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ホワイトスカイ  作者: 笹霜
序章
6/30

6.月白寺

昼過ぎ。気温が上がりつつある三郷神社。


『よろしければ、御礼も兼ねてお昼ご飯も如何ですか』と真冬に言われ、霧夜は思わず頷いてしまったのだが―――確かに昼食のアテもないのは事実であった。


その後、境内の手ごろなベンチに腰掛けて、眺望の利く場所から、青空の下でスケッチを始めたはいいものの。


「緋那の正体、霧夜は分かっておるのか?」


不意に現れた舞雪に話題を振られて、霧夜は鉛筆を止めて振り向いた。


黒々とした視線だった。舞雪が思わず後ずさりしそうになるほどに、澄んだ瞳であった。


「…朱鞠内から聞いたのか、俺のことを」


「すまぬ、霧夜」


「まあ、事実だからな」


「緋那のことは、知っておるのか?」


「噂はな。吸血鬼の医師一族、朱鞠内の長女…こんなところに勤めていたとは思わなかった」


霧夜は言葉少なだった。―――裏世界の異能剣客として名を馳せる自らの立場。それを名誉と思ったことは何一つない。かえってそんな立場になったせいで、色々とやりにくくなっているし―――何よりも、そんなものは、本来何一つ欲しくはなかった。


欲しくはなかったのに、何故こんなことになってしまったのか。そんなものよりも、欲しいものは、山のようにあったのに。


霧夜は鉛筆を止めたままだ。ただ無感情に三郷の生活を見下ろして、それから不意に社務所を見やった。柚希、真冬の仲良し二人が今料理の最中だろう。


「朱鞠内はいつから?」


「緋那かや?三年前から居る。赴任してきて挨拶してきてからの仲じゃ。緋那も、なかなか寂しがりでの」


舞雪はふっと笑む。


「幾らあんな勝気な性格であっても、それでも自らの氏素性を理解して、襟を開いて付き合える友なぞそうはおらぬ。柚希などは随分と懐いておるし、真冬とも親しい仲だが、それでも友ではない」


「吸血鬼、か」


「体力も医者としての腕も優れておるが、―――そうではなくて、その素性を知った上での」


舞雪は謡うようだった。


「だからわらわが、時々話し相手をしての」


「友、か」


「左様」


「―――」


霧夜は何も言わなかった。言わずにただ鉛筆を再び滑らせ始める。舞雪もそれ以上何も言わなかった。言わずにただ、霧夜の翻る黒いマフラーを見つめていた。


昼食が出来たと呼ぶ声に出向いてみれば、社務所では出来たての焼きそばが湯気を上げて客人を待っていた。


「簡単なものですけれど…」


「いや、ありがたい」


「そういえば、霧夜は昼食のアテはあったのかや?」


当然のように舞雪の分も用意されている。真冬は知らぬことながら、実に神様らしい態度であって、当然のように座布団に座って割り箸を割った。


そういえば、と柚希はその丸い瞳で霧夜を見つめる。


「そいや音無さんそうじゃん、お昼のアテあったの?」


「いや全く」


「そういえば困ってしまいますね」


そこで真冬が首を傾げる。


「一年前までは商店もありましたけれど、ここ数か月でほぼ全て閉じてしまいましたし、唯一残っていた居酒屋さんも閉めちゃって」


「思えばまともに食べられるとこないもんね」


うんうん、と柚希が頷く。舞雪が「冷めてしまう前にいただくでな?」と声をかけて、やっといただきますの唱和になった。


しかし会話の流れはそのままである。


霧夜はほくほくの焼きそばを頬張る。


人が作った焼きそばなんて、お店以外に食べたのは、何年振りだろうか。真冬と柚希のそれは、質朴で家庭的な味以外の何物でもなかったが―――霧夜の記憶の本当に奥底にある、暖かくて残酷な思い出を想起させた。


思い出すだけで、辛い味がした。


―――それを表に出さないように、押し殺すのも苦労するほどに。


「二人は外食といえば、外なのか?」


何食わぬ顔で霧夜は尋ねる。自分の意識を無理やりに外界に向けた。柚希が首を傾げる。


「麓の高校まで行けば近くにあったりするけどねー」


「最近めっきりしてませんね。全て通販と宅配で」


「一応この拝殿前までは車で来ることは出来るのじゃが、今は車道の山道は除雪が行き届かなくての」


舞雪が補足してくれる。真冬が、


「なので階段前か、白神荘までにお願いして、あとは私が持っていっています」


「真冬大丈夫なの?腰とか」


「何とか」


真冬の苦笑。霧夜は持っていこうとは思わなかったが、機会があればそうしても良いかと思っただけだった。柚希が手を叩いた。


「音無さんが灯油持っていってくれればだいぶ楽になるんじゃない?」


「柚希さんちょっと図々しいですよ」


「構わんが」


だが霧夜がこともげにそう答えたので少女二人が逆に丸い顔だった。ちなみに霧夜としては、その程度造作もないことである。「流石にそこまでさせる訳には」と真冬の困り顔に、舞雪がニヤリと笑った。


「ならば等価交換でいいでないかや」


「等価交換?」


「除雪と運搬の代償として、昼食というのはどうなのかや?」


悪くない話だった。柚希が「舞雪ちゃん頭いい!」と叫び、真冬も袖に口を当てて思案げである。霧夜は焼きそばの最後の塊を口の中に押し込んでから、


「悪くない話だが」


「…私にとっても悪くない話なんです。昼食程度でよろしければ、お困りのようでしたら、お願いしていいでしょうか」


「分かった、逗留中のことで良ければ」


「やりぃ!」


何故か柚希のガッツポーズ。舞雪も笑っている。真冬は「そういえば」とその黒い視線を舞雪に向けた。


「舞雪さんは昼食はお手伝い先でお召し上がりなのでしょうか?」


「うむ。とはいえ、休みの時はこうして相伴になることも全くやぶさかではない」


舞雪の切り返しである。どこか傲然とした態度なのに二人が不自然に思わないのは、舞雪にそれが似合いすぎているということと―――恐らく二人が無意識下にでもあっても、彼女がここで「そういうものである」と理解しているからではないかと霧夜は思っていた。


思えば、この二人が働いているのに、俺だって除雪しているのに、何もしていない舞雪なのである。


普通なら図々しいと思うだろう、しかしそうではないのは―――そうされるのが当然の存在であるから。


彼女は、神であるから。


霧夜は御馳走様である。


「御馳走様。美味かった」


「真冬、結構料理上手いんだよ?」


「また柚希さんは…。柚希さんも出来るでしょうに」


「真冬程じゃないって」


じゃれ合いに似たやりとり。それは十分に推察されるやりとりであった。舞雪は微笑ましげである。


そうしていると、客間の片隅のファンヒーターがアラームを鳴らした。給油サインである。


「あれ、給油だ」


「ちょうど灯油がそろそろ空ですね。運んでくださる方のアテがなかったので頼みそびれてしまっていましたが、音無さんのお力があるならば、この際頼んでしまいましょうか」


伺うような真冬の言葉。霧夜は頷く。真冬は「下まで運んできて貰うよう電話してきます」と電話を片手に廊下である。柚希も灯油を取りに駆けだしていってしまった。


霧夜と舞雪だけが残る。この客間だけでファンヒーターが都合二台も稼働している。寒い冬であった。


「…助かったぞ、霧夜」


「何故礼を言う?」


「氏子が困っていたのだ。助けてくれて礼を言うのは当然のことじゃろう」


舞雪の言葉。曇りガラスの向こう、白銀の境内を見透かしながら、


「これから祭礼もある。男手は要る」


「祭礼?」


「―――遷座祭じゃ」


舞雪の声は哀情を帯びていた。


「真冬はああは言うたが、わらわの遷る先の祠は準備されておる。水に沈まぬ、山の上の小さな広場に」


「祠」


「真冬も、ここの主も、祠程度にわらわを祀る気はなかろう。しかしそのやる気は別として、資金があるかは別問題。意地で出来るかも別問題」


小さな声。震えを伴って伝わる感情。霧夜はただ黒々とした瞳で、その神様を見つめていた。


「さしあたりはそこに移すということになっておるが―――そこから先があるのか」


「―――」


「わらわにも分からぬ」


舞雪は目を逸らした。全てから目を逸らしたがっているようにも見えた。その悲しみを霧夜は否定しない。ただ―――その悲しみは、今の幸福しあわせの上に立っているのではないかと思うと、黒い衝動が身体から湧き上がるようにも感じて、だがそれを抑えた。


「霧夜?」


「…」


霧夜は何も答えなかった。この神様は察しが良いらしい。今度は霧夜が視線を逸らす番だった。


「早速、午後にも石段前に届けてくれるそうです」


携帯電話を片手に戻って来る真冬。舞雪が「いくつ頼んだのじゃ?」と問えば、灯油タンクが実に6とのことで、豪快であった。


だが霧夜にとっては両手に灯油タンクで3往復―――所詮はそんなものかと思う。苦もなく了承で、「音無さん本当に大丈夫?」と問う柚希に「別に」と返すしかなかった。


霧夜は境内に出る。陽光が相変わらず煌めいている。本日快晴―――しばらく晴れであるらしい。この雪国では、どうやら珍しいという。


「霧夜は晴れ男じゃな」などと言う舞雪の言葉を背後に、霧夜は再びベンチに腰掛けてスケッチを始めた。


―――美しい景色の中に、沈むようにして、ただ鉛筆を走らせるのは、―――現実から目を逸らしている行為なのか。


それとも―――向き合う行為なのだろうか。


無為な思考であった。ただ、そんな思考が出来る時間すらも、貴重なものだと、どこかで霧夜は思っていた。


―――本当はやらなければいけないことがあるのに、何故自分はこんなこともしているのかという考え。


それをただ『ここでは無理だ』と抑えつけて、ただ霧夜は鉛筆を走らせる。


陽光の傾き。それによって山襞の浮かび上がりの表情も変わる。少しの雲の流れと、それによって浮き出る山脈の陰影の移り変わりを、ずっとただ眺めていた。それだけで良い時間だった。


どれくらいの時間が経ったのか。少し陽光がオレンジの光を増す中で、雪交じりの玉砂利を踏む足音。

真冬だった。


「音無さん、お邪魔してしまいましたか」


「来たのか」


「はい」


言葉は少ないがそれで充分。霧夜は相変わらずであった。スケッチブックをやはり賽銭箱の上に置くと、コートとマフラーを翻して石段へ。真冬が追ってくるのを止めなかった。荷物を持たせる気はなかったが、支払いがあるかも知れなかったからだった。


石段を下る。心持ち歩調を緩める。真冬に合わせるように。


真冬は草履に袴であったが、手慣れた様子で、彼女も毎日の上り下りで相当の健脚であるらしかった。


杉木立の中の木漏れ日と、小鳥の微かな囀り。陽光に雪が解けて枝から滑り落ちる音。


真冬の黒髪が翻る。


「…音無さんは、画家さん志望なんですか」


「分からない」


「分からない?」


「ああ」


正直なところであった。画家志望ではなかった。ただ、幼い頃、叔母に影響されて―――スケッチブックと鉛筆を友にするようになった。


絵を教えて貰った。それは大切な思い出であると同時に、辛い思い出でもあり、同時に消え去ってしまった幻のような思い出でもあった。


「絵を描くのが、好き―――というより」


「はい」


「気に入った風景を描くのが好きだ」


変な言葉になったのかも知れないと思う。だが真冬は頷いた。


「…私も、カメラをちょっとやるんですけれど」


「カメラ」


「はい」


変でしょうか、という言葉に、霧夜は首を振った。確かに女の子の趣味としては少数派かもしれないが、変わった趣味とは思われなかった。


「被写体は、選びます。何だって、いい訳じゃない」


「それは、そうだな」


「はい」


それだけで良かった。霧夜は思う。どこかで入った写真展の記憶。気に入った一瞬を切り取るために、カメラマンがどれだけの時間を粘りかけるのか―――その写真一枚にはその鬼気が詰まっていると思うこともしばしばだった。


だが大して変わらないのかも知れない。


気に入った景色と向かい合うという作業においては―――


リズムを踏んで霧夜は石段を下りる。一の鳥居の脇。車道に灯油タンクを満載した軽トラックが止まっている。真冬が駆け寄って運転手と会話と会計を始めている脇で、霧夜は早速灯油のタンクを取り上げようとした。


そこで、気になる風景と出逢った。


神社の一の鳥居。軽トラが止められている車道を挟むようにして鳥居の向かい。


別の参道がそこにあった。


寺の参道とすぐに知れた。


昼間の会話が頭に過った。―――今日来る時には一切気に留めなかった風景。雪にうずもれていたのではないかと思える参道が露わになり、そしてその参道の延びる先、鬱蒼とした森の影になってはいるが、やはり大きな木造の本堂が見えたのだった。


本堂。


寺である。


そしてその本堂の扉は開け放たれ、提灯がぼんやりと浮かび上がっているのである。


昼間だというのに、木立の中だというせいか、存在感がハッキリと浮かび上がっていて―――幽玄な風景であった。


視線が吸い込まれた。本堂の奥に何か居るようであった。金色の荘厳だけが見える。霧夜がずっとそれを見つめている背後で、軽トラが走り出した。


真冬も霧夜の視線に気づく。


「音無さん?」


「…」


「…!」


真冬も気づいたらしかった。視線を幽玄の本堂に向ける。


「柚希さんの仰っていたことは、本当みたいですね」


「だな」


「挨拶にお伺いしてきます」


「俺も行こう」


別に行く義理もないのだが、霧夜はそう言った。どっちみち宿が同じならば、顔を合わせる相手ではある。機先を制しておきたかった。


三郷温泉唯一の寺院―――月白寺。


決して境内は広くはないが、除雪もされないままの雪がうず高く積みあがり、本堂も含めて雪と影の中にあるような有様であった。その中で本堂前の参道だけが綺麗にされ、灯篭と本堂だけに灯がある―――。


真冬と霧夜が本堂の前にゆくのに合わせるように、本堂の中で影が揺らめいた。人影であった。



「―――ようこそお参りくださいました」



そう言って、本堂の扉の影から姿を現したのは、若い尼さんであった。


いや、尼さんというのもおかしい。黒い艶々したセミロングの髪を三つ編みにしている。白い浄衣に輪袈裟をかけて、その上から鮮やかな女性用の紅のとんびコートといういで立ちで、やはり一見すると少女にも見えるが、大人の女性にも見える。


不思議な雰囲気を纏わせた女性であったが、霧夜の目からすると―――やはり尋常ではない気配がした。


いや、違う。


霧夜はそこで、舞雪や緋那とは全く別の感覚を抱いていた。



―――違う。



舞雪のような神気でもなければ、緋那のような妖気でもなく、ましてや俺のような霊気でもなく―――それどころか、そういうのが『ない』のである。


柚希や真冬という一般人ですら持ち合わせているような『気配』とか『存在感』というものが、なかった。


霧夜はこの世界で生きてきて十数年、さまざまな化生と出逢ってきたが―――正真正銘、はじめて出会うものであった。


生きている者の気配がしない。


魂持つ者の気配がしない。


死者ですらなく、生きている者でもない―――。


どこにも位置しない者。


それだけに、霧夜は一瞬恐怖すらしそうになったし、そうしても全くおかしくないと思ったのだが―――何故か恐怖はなかった。それが、不自然ですらあった。


半ば茫然としている霧夜を置いていくように、頭を下げたのは真冬であった。


「初めてお目にかかります。そこの神社の娘をしております、白妙真冬と申します」


「御丁寧なあいさつ、ありがとうございます。申し遅れましたが、こたびこの月白寺の整理をさせていただくことに相成りました、久遠寺永遠子(くおんじとわこ)と申します―――」


そこで腰を折ったのは、永遠子であった。霧夜も頭を下げる。永遠子は微笑んでいた。優しすぎる程に優しい微笑みだった。


その表情に、真冬はどこか感銘を受けたようだった。


「久遠寺さんは、白神荘に泊まられて、整理されると、お伺いしました。お手伝い出来ることがあれば、お電話でも頂ければ、すぐ来ますので」


「お優しいのですね。本当にありがとうございます。そういう申し出は、もう結構頂いておりますが、大丈夫ですよ」


永遠子は笑っていた。本当に大丈夫なんだろうなと、意味もなく確信できる笑みであった。それが、不思議なのであった。


「本当に人手が足りない時は、こちらからお声かけしますから」


「ありがとうございます。結構色々傷んでしまっているようですし…」


「確かにその通りです。ですので、仏様も色々と移したりするものはそうしますが、主に最後に御供養申し上げるのが、私の仕事になると思っておりますから」


―――行き場のない位牌。墓。そして、仏像。


導師、という言葉が霧夜の頭の中に浮かぶ。魂の導き手。葬儀の中でそう呼ばれる僧侶だが、永遠子の役割はまさしくそれであると霧夜は思ったのだった。


不意に微笑まれて、霧夜も名乗る。


「音無霧夜と申します、同じ宿に居りますが…」


「はい、御縁がありましたからには、よろしくお願いいたしますね」


―――小学校の頃、こういう女性に担任を受け持ってもらえれば、きっと良かったのだろうと思える、そんな優しい口調と微笑みだった。霧夜はただそう思っていた。


簡単な挨拶だけをして、とりあえずその場を後にする。仕事が残っていた。


灯油二つを両手にして、霧夜は参道を上る。真冬が一つ抱えようとするのを「これは昼食代だから」と制した。


傾きかかってきた陽光。荷物がないかのような足取り。真冬が目を丸くしていた。


「本当にお力が強いんですね」


「大したことはない」


ちなみにそれは本心である。真冬は感心したようであった。


「頼りになりますが―――無茶しないでくださいね」


「最初から無茶じゃないからな」


軽口が出てくる程度には、自分は既に馴染んでしまったのかと、らしからぬ苦笑を心に秘めて、霧夜は冷気満ちる参道を上る。


二の鳥居前に灯油を置くと、霧夜は再び取って返し、それを繰り返して、―――大した疲れもなかったが、単純に時間はかかって、薄暗くなっていた。


日暮れも近い。


「流石剛力じゃな」と満足そうな舞雪の横で、真冬は心底ほっとしたような表情であった。


「助かりました、暖房がどうなるかと思っていましたから」


「これで大丈夫だね真冬」


「ところで柚希さんは白神荘のお手伝いしないといけないんじゃないですか?」


「…やっば、夕飯準備すっかり忘れてた」


舌を出して笑いながら石段をすっ飛ぶようにして駆け下っていく柚希。ひとしきり笑う舞雪。「全くもう」と肩をすくめる真冬。


穏やかな日の暮れであった。白い山脈の向こうに、鮮やかな陽が沈んでいく。ただでさえ早い日暮れが、山の中だとさらに早い。


霧夜もおやすみなさいの挨拶だけをして、暗くならないうちに参道を下る。本日何度目かも分からない神社の表参道。脇には日光下駄の足音も軽やかに、白大島の袖を翻すお姫様がいる。


「しかし本当に剛力じゃな。お師匠様の業物を扱いこなすだけの力量は流石に伊達ではないの」


「お師匠様の業物…音無のことか」


「そうじゃ」


舞雪は微笑む。


「霧夜はさぞ当然のように扱っておるが、そう扱える人物がいるシロモノではないのじゃぞ?」


「そうなのか」


「そうじゃ」


俺の刀さばきなど、除雪の一回しか見せてないはずなのに―――このお姫様はそう評価をしているらしかった。


「『音無』も、今の主に満足しておる、そんな気配も感じる」


「…一朝一夕に得たものではない」


「で、あろうな」


そこに込められた無数の感情があることを舞雪は理解した。理解した上で、優しく微笑むことを決めた。

この刀は、ただの刀ではない。


霊刀であり―――人を、妖を、殺める兵器だ。


人を斬り殺す、妖を斬り倒す、その兵器を自在に扱いこなす―――その道のりは一朝一夕ではなく、また、ただ闇雲に人形を斬っていて身につくものではない。剣道の美しさや技術ではなく、ルールに則った武道でもないのだ。この刀は、実戦にて、扱う者を、鍛え、そして導くのである。


そこにどのような血に塗れた道と過去があったのか。どれだけの何物を殺めてきたのかは分からないけれども。


まだ、そこに踏み込んではならないけれど。


俺はそこを辿ってきたのだと彼は告白してくれて、だがそれでも許そうと神は言うのである。


―――思えば自分も、戦さの中にあった姫じゃからな。


そう舞雪は一人心の中で思いながら、霧夜を許さぬほど狭量ではないつもりだった。


一の鳥居に着く。相変わらず鳥居の向こうには本堂があって、提灯の灯りはあったが、本堂の扉は閉まっていた。舞雪が少し表情を硬くした。


「しかし妙じゃの」


「何がだ?」


「かの永遠子、わらわの聞いたことのない名じゃ」


舞雪はそう言った。


「付近の僧侶の名は粗方把握しているつもりであったが、遠方であろうか。…いやそれにしても、妙じゃのう」


「…それは、俺の言った話とも共通するあれか」


「そうじゃ。異能者でもなさそうじゃ。だからといって、あそこの本堂に居る神仏とも思えぬ」


舞雪は首を傾げていた。それはそうであった。霧夜もやはりか、と思う。


神である舞雪は―――この郷で大きな権限、力を持つのだ。それはやろうと思えば、今この場においても、この里人の動きを全て監視し、読めるくらいは造作もないし、自分の信仰領域である郷であれば自在に転移も可能だろう。


だからこそ―――この音無霧夜はこの舞雪を『計』の邪魔者として認識しているし、最大の警戒対象としているし、逆に言えばこの神の目さえ欺ければ、どうにかなるとすら踏んでいる。


だが久遠寺永遠子は、その舞雪を以てしても、異能者なのか、そうでもないのか、神の類でもないのか―――判別すらつかない。


ましてや俺が何を判別できようというのか。


しかし―――少なくとも、この郷の行く末を案じ、誰もの安寧を願う―――そういう存在であることは、確かであろうと、霧夜は思っていた。根拠は何一つなかったが、それは間違いなく確信だった。


「御帰りなさいませー!」


白神荘のフロントでそう声をかけてきたのは柚希である。仲居姿だが汗だくである。舞雪が呆れ顔であった。


「大慌てじゃの」


「夕ご飯の準備してくる」


最早接客の口調すらも投げ捨てて奥に駆けこんでいく柚希である。舞雪は苦笑、霧夜はただ目を閉じただけであった。


そしてフロントのソファーには、浄衣と輪袈裟を纏った一つの姿があって、その姿が舞雪の姿を認めると立ち上がった。舞雪も目を(みは)る。


女性は滑るようにこちらに近づいてきた。霧夜はもう挨拶済の、一つの姿であった。


「初めてお目にかかりますね、舞雪姫様」


「…おぬしは?」


「久遠寺永遠子と申します」


永遠子は腰を折った。それだけで舞雪の素性を明確に見抜いていることは明白だった。舞雪は怪訝な表情であった。


「おぬし…。神か…?」


「神であると言われれば、神かも知れませんが…。何と言われても私自身も困ってしまいますね」


そこで永遠子自身もぼんやりとした微笑みであった。


「しかし、この月白寺に、縁あってやってきたというのは、紛れもなく真実ほんとうのことです」


「…わらわに仏の世界は分からぬのじゃが、しかし」


「大丈夫ですよ」


しかし永遠子はそれだけを言った。それだけで何となく気圧されてしまうような何か、そして説得力が永遠子の口調には備わっていた。それだけの安心感のある微笑みであった。舞雪は目を逸らした。それだけで誤魔化されてしまう、いや誤魔化しなのかもどうかも分からないが、不思議な時の流れがそこにあった。


余り時も置かずして夕食の時間になったが、夕食の席には永遠子の姿はなくて、代わりにいたのはなぜかあの女医―――朱鞠内緋那の姿であった。


しかも何か、上機嫌そうである。


手には黄金色の麦ジュース。


「何よ私がこの席にいちゃ悪い?」


「別に悪いとは言っていませんが」


「最早敬語じゃなくて良くない?別にお互い、敬意を払ってないなんてことはないでしょ」


いい感じに出来上がっているらしい。霧夜は最早何も言うことはなくどかりと腰を下ろし、無言でビールを緋那のグラスに注いだ。ニヤリと吸血鬼様が笑ってくれる。


「いやーいいわね、デストロイヤーさんと飲み会ってのも」


「俺の二つ名まで知っていたのか」


「聞いたわよ?見事に雪下ろししたってネ」


ニヤリと緋那は笑う。霧夜はただ無言だったが、別に不機嫌な無言ではなかった。


『デストロイヤー』。それが霧夜の裏世界での二つ名であった。その剣を振るい、あらゆるものを破壊していく破壊神―――故にデストロイヤーと呼ばれ、久しかった。


今日の屋根の雪下ろしも、その『能力』の応用に過ぎない。


呆れ顔をしながら夕食会場に入ってきたのは舞雪だった。時間もなかったからほぼ行水であろうが湯上りらしい。白銀の髪をばさりと下ろし、楽な浴衣姿である。


「緋那、今日も来ておったのかや」


「おうおう、世話になっておりますよ」


「緋那はたびたびここで酒を呑むのじゃ―――特に最近呑めるところもないし、緋那は自炊が苦手での。投宿はせずとも特別扱いで夕飯だけ食べてゆくのじゃ」


「何よぅ悪いってのかよう」


上機嫌に出来上がっているらしい。赤ら顔でビールをあおるのは吸血鬼らしからぬ態度であった―――霧夜が彼女を『それ』だと辛うじて知れたのは昼間会った時の日傘程度である。それ以外はおよそ世間一般的な吸血鬼のそれではなかった。


時折、八重歯がちらっと見えたりするのだが。


「何よう霧夜、私がいちゃ悪いってのかよう」


「悪いとは思ってないが…」


「寂しいんだよう、診察終わっても結局独り身だしよう」


また面倒くさい感じの酔っ払いになりつつあるが、―――本音でもあるらしかった。霧夜は何も言わない。ただ黙ってビール瓶を傾けて緋那のグラスに注いだ。


舞雪は腰を下ろして、やれやれと溜息。


「まあ明日は休診日であるからの」


「そうなのか」


「週一休診じゃ。まああってないようなものという話でもあるらしいがの」


「酔っ払いでもしなけりゃ車運転させられて往診させられるんだよねえ」


緋那のどうしようもない溜息。霧夜が少し気の毒に思わないと言えばそれは嘘になった。仄かにオレンジを帯びた照明の下で、緋那は何杯めかも分からないグラスを空にする。


霧夜の御膳を持って入ってきた柚希が心配そうな顔だった。


「あー、緋那ちゃん先生酔っ払いだー…けど大丈夫?結構早いんじゃない?」


「子供が意見することじゃないぞう!」


「わらわから見ても早いと見えるの。柚希ストップじゃ」


「はーい」


「何だよう!」


とは言いつつ緋那自身も過ごしていることは分かっているらしい。ぐーっと伸びをすれば、―――その身体からアルコールが立ち上っていくようにも見えたし―――それは間違いではないのかも知れないと霧夜は思った。


何せ朱鞠内緋那は吸血鬼で、かつ医者である。


自分の身体の制御くらい、容易いのだとしても、何ら不思議ではないし―――そうでもなければ、いきなり初対面で剣呑なことを考えているかも知れない俺の目の前で酔えるものかとすら思った。


その推察もまた事実であったらしい。ニヤリと笑う緋那の瞳が霧夜を見据えた。


「…んー?私が酔っぱらったら油断するとでも思ったん?」


「いや全く」


「だよねえ」


悪戯っぽい笑い。どこか緊張感を帯びて間合いを図るようなやりとりは―――この郷にはおよそ似つかわしくないかも知れないが、霧夜の心の中のどこかを高揚させた。別に彼女に対して悪意はないにせよ―――。


ちなみにこのやりとりは柚希が外したことを確認した上である。


舞雪が呆れ顔であった。


「視線を交わして何やら間合いを図っておるようじゃと思っていたが、実際そんなやりとりなのかや。何をやっておるか…」


「いや、だって、つい、剣客さんってどの程度強いのかと思って」


「その台詞そっくりお返しする」


「評判違わぬようね」


「余り名誉な評判と思っていないが、褒め言葉として受け取る」


霧夜は割り箸を割る。頂きますの挨拶。舞雪もまたそうしながら、やはり呆れ顔。


「仲がいいのか悪いのかじゃな」


「知り合ってほんのちょっぴりじゃ、そうなる以前の気がするんだけど」


「同じく」


モツ煮をひょいひょい口に放り込む緋那の言葉に、揚げ出し豆腐を口に運ぶ霧夜の同意。舞雪はいよいよ呆れ顔で、


「何だかんだで息ピッタリではないかや」


「そうでもないだろう」


「まあそこは同意するしかないよねえ」


とはいえ二人の息はそこに至るまで同調しているものだから、舞雪もお茶を傾けて呆れ顔のままである。


ふと霧夜は思い当たって、黒い瞳で夕食会場を見渡した。広い宴会場に衝立を立て、畳に椅子とテーブルを立てた―――そんな典型的な旅館の宴会場だが、空気はどこかうすら寂しい。かつては数十名を収容して余りあるであろうと思われた広間だが、今ここに居るのは僅か三人である。それがまた、栄枯盛衰を現わしているようにも思えてならなかった。


だが、―――霧夜の把握する限り、今日客が一名増えたはずだ。


「そういえばあの方はどうされたのか」


「あのお方?」


「永遠子か」


舞雪の言葉。舞雪もまた碧の瞳で宴会場を眺めるが、やはり気配はない。


「永遠子…久遠寺さんか。今日確かにここの廊下で挨拶したわ」


話題の転換を悟ったのか、緋那は最早ほぼ素面といった口調だった。その瞳が興味深げに友を見つめた。


「私も今日まであんな人来るなんて知らなかったわ。舞雪は把握してたん?」


「いや、わらわも初耳での。急な話であったのか」


「月白寺の総代さんって誰だっけ。というか最早あそこ機能してるの?」


「いや、わらわの把握する限り、既に総代の家も一年前には引き払っておる。―――役員会も最後に開催されたのが最早何年前になるか」


目を閉じて舞雪の難しい顔。相当前であるらしい上、


「それにわらわも神社の神じゃ。あそこは仏の領域故余り立ち入らなんだ」


「そいえば、あそこの仏様、尊格自体はあるの?」


「仏像に宿った神格、尊格というものであれば、あったという言い方が正しいものになる。過去じゃ。最早あそこは空の堂宇での。祀られる者がない。実質的に廃寺といってよい」


舞雪はそう言った。


「緋那も霧夜も知っての通りじゃが、祭祀が絶えれば存在しえぬのが神や仏の類じゃ。元となる妖怪変化としての器があるのなら、まだ分からぬがの」


それは自嘲にも聞こえた。霧夜は何も口を挟まない。


それはそうだ。祀る者が無ければ存在しえないのが日本の神である。力があり、それが祀られることで、力は神たるものとなる。


舞雪なんかは特にそうである。かつて存在した平家の姫。その力が祀られることで、舞雪は舞雪たりえて、その容姿と力を保つことが出来ている。


しかし誰もがその記憶を忘れ、信仰はただの伝承となれば、その力は失われる―――そういうことである。


それが神だった。


そしてその寿命は、いくばくもないのである。


それを霧夜も、舞雪も、緋那も知っていて、そして、あえて、この場では口に出さない。


緋那が話題を切り返す。


「…ってことは、あの久遠寺さんはあそこの仏様ってワケでもないのね?」


「緋那も尋常ではないと見たかや?」


「分からないわ。殺気なんて言葉とは本当に無縁すぎる存在なのはなんかもう瞬間分からせられた感じだけど―――そういうのを一瞬で納得させる変な魔性というか、何なんアレって感じだわ」


緋那も引っかかるものを感じていたらしい。どことなく奥歯にものが挟まったような言い方だった。味噌汁の碗を手にする霧夜に、その紅の瞳が向く。


「霧夜の意見は?」


「ほぼ同意見だ。俺が知っている何者でもなさそうだ。神、妖怪、人間…」


「そうなのよね。本当にそれが分からないわ…分からないだけに…でも不気味ってんでもないのよね。普通なら絶対不気味で恐ろしいと思うんだけど、そうでもないのよアレ。それが何となく気にかかるわ」


緋那の言葉。「むー」と唸りながら紫蘇巻をもそもそと口にする。


柚希がお茶を注ぎにやってきたのは良いタイミングであった。緋那は「ありがと柚希ちゃん」と言いつつの、


「柚希ちゃん、久遠寺さんて御夕飯ないの?」


「あ、緋那ちゃん先生、久遠寺さん知ってるの?私もちょっと不思議なんだけど」


柚希は首をひねる。


「要らないんだって。最初から素泊まりなんだよ…」


「ココ自炊設備あるんだっけ」


「ないよー…。だからどこで食べてるんだろうってお母さんも私もちょっと心配でさ、先生何か知ってる?」


柚希の表情は純粋に心配そうなそれである。三人は顔を見合わせた。心当たりは無論ある―――久遠寺永遠子はほぼ確実に人外だ。となれば食事程度抜いたって訳はないのである。必要としないといっていい。

舞雪だって本来必要はないのだ。楽しみのためだけに食べているといっていい。


だがこの場で一般人である柚希に何か言える訳もない。


緋那が上手だった。


「ま、そこは私がちょっと気ぃ遣っておくかな。廊下で挨拶もしちゃったし、今後あのお寺ってんならちょっと寄って声かけてさ。食事してますかなんて声かけるくらいお茶の子さいさいよ」


「わお、緋那ちゃん先生さすがー!」


「一応皆さんの健康管理もお仕事ってコトになってるからねえ」


緋那のウインクである。となれば柚希も下駄を預けることにしたらしい。「緋那ちゃん先生、久遠寺さん食事になるってなったら伝えてね」と言ったので緋那は親指を立てて同意のサインだった。


柚希が再び消えた後に、霧夜は「そういえば」と水を向けた。


「朱鞠内は吸血鬼と聞いているが、普段はこういう食事か」


「私レアキャラだから皆そこ知らないんだよね…まあネ。普段から人の血吸ってて生きてる訳じゃないよ。そんな程度で弱るほどヤワじゃない…んだけど、時々血は飲むよ。こうやってね」


そう言って緋那は、懐から取り出したるは、真っ赤な赤血球製剤―――輸血パックであった。


どこからか取り出したのか、それにストローをぶすりと突き刺して、


ちゅー、と、飲む。


霧夜は―――様々な妖怪と会ったことこそあったが、実際吸血鬼と会ったのは初めてで、そしてこういう場にお目にかかるのも、初だった。


「…うちの家系が医者なのは、こうやって食べ物である血液製剤が手に入りやすいことと、そして人の血を舐めるとある程度健康状態が分かるから。実益と能力が、一致してんのよ」


「そういうのも珍しいな」


「ただでさえ吸血鬼なんて日本じゃ滅多にいない妖怪だしね。うちも両親が日本に来てからおっ始まった家だし、両親が有名なせいで私もなんか有名になっちゃってるけど、まあ今はこうやって辺境で修行中ってワケよ」


柚希の目を気にしているらしく、緋那は瞬時にパックを飲み干すと、丁寧に唇の血を真っ赤なハンカチで拭う。―――赤が目立たないような色だ。


「まあこうやって飲んでおけば一週間は軽くエンジンかけられるって訳。一か月飲まないとさすがにヘバってくるわ」


「面白いな」


「医者になるまでは大変だったけどね。まっとうに医師免許も持ってる訳よ?この世界闇医者もいっぱいいんのにさあ。そっちの方が余程儲かると思いつつ真っ当に僻地医療のお医者様やってるのも疲れるわよ」


愚痴っぽい言葉であるが、実際愚痴だ。だが決して充実していない訳でもなさそうである。


御馳走様をして、食後のほうじ茶を口にしながら、霧夜は緋那に問いかける。


「…だが、朱鞠内は充実していない訳じゃないだろう?」


「…そりゃ、ね。不幸だとは、思ってないわ」


緋那の瞳は不敵であった。自信のある瞳だった。


「昼は苦手だし日傘差さないとだし血飲まないとやってられないけれど、―――それでもまあ体力お化けだし医者にもなれたし、こうやってド田舎来ても舞雪が良くしてくれる訳で、柚希ちゃんも真冬ちゃんも可愛いし」


「…」


「…何が聞きたかったん?霧夜は」


霧夜の瞳は相変わらずの黒瑪瑙のようなそれだった。朱鞠内緋那の探る言葉にも答えなかった。ただ瞑目の後に御馳走様をして立ち上がった。


霧夜から立ち上る―――微かだが、うっすらとした殺気を、緋那は感じて、真顔になっていた。


舞雪も感じただろうかと緋那は思う。舞雪もまたそうであるらしい。神妙な表情だった。


剽悍な後ろ姿が夕食会場から消えていくのを、ただ二人は見送るだけしかなかった。

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