのために2つ買ったのよ。」


 私は手軽に食べられる無花果をレティに渡す。手本を見せるように無花果を皮ごとまるかじりする。


「んっ、甘くてとっても美味しいわ!」

「そりゃあよかった! どうだ? もういくつか買っていかないか?」


 あら、商売上手ね。


「では、あと6つほど買わせていただこうかしら!」

「おう、大銅貨3枚と銅貨6枚だな!」


 私が巾着からお金を出そうとすると、レティが先にお金を渡す。レティの手元には二口ほど齧られたと思われる無花果が乗っている。

 …美味しかったのね。


「まいど〜!」

「えぇ、では。」


 私たちは果物屋から離れ、いろいろな店を見ることにした。

 八百屋や、肉屋、パン屋などや屋台など。市場には行商人達が珍しいものを売っていたりした。

 卵とか、川魚なども買ったりして、マジックバッグに入れている。


「そういえば、生物と、その他のものを全部マジックバッグに入れてても大丈夫なの?」

「それぞれに干渉することはないので大丈夫です。」

「ふーん、便利ね。じゃあ卵も割れないってことかしら。」

「そうですね。」


 面白いわね。どういう原理で出来ているのかしら。

 マジックバッグっていうのは遺跡、もしくはダンジョンからしか出てこないのよね。

 …うーん、考えてもしょうがないわね。


「あれ? 入りませんね。」


 レティは、卵を入れようとして押し付けているが、入ろうとしない。


「容量がいっぱいなのかしら?」

「……いえ、このハンカチは入りますので、多分容量がいっぱいということではなさそうですね。」


 どういうことかしら?


「生きているとか?」

「……そうかもしれないですね。マジックバッグに生物を入れることは出来ないですから。」

「他の卵は入るのかしら?」

「えぇ。多分輸送中に紛れ込んだのでしょう。返しに行き…」

「まって。」


 私はレティがさっき買ったところの卵屋に行こうとしたので、肩を掴んで制止する。


「はい?」

「…孵化させてみない?」

「ダメです。どんなものが生まれてくるかもわかったものじゃありませんし、生まれたときにあなたが面倒を見きれる確証はあるのですか?」

「……なんとかする。」

「責任を持ていないのならば、この卵にも失礼ですよ?」

「私の直感が言っているの! この子は孵化させたほうが良いって!」


 だって、こんなに惹かれているの! なんだか運命のようなものを感じてしまうのよ!

 ……確証はないけど!


「……はぁ、良いですよ。その代わり、孵化から生まれたあとまで、全て貴方が責任を持って世話をしてくださいね。」

「約束するわ!」


 ふっふーん。…というか、この卵ちょっと他の卵よりデカいわね。

 店主は気づかなかったのかしら?


 その後、私たちは鞄屋に行き、私の鞄を買った。巾着だけじゃ流石に少ないし、この卵を割ってしまいそうで怖かったから新しく買った。

 魔獣の皮でできたよくしなって衝撃から荷物を守るらしい。


 肩掛けカバンで、デザインや色合いが綺麗でちょっと高かったけど奮発して買ったわ!


 その後は、服屋に寄って新しい私の服や、レティの服を買ったりした。

 頑なにメイド服を着ようとするレティVS頑張って説得しようとする私


 …厳しい戦いだったわ…


 結局は私が説得に成功し庶民向けの街に溶け込めるような服装を買い、試着室で早速切ることにした。


「あら、似合っているじゃないの!」

「…そう、ですか?」

「えぇ! やっぱり肩出しにミニスカと絶対領域のコンボにレティが入って最強よ!」

「…ふふっ。」


 世の中の思春期男児がこぞって二度見するような美人が爆誕したわ!


「エルセ様も着替えたらどうです? ずっとオーバーオールっていうのも味気ないですよね?」

「そうね。じゃあこのタートルネックのセーターを早速着てみようかしら。」


 私は試着室の中に入り扉を締め、服を脱ぎ始める。

 ……少し成長したわね…


 手元の書類が見えなくて鬱陶しいと思っていたけど、今は肩こりの原因でしか無いのよね。

 あとは時々ブラを破壊すること。

 ……まぁいいわ。


 上にセータを着て下にスカートを穿く。上に袖の短いカーディガンを羽織り、試着室から出る。


「私とはかなり違う雰囲気ですね。似合っています。」

「そうかしら? じゃあ他にも色々…」


ぐぅぅぅ…


 私の腹の虫が盛大に鳴る。

 ……恥ずかしい…


「先にご飯にしましょうか。」

「……はい。」

※補足


銅貨1枚=10円程度

大銅貨1枚=100円程度

銀貨=1000円程度


銅貨→大銅貨→銀貨→大銀貨→金貨→大金貨→白金貨→大白金貨

この順で10倍ずつ

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