M〇二 鬱伝奇鬼畜百合エロゲーの悪役令嬢!真渡園真理亜!
実際のトコ、純粋な伝奇学園百合エロゲーって、あるんですかね?
どうしても触手とか異種RYO-JOCKなモノが絡んでくるものが多いような気が(^▽^;)
『愛しき花は門に咲く』は、魔法が一般的に認知され、〈禍威魔〉と
呼ばれる魔物が出現し、人類の脅威となっている世界の、現代日本を舞台にした、
成人向けガールズラブ伝奇ノベルゲームである。
端的に言えば、百合エロゲー。
少なくとも、作品の発表時、制作会社のスタッフは、ゲームジャンルを
そのように謳っていた。
【主人公とヒロインたちは、魔物退治の専門家である〈退魔法師〉を
育成する学園に通う、優秀な生徒たち。人々を守るため、魔物と戦いながら、
少女たちは、大切な〈愛〉に目覚め、世界を救う運命を知る……】
そんなあらすじと共に、インターネットや、ゲーム情報誌には、美少女たちが
和気藹々と友情と恋愛を紡ぐ日常やHシーン、魔物退治に奮闘している
イベントCGが紹介され、そのクオリティの高さが話題を呼ぶ。
キャラクター・デザインには、その道で有名な漫画雑誌『百●姫』で人気を
博している漫画家を起用し、作画スタッフにも高名アーティストが名を連ね、
作品発表の時点から、ユーザーより大変な期待が寄せられていた。
────────────だが。
「確かに百合で、〈愛〉に目覚めて世界を救うけどさあ!」
「オレは“百合♡イチャ♡”が見たかったのであって、“百合※グチャッ※”を
見たかったわけではない(震え)」
「う~んあのね女の子があんまり不幸すぎる目に遭うのは絵とか関係なく……
ってレベルじゃねーぞ!?」
「わぁぁ~かわいい女の子たちが、綺麗な花火になっていくねぇぇぇ~(白目)」
「あァァァァんまりだァァァァァァァ~! HEEEEEEEEEEY!」
「ヒロインたちが相思相愛を貫き通せて良かったと思います(棒)」
「スタッフよ、もっとこう何というか……手心というかな……」
「絶望が俺達のゴールだったんだよなあ」
「よくもぼくをォ! だましたなあァッ! だましてくれたなァッ!?(血涙)」
「なぜ こんなことになってしまったんだ」
「この極悪人……どもめらが……(CV:山●宏一)」
「グロゲーって本当ですか? 失望しました。ファンやめます」
「あ、ありのまま……起こったままのことを話すぜ。
『百合エロゲーだと思ってたら、NTR・グロ・リョ●・触手・異種・孕ませ・
産卵アリの鬱鬼畜役満ゲーだった!』。ハードエロなんてチャチなもんじゃねえ
……もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
作品が出荷開始されるや、ネットSNS上には、正式発売日に先んじて、
フライング・ゲットしたユーザーたちのものによる、そんな阿鼻叫喚の感想が、
怒濤のごとくあふれかえった。
そう、『愛しき花は門に咲く』は、百合エロゲーの皮をかぶった、
鬱展開メイン・メリバエンドがデフォルトの、鬼畜陵辱エロゲーだったのである。
(※『メリバエンド』:メリー・バッド・エンド。物語の中心人物らは、
自己完結的に幸せになるが、傍から見れば、悲劇にしか見えず、
また他人や世界も滅んだり不幸が訪れてしまう結末のこと)
主人公とヒロインが想いを通じ合わせ、カップル成立となる序盤までは、
その青春全開のイチャつきを楽しんで、眺めていられる作りに
なっていた。
が、それ以降、物語は様相を一変させる。
晴れて恋人同士となった直後、魔物襲撃・ヒロインの純潔強奪散華。
軽い台詞の選択肢ミス後、ヒロインをゲス竿役からNTRるルートへ直葬。
フラグ回収失敗による進行完詰み、どう足掻いてもヒロイン陵辱完堕ち。
欲張ってハーレム狙いの選択肢をしたせいで、ヒロイン闇堕ち主人公魔改造。
ヒロイン間の好感度調整次第で、ヒロインがひとり、魔物出産苗床化。
などなど。
純粋なガールズラブ作品と思っていたユーザーらが、脳を破壊され、体調を崩し、
数日寝込むほどの、ありとあらゆる鬱展開を披露してくるのだ。
「酷いよ、こんなのってないよ……。でもそれはそれとしてエロいよな」
「それな。捗りまくりで、イロイロ痛いんだが」
「うん、心が痛い。でもマジでオレの子息は滅茶苦茶助かったわ。
痛いけど(意味深)」
「このド畜生ども! ごめんなさい僕もすんごい助かりました」
「こんなに練りに錬られた人体HACK-EYEシーン、あっただろうか…………
しゅきぃ」
「主人公はおろか、ヒロイン全員、魔物のママになるとかスタッフ鬼畜すぎ。
愛してる」
「エロゲ表現規制ギリギリOUTすぎィ! 最高です」
「ヒロインが言葉責めで召されるのを好きな自分に気づいてしまった。
もう戻れない」
「わかる。ヒロインが心までNTRちゃったの自覚した絶望と
悟り……ふぅ」
「百合に挟まる男絶対許さないマンの俺が、なにもかもお手上げで
●起しちゃったよ」
「今までグロ描写NGだったんだけど、おかげで好きになっちまったぞ。
どうしてくれる」
「まさかとは思いますが、そのNGというのは、
あなたの想像上の概念なのではないでしょうか」
「ひょっとしてだけど、この作品一本で、R-18ジャンル性癖、
制覇できてる?」
「怖いんだわ。自分の中で、知らなかった性癖の数々が
開花していっちゃうのが……」
「愛しき花、咲いちゃったねえ(ゲス笑顔)」
などなどなど。
鬱すぎる内容に炎上寸前になりつつも、脳破壊ファクターに耐えながら
プレイし続ける猛者ユーザーたちから、エロゲーとして高評価する声も
上がり出す。
その結果、
『残酷で残虐な描写と展開はさておき、とても性的かつ、物語的に優秀な作品』
として評価され、その年のエロゲー・オブ・ザ・イヤーの称号を獲得した。
そして、作品の全シナリオ・ルート攻略済みのユーザーたちが、
感想会で、口を揃えて言うには──────。
『このゲームの悪役令嬢、可哀相杉内?』
“悪役令嬢”。
いわゆる、物語の進行上、主人公に難癖つけてきたり、妨害してきたりする、
典型的意地悪お嬢様キャラ。
『愛しき花は門に咲く』では、〈真渡園真理亜〉という少女が、
その悪役令嬢に相当する。
作品世界での日本において、〈退魔法師〉有力派閥・御三家のひとつである、
真渡園家の長女。
黄金のカチューシャが目印の、紅玉石色のロングヘアに、髪と同じ色の
瞳を持ち、その体型は、全キャラクターの中でもトップクラスでエロい。
だが、総じて傲慢な性格で、学園でも家柄を鼻に掛けるような言動をして、
主人公とヒロインたちを見下した態度を取り続ける。
その身に宿った魔力が異常に高く、〈退魔法師〉としての実力は本物であり、
学園生徒としても優秀で、家柄も最高峰の少女であるから、教師たちにも
手がつけられない、という、悪役令嬢を絵に描いたようなキャラであった。
ユーザーたちも、物語序盤は「くっそー、この典型的悪役令嬢が……!(笑)」と、
失笑気味なヘイトを向けていたのだが、物語が進み、真理亜という少女が抱える
真渡園一族の闇と、家庭問題が明かされるにつれ、深く同情していく。
真理亜は、この作品での諸悪の根源のひとりである、真渡園家長老、
真渡園玄紺から、幼い頃より、性的虐待を受けていたのだ。
ゲーム内では描写されていないが、幼少期に処女喪失し、無惨で散々な
行為をされてきたことがほのめかされている。
また、真理亜は、実の母を幼児期に失い、叔母に育てられていると
知らされるのだが、この叔母からも心身共に虐待されていたことが発覚。
「おれさ……どのヒロインより、真理亜を助けたかったんだけど(過去形)」
「うん。俺も、どうにかして、助けてやりたかった(過去形)」
ユーザーたちから、そんな声が上がるも、それは、絶対的に叶わない。
真渡園真理亜は、全シナリオ・ルートで陵辱され、破滅・死亡してしまうからであった。
特に、ヒロインのひとりである、真理亜の専属メイドと、主人公が恋に落ちるルートでは、
全ユーザーの胸を抉り、涙を誘う、真理亜の絶叫台詞がある。
『あなたもわたくしを裏切るのね……?
“一生そばにいる”って言ったくせに……。
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
────いいのよ、いいの。最初から理解てたもの。この世界には、
わたくしを愛してくれる人間なんて、誰ひとりいない、って。
………………それでも、貴方だけは、って、信じたかったのに。
────────嘘つき!!! 嘘つきっ!!! 嘘つきぃぃぃっっっ!!!』
誰からも、真の意味で愛されず、破滅し、死ぬしかない運命にある悪役令嬢。
ドM男がTS転生を願ったのは、そんな少女であった。
こういう救われない敵お嬢様キャラとか、見ててツラいので実際には
やらないでほしいです(;ω;)
本作では、主人公サイドはみんなハッピーになるのでご安心ください☆




