↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/20

15 Others  その他の現状

「……クソっ」


 街道という街道に兵士を配置して、毎回検査を行っているというのになぜ見つからないの…!

 あの街の門番からの目撃情報が手に入り、街を隈なく捜査させたが見当たらなかった。目撃情報はあった。必ず周囲にいるはずよ!


「………指名手配を始めましょうか。」

「なっ!? それはどうかと思います!」

「だまれ! 騎士風情が!」

「……」


 あいつらは東に逃亡していると考えられるから、とりあえず全ての街に指名手配を。

 ……そうね、金貨50枚でどうかしら。庶民にとっては大金のはずよ。


 似顔絵……そういえば倉庫肖像画があったわね。カイルから金を借りて画家を雇って模写をさせましょう。

 あぁ、良かったわ。破り捨てていなくて。なにかに使えるかと思ったのよ。


「そうとなれば早速…」


 私は紙を取り出しカイル宛ての手紙を書く。

 イチイチ面倒くさいわね… あの騎士さえ居なければ楽だったってのに…

 監視のためにと言って男女を同じ部屋に居させるのは絶対におかしい!!



 ………あら、私って天才じゃない。

 サラサラっとカイルの手紙に追加の文を書き足す。封筒に入れ騎士に手渡す。

 …ついでに蝋で封をしておく。絶対に見られるわけには行かないのだから。


「カイルのもとに必ず持っていって。」

「…わかりました。」


 …ふふ、これであいつも逃げ場はないはずよ!



◆



「……なんてことをするんだあの小娘は…」

「私めも危ないところでした…」

「…で、これは事実なのか?」

「いえ。微塵も心当たりがありません。」

「……はぁ…」


 …一体どのような教育を受けたらああなるのだ…

 自分の護衛を暴漢に仕立て上げようとするとは。それほどに邪魔だったというのか?

 そのうえ、カイルにこれを渡せば信じてこいつを刑に処すとでも…?


 エルセ嬢の指名手配においてもそうだ。そこまですれば賊が動き始める。

 …レティシアがついているならば問題ないのだろうが…


 エルセ嬢が、自ら帰ってきてもらえるような方法を考えろというつもりだったのだが…

 強硬手段しか思いつかないのかマリアーヌは… そんなのではまた出ていかれるのも時間の問題ではないのか…?


「……はぁ、一応手紙は私が管理しておく。カイルの廃嫡が決定すればそのときに同時に出しておくとしよう。」


 もうマリアーヌに期待するのはやめるとしよう。

 職務も雑でミスも多く、考えつく政策も全て自分中心のもの。


「よくぞ、先に私に持ってきてくれた。」

「えぇ。……虫の知らせを感じたので。」

「そなたの直感はよく当たるようだな。ぜひその才を活かせる場所に置きたいものだ。」

「……あそこでなければ今ならどこであろうと桃源郷のように感じるでしょう。」

「それほどに劣悪なのか…」


 よくよく見てみると、インクをかけられたような跡などがある。


「……あの部屋には武装した騎士を置いておくとするか。」

「よろしいのですか?」

「何がだ?」

「いえ……マリアーヌ様が、今度はその騎士を暴漢に仕立て上げる可能性もあるかと。」

「…………」


 ……否定できん。

 無実を証明することはできるが面倒事になるのは目に見えている。


「……騎士は扉の外に、中には護身の心得のある侍女を配置しておくとするか。」

「その方が賢明かと。」

「それと、エルセ嬢の捜索についてだが……街道の兵士は最低限に戻しておけ。通行に支障が出ている。」

「承知しました。」

「指名手配の件は、私の許可なく進めることを禁ずる。そもそも、あの娘を犯罪者として扱う理由がない。」

「……かしこまりました。」


 ……まったく。

 エルセ嬢がいなくなった途端、これほどまでに面倒事が増えるとは。

 いや、違うな。

 今までは、エルセ嬢が面倒事を処理してくれていただけなのだろう。


「……一度、あの娘に謝罪する必要があるかもしれんな。」


 もっとも。

 本人が帰ってくる気など、さらさらないのだろうが。



◆



「ッチ…まだ見つかっていないのか!」


 氷輪蛇の卵… もうすぐ天恵の月輪なんだぞ! 生まれたら回収も困難になっちまうだろうな…

 生まれて間もない幼体と言えど伝説級の魔物だ。舐めてかかると痛い目見るだろう。


「…あいつにも声をかけてみるか。」


 こっから先は人海戦術だ。うちの部下じゃ無理だ。

 …残っている心当たりはあと1人だ。うちに卵を買いに来た、見ない顔のやつ。

 この街に残っているとは限らない。


 前に来たやつに、異質な卵が混じっていなかったか聞いてみたが、どれもそんなことはないと答えた。

 …あいつらならすぐ取り戻すことも出来たかもしれねぇってのに。

 カモフラージュと言えど街の雰囲気を感じ取るには交友関係もあったほうが良いからな。奴らはお人好しの正直者でしか無いからな。


「…あいつとは気が合わねぇんだよなぁ…」


 奴隷商… いっつもゲスい目をしていて息が荒い。そのくせ仕事はできる。

 部下に伝言でもさせるか。


 銀髪と栗色の女の二人組を探せってな。

もう少しでほのぼのになるのでそれまで待っていてください…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。