29.手紙
拝啓 舞雪ちゃん
東京に引っ越してきてから、二度目の夏になりました。
私は変わらず元気に過ごしています。この間、真冬が引っ越してきて、同じ寮に住んでいます。霧夜がやってる、学生寮です。一階が喫茶店で、二階三階が学生寮なんです。
バイトもその一階の霧夜がやってる喫茶店でやっています。真冬もやっぱり一緒です。
緋那ちゃん先生も、近くはないけれど、大学病院に相変わらずお勤めで、最近は結構お客さんとして顔を見せてくれてます。楽しい。
でも、ゆかりが亡くなっていると、最近聞いて、真冬と大喧嘩をしてしまいました。真冬はやっぱり知っていたみたいですけど、舞雪ちゃんもきっと知っていたんですよね。
でも、こうやって私は怒っちゃうから、皆私に知らせないで気遣っているのかなと思うと、ゆかりにも申し訳ない気分になりました。
本当に、謝りたかったのに、きちんと謝れなかった。ごめんなさいしたいです。どうすればいいのかな。舞雪ちゃんから、伝えられるなら、どうか伝えてください。お願いします。柚希が本気で謝っているって、伝えてください。
舞雪ちゃんのことが恋しいです。本当に友達だと思っています。いつか逢えるのかな。ゆかりが許してくれるなら、ゆかりにもまた逢いたいです。いつかまた、みんなで、笑いながら、スキーしたり、お茶したりしたいです。
霧夜のやってる喫茶店、色々美味しいんです。マドレーヌが緋那ちゃん先生直伝だってこないだ知りました。先生が自慢してました。私も大好きなんだけど、ゆかりもお気に入りだったって霧夜から聞いて、泣いちゃいそうになりました。
舞雪ちゃんも好きだったよね。ゆかりと、舞雪ちゃんと、またいつか、みんなでお喋り出来たらいいな。
こうやって書くことくらい、いいよね。聞いて欲しいよ、舞雪ちゃん。
でも、本当に、感謝しています。最後の最後の冬に、良い思い出をありがとう。
敬具 白神柚希




