第4話 ダンジョン、そして地上へ
『外へ出るには準備が必要です。メインカーゴルームは大破しているので、予備物資のボックスを開放します』
AIに促され、宇宙船を出る準備を行う。
まずは服だ。こんな病人みたいな白衣では冒険なんてできない。・・・しかし何だこれ。こんな服・・・っていうかアーマー? どうやって着るんだ?
って、そうか、ジェイクの記憶に任せりゃいいんだ。微妙に違和感があるな。
ま、正直必要な物資なんてアキラ、つまり俺にはわからん。AIとジェイクに任せてしまおう。
おお、伸びるのか! 伸ばしてTシャツみたいにスポっと! 面白い! けど防御力は…記憶によるとめちゃくちゃ凄いな。物理防御としてはものすごい性能だ。
『持ち物ですが、想定される文明レベルに合わせ、違和感のないようにしますか?』
うーん、いや、超科学全開で良いんじゃないか?
魔法だなんだのある世界だし、文明レベルが低いと決めつけるのは危険だろ。入念に準備しよう。
そもそも彼らの『インベントリ』なんていう魔法だって超科学並みなんだし。
『では、出来る限りの物資をまとめます』
そうして完成したバックパックを背負い、待ってくれている4人に声をかける。
宇宙船を出ると、そこは薄暗い洞窟だった。
・・・うん。
薄暗い洞窟。
おかしいよね!?
普通真っ暗でしょ!?
『どうやら周囲に生息している苔のような植物が発光しているようです』
マジか。やっぱファンタジーだな。
それでも薄暗いと感じていたが、エルザが何かつぶやいた。
「・・・『ルミナスライト』」
すると手から不思議な発光体が広がり、かなりの広範囲を明るく包み込んだ。
「・・・・・すごいな」
「あら、ルミナスライトを見たことないのかしら? 火属性のトーチファイアもあるけど、やっぱりルミナスライトの方が扱いやすいし、断然明るくていいわ」
「というか、魔法というのを見るのが初めてです」
「いっ!?」
アルヴァインが驚いたような顔でこちらを見る。
「魔法を見たことが無い!? トランスレイスじゃなくても生活魔法くらいは誰か使えただろ!?」
「いや、生活魔法というのも何かわからない」
「マジか、どこの国だよ!? 魔法を誰も使えなかったら生活できないだろ」
「いえ、その代わり、色々な道具が発達して、それらを駆使していましたので」
「へー。にわかには信じられないけど、そういう場所もあるんだな」
「どこの大陸かはわからないけど、そんなところもあるのね」
「ところで、先ほどの『トランスレイス』でしたっけ? それって何なんです?」
「そうか、それじゃトランスレイスなんてものも知らないよな。
トランスレイスは、俺達人型種族に極稀に発現する『スロット』を保有してる者たちの事だ。
スロットというのは、体のどこかに出現するこういう小さい穴の事だ」
そう言いながらアルヴァインはコートをずらして左胸を見せた。
そこには確かに小さな穴がいくつか、そしてその中にきらきらと輝く何かが入っていた。
「で、そこにこのクリスタルをセットすると、クリスタルに応じて様々なスキルが使えるようになる。
魔法だったり、特殊技能だったり、身体強化だったり・・・
ま、普通の人じゃできない事が出来るようになるのさ」
「それじゃ、皆さんトランスレイスなんですか」
「ああ、ここにいるエルザ、ランスロット、フィオナ、皆トランスレイスだぜ。
というか、トランスレイスじゃないと冒険者にはなれないからな」
・・・・・なん・・・だと?
俺の、ファンタジー世界で冒険者になるというロマンは!?
そこにエルザが口をはさんでくる。
「ま、実際にはそんな規定は無いんだけど、試験がモンスターの討伐なのよ。
一般の人にはモンスターの討伐なんて無理だから、トランスレイスしかなれないって言われているのよね」
・・・・・・・首の皮一枚繋がったー!
要はモンスターを倒せればいいんだな!
それなら大丈夫だ。
アキラならいざ知らず、俺はジェイクでもあるしAIもいる。
この世界のモンスターとやらは見たことが無いけど、それなりに戦えるはずだ。
ん? フィオナの様子が変わった。少し真剣な目だ。
「みんな・・・200メートル先、アシッドフロッグ3体」
「・・・準備はできてる」
警戒するフィオナとランスロット。
「アシッドフロッグ。体高約2メートルの大型のカエル型モンスターよ。
伸びる舌、強烈な脚力の体当たり、強酸液を吐き出すのにも注意が必要ね。
あなた、戦える?」
丁寧に解説してくれるエルザ。
どうなんだろう。
俺はそんなデカいカエル見たことも無いしな。
『問題ありません。惑星だったころの観察データを踏まえ、それに未知の項目を上方修正したとしても楽勝です。データベース上でシミュレーションを構築・・・結果、敵性生物から何らかの被害を受ける確率、0.0000017%と算出されました』
そんなに強いのかよ俺。
「行けると思います」
「そう、でも無理しないでね。私たちに任せてくれて大丈夫だから」
「ああ、楽勝だぜ」
アルヴァインは自信たっぷりだし、皆の様子を見てもそうなのだろう。
そうこう言ってるうちに曲がり角から巨大なカエルが1体現れた。正直気持ち悪い。
あれ、フィオナがいない・・・ってもうカエルの横に行ってる!?
早い!
「瞬身連撃ッ!!」
フィオナは格闘を中心に戦う接近戦のスペシャリストらしい。
一瞬で距離を詰めると、目にもとまらぬ速さで二連撃を繰り出し、巨大なカエルを壁に叩きつけた。
間違いなく目にもとまらぬ速さだ。不思議な事に、俺の目にはものすごくゆっくり見えているのだが。
『思考加速20倍で、現在世界がゆっくり見えているはずです。最大1000倍まで加速可能です。そこまで加速するとおそらくほぼ止まっているかのように見える事でしょう』
なるほど。AIの補正か。知識としてはジェイクの記憶もあるので理解できるが、アキラの記憶がメインだとものすごく新鮮な体験だ。これがアスリートなんかが言う『ゾーンに入る』って奴なんだろうか。
いや、そんな事は今はどうでもいい。
ん? ちょっとまて。戦闘が始まったのはいいが、俺には何ができるんだ!?
『現在最大倍率で思考加速中。先に思考を整理します。現在アキラが所有する武器はシュトラニウム製のナイフ、エネルギーガン、外光収縮式レーザーライフル、ビームソードです』
さらにちょっとマテ! 俺の何処にそんな武器がある!? 素手による格闘で何ができるかって言うつもりで聞いたんだが!?
『シュトラニウム製ナイフは右腕部に格納されています。手のひらから排出し、すぐに構える事が可能な補助武器です。エネルギーガンは腰部に格納されています。レーザーライフルは左腕が変形します。ビームソードは両手、両脚の先から剣状のビームフィールドを生成可能です。また、格闘でしたら、インストールされている各種格闘技のデータを精査し、データベース上のあらゆる技、それを応用したジェイク独自の戦闘技術を使用可能です』
ちょ!! 俺ってば変形すんの!?
うん、ナイフ以外どう見ても化け物だよね!?
『はい、おそらく警戒されてしまうでしょう。シュトラニウム製ナイフの使用を推奨します』
そのシュトラニウムとか言うのも聞いたこと無いんだけど!!
ってジェイクの記憶を引っ張ってくればいいのか。
・・・ふむふむ。なるほど。要するにタングステンやチタンをベースに超科学で圧縮と反重力加工を施し、軽くて超硬い合金を生み出したわけね。これなら使えるか。めちゃくちゃよく切れるナイフって事で押し通せるだろう。
よし、それで行こう!
『どうやらジェイクの記憶と肉体のリンクが弱いため、戦闘に関する肉体動作に大幅な遅延が生じる予測。こちらでサポートしてよろしいですか?』
そこはよろしくお願いしたい。 こちとらアキラの人生経験じゃ、殴り合いのケンカすらした事ないんでね。
『それでは、戦闘をアシストします。ナイフ排出、ナノマシン展開、思考加速20倍に戻します』
うーん、ここまでゆっくり考えても0.1秒すら経過していない。思考加速マジですげぇわ。
んじゃ、いっちょ戦いますかね!
『まずは様子を見ることをお勧めいたします。どの程度の強度で動けば自然に見るのか、不信感を持たれないためにも情報が必要です』
なるほど。ちょっと様子を見させてもらうか。
フィオナは流れるような動きでさらにカエルに一撃を叩き込む。
カエルの方も鞭のように舌を振るうが、フィオナはすれすれでかわしていく。
目線を見ればわかる。あれは見えているな。どんな動体視力してるんだよ。
そしてちらっと横目でこちらを見た後、カエルの吐き出した酸を潜るようにかわし、顎に強烈なアッパーを叩き込んだ。
何かハンドサインのような動作・・・?
すると間もなく、カエルが二体飛び出してくる。
「【クリスタルショット】!!」
「【ウインドカッター】!!」
フィオナからのサインだったのだろう。出現をすでに予測して準備されていた魔法が発動する。
白い靄のようなものが一体のカエルを包み込み、すさまじい勢いで氷塊を形成し、カエルを包み込む。
そこに見えない空気の刃が殺到し、切り刻んでいく。
・・・え、エゲツナイ。。。。。
二発の魔法でカエルのモンスターは氷漬けでバラバラになった。
ん、後もう一体は・・・
もう一体の方にはランスロットが近づいていく。
いつの間にか手にした妙に刺々しい巨大な剣を担いで。
あれは物理的に人が振れるものなのか?
まぁ、強化筋肉のこのジェイクの身体なら問題は無いとは思うが、機械化もせず鍛えたくらいでは無理なのでは・・・
なんて思ったのも束の間、恐るべき一歩の踏み込みの速さ、そして振りぬいたその大剣はすさまじい速度でカエルを切り裂く、いや、あれは削り取るとでも言うべきだろうか。
一方的な蹂躙で、もう一体のカエルもバラバラになった。
フィオナの方を見ると、アッパーの後、さらに飛び上がってかかと落としを決め、カエルは動かぬ屍となった。
うん、俺やる事何もなかったよ。
『戦闘データ解析。魔法については情報が不足していますが、肉体的強度はデータベースに存在する一般人のものとは隔絶しています。また、強化筋肉並みの筋力はもとより、あの巨大な剣を振るっていても慣性の法則が計算と違ってほとんど働いていない事も気になります』
そういえばあの巨大な剣をあんな速度で振り回した挙句に制止させ、本人に反動が全然ないのはおかしい。確かに違和感を感じる動きだった。
もっと観察していかないと。
そうこう考えているうちに、四人が何かをカエルの死体から抜き取って戻ってきた。
「ま、楽勝だったな」
とはアルヴァインの談。
抜き取ってきたものは『魔石』と呼ばれる魔物の体内で生成される謎物質らしい。
どうやら魔力が結晶化したものと解釈されており、魔道具と呼ばれるものを起動したり、様々な合成の材料として使われるらしい。
まったくもってわからん。
「見せて頂いても良いですか?」
「ああ、いいぜ。何ならやるよ。俺たちはすでにたくさん持ってるからな」
「あ、ありがとうございます!」
「大した大きさじゃないし、気にすんなよ」
じっくり観察したいところだが、それは後にしよう。空いた時間にAIに解析してもらう事にした。何か発見があるかもしれない。
そんな感じで、道中のモンスターたちはアルヴァイン達によって次々と屠られていく。
カエルの他には巨大な植物のようなモンスター、粘液の固まりのようなモンスターも居たが、どれも適切に対処することができれば、彼らの敵ではないようだった。
そして15体目のモンスターを倒した時だった。
「やったー! レベルが上がったよ!!」
飛び上がって喜ぶフィオナ。祝福する仲間たち。そしてついていけない俺。
「おめでとうございます。あのー、ところでその、レベルって・・・?」
「ん? レベルも知らんのか?」
と不思議そうなアルヴァイン。
「そうね、現象としては知っているかもしれないけれど、レベルアップと言わないのかもしれないわね。あなたも感じたことはあると思うけれど、様々な経験を積んでいく上で、突然身体がより高みに引っ張られていく感覚、それを、私たちの国・・・というか、多くの国ではレベルアップと呼んでいるのよ」
うん、はっきり言ってそんな感覚は知らない。
ただ、言葉としては知っている。『ゲームの中』だけどな。
マジでそんな現象が現実で起こっている、というのはにわかには信じがたいのだが、彼らがそう言うのだ。そうなのだろう。
「ああ、なるほど、そういう事ね」
さて、ここまで彼らを見てきて一つ、結論に達した事がある。
それは『どう考えても同じ人間とは思えない』という事だ。
おそらく、100mを走ればフィオナは3秒以内に走りきるだろう。チーター超えてるじゃん。
巨大な大剣で体高3mはあるモンスターの一撃を受け止めるランスロットは、明らかに我々の知ってる物理法則とは違う。
魔法なんてそもそも説明不可能だ。
これはアレだな。ジェイクの科学力全開にしたって大丈夫じゃないのか?
レベルだとかスキルだとか、何とでも言い訳出来そうだ。
それから1時間ほど進んだ時。
ぐぅ~~~~~~~~~~
「・・・・・・・・・」
「い、一度休憩にして食事をとりましょうか」
まさかのエルザ。盛大にお腹を鳴らして顔は真っ赤である。
そういえば俺も起きてから一度も食事をしていなかった。
「うん、食事にしよッ! そういえばアキラは食料持ってるの? 分けてあげよっか?」
フィオナはそういうが、異世界の冒険者の食事と言えばやはり黒パンと干し肉だろう! しかし、永い眠りの後すぐにそんな消化に悪いものはマズいだろう、そう思う。
『その通りです。バックパックに消化によく栄養豊富なコールドスリープ後のミールが用意してあります』
よし。それを食べることにしよう。
「ありがとうございます。持ってきているので大丈夫です。永い眠りから覚めた後なので、専用の食事をとりますので」
「そっか、そういうもんなんだね。じゃ、私も食べよ~っと! 今日は何にしようかな・・・よし、決めた!」
フィオナは薄く切った肉と、野菜を炒めたようなものが挟んであるパンを食べ始めた。湯気もたっていて出来立てのような香りもする。周りを見れば、アルヴァインはパスタのようなものを、エルザはサラダにスープ、そして魚料理のようなプレート、ランスロットは焼き立てに見えるステーキを食べている。
「なん・・・・・・だと?」
そうか、彼らには収納という空間魔法があり、おそらく時間の経過が無いのだ。
何という事でしょう。冒険という割には手ぶらだとは思ったが・・・・・・
驚きながらもAIの用意したミールを食べる。
あ、優しい味でめちゃくちゃ美味しい。
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「さ~、もうすぐ地上に出るよ~!」
先頭を歩くフィオナ。
角を曲がったところでゆっくりと明るくなっていく。
久しぶりの地上。
というかジェイクの記憶をたどってもほとんど地上にいた記憶が無いのだが・・・
俺の記憶は何時が起点になってるのかわからないけど、ジェイクの記憶だけでも相当な昔だ。
洞窟特有の湿気と土、カビのような臭いに混じり、新たに森の香りが満ちてきた。
洞窟を出るとどうやら森林らしい。
「んー、やっと洞窟抜けたね!」
フィオナはグーっと大きく体を伸ばした。
「森の中にこの洞窟はあったんだな」
「そうか、アキラはここがどこだかも分からないんだったな。ここはルフォレスフューテと呼ばれる大陸のルザリス帝国首都、レグリス近郊のフォルタ森林迷宮っていうところだ」
アルヴァインはそういうが、そもそもこの世界自体未知なのだ。
「少しでも聞き覚えがあると良いのだけれど」
ちょっとAIのメモリーに何かないか・・・
『大陸名はデータベースに存在します。ルフォレスフューテは"セカンド"と定義した大陸の現地呼称です』
あー、なるほど、ちょっとその辺りをインストールしなおして記憶をはっきりさせてくれるか?
『承知しました。インストールを開始します・・・完了』
おお、これは凄いな。
知らない知識のはずなのに知ってる。
不思議な感覚だ。
セカンド・・・中央に位置するファーストから、地図で言うと右下の大陸だ。
宇宙から見た感じ、殆どが森に覆われていたな。そうか、その森が迷路みたいになって迷宮って呼ばれているんだな。
「あっ!」
突然フィオナが声を上げる。
「どうした?」
「フォレストウルフ、6、距離150」
「マジかよ!? アキラ、気を付けろ!」
瞬間、フィオナとランスロットは前方にダッシュ、アルヴァインとエルザは左右に散開し、魔法の準備を始めた。
「フォレストウルフは人の魔素量を感知して、一番少ない人を連携して襲う習性があるの。もちろん、この中ではたぶんアキラよ。気を付けて」
「俺が狙われるのか!」
なんと、これは強制的に戦闘になる流れ。
そんな事を考えているうちに、あっという間にフォレストウルフの小集団が森の陰から飛び出してくる。
フィオナとランスロットが一撃ずつ叩き込み、まず一匹。
アルヴァインとエルザは発動速度の速い魔法を即座に構築する。
「【ファイアアロー】!」
「【アイスボルト】!」
「ちぃッ! 抜けられた!」
炎の矢と氷の礫。二発の魔法が直撃し、二匹目が倒れる。
残りは四匹。そのどれもが他の四人には目もくれず、俺のところに殺到・・・しない。俺を一瞥した後、フィオナを目指して殺到していく。
「え? うそ? ウチ!?」
驚くフィオナ。
あれ?
魔素とか言う謎成分が無いために標的にされるんじゃなかったのか?
よくわからんが、狙われていなくとも戦わねば。
任せるぞ、AI!
俺は戦い方なんぞ知らん!
『任されました。同調率100%、神経系統掌握、今後に備え、肉体と記憶の接続状況を補正しつつ、行動を開始します。』
囲むようにフィオナに突っ込んで行くフォレストウルフ。
その一番近い一匹に一気に接近してまずは一発、ナイフで・・・真っ二つ!?
何この切れ味!!
からのサイドステップで返り血すら全部避け、その隣にいた狼が慌てて攻撃を仕掛けてくるのを見切って避けていく。
紙一重って感じだが、完全に視えているので最小限の動きにしている、という感じだ。
ふっ、当たらなければどうという事は無い!
不用意に後ろからとびかかってくる狼を見ることもせずに跳躍。AIによる全周囲索敵は伊達じゃない!
頭にナイフを突き立てて二匹目。
そのまま蹴り飛ばす。
脅威とみなして俺をターゲットに変えたようだ。
左右から挟み込み同時に襲い掛かる二匹を、上体をそらして躱し、両手でそれぞれをつかんでそのまま地面にたたきつける。
ボギバギィ!
と凄い音を立てて狼は動かなくなる。
これで四匹。
凄いなAI。
それにしても自分の身体が勝手に動くとか、違和感と言うよりマジで気持ちが悪い。
「・・・アキラ、強いな」
ランスロットがこちらに戻ってきた。
「詠唱中止。ふぅ、凄いなアキラ!」
魔法の構築を中止してアルヴァインとエルザも戻ってくる。
「他にはいないみたい」
フィオナは索敵を忘れない。さすがだ。
「けどなんで私が狙われるのよ!?」
「・・・思ったよりもアキラは魔力が高いみたいだな」
「とりあえず、何とかなったわね」
まぁ、俺じゃなくてAI様のおかげだけどな。
「一瞬で4匹かよ。こりゃ冒険者ランクでもB以上だぜ!」
「ええ、本当驚いたわ。アキラがここまで強いだなんて思ってなかった。というか、素手で二匹同時に引き倒して圧殺するとか、どんな倍率の身体強化スキル持ってるのよ」
「・・・その短刀の切れ味も凄いな」
身体強化?
なるほど、そういったスキルだか魔法があるのか。これならいくらでも誤魔化しがききそうだな。
「まぁ、いろいろと・・・はは・・・」
「ま、手の内を見せないものだし、ね。さ、魔石だけ抜いたら先に進みましょう」
手慣れた手つきで怪物の体内から目当ての魔石を抜き取り、簡易魔法で洗浄して出発した。
その後も散発的ではあったが何度か戦いをこなし、俺も彼らと一緒に戦う事で、どのくらいの力加減に抑えればいいか、大体の当たりを付けることができた。
それと同時に、だんだんと意識が馴染み、アキラとしての意識のまま、ジェイクのように戦う事が出来るようになっていった。
そして森の中を進む事3時間ほど。
「街だ・・・・・・・・・!!」
そこには幻想的な光景が広がっているのだった。




