第6話 冒険者登録
食事を終えたアルヴァイン達と、ギルドのカウンターに向かう。
中途半端な時間なのか、ギルドカウンターはとても空いていた。朝と夕方ごろが一番忙しいのだそうだ。
朝は依頼の取り合いで、夕方は依頼の報告で。
だがしかし、この国で朝とか昼とか夕方とか全然違いが分からなそうなんだが!
何しろ、常に暗いのだ。
受付に到着すると、そこにはきれいなエルフのお姉さんが。
うっすらと緑色がかった金髪で、顔は信じられないくらいに整っている。
というか、エルフの皆さんマジで綺麗だ。
「・・・アキラも思うだろ? エルフ、マジ綺麗だよな」
「ああ、すごいな」
「ほら、早く用事を済ませるわよ!」
ニヤ付いたアルヴァインとムッとしているエルザ。
現実に戻った俺はカウンターのギルド受付嬢に話しかける。
「すみません、冒険者登録をお願いしたいのですが」
「冒険者の新規登録ですね。登録には手数料として銀貨1枚。それと、推薦人がいない場合には試験を受けて頂く必要がございますが、よろしいでしょうか」
後ろにいたアルヴァインが隣に来る。
「推薦人は俺達Bランクパーティ『亜麻色の疾風』だ」
「そのパーティ名は何とかならないのかな・・・」
なぜか少し顔を赤くするフィオナ。
どうやらパーティ名は彼女に由来するものらしい。
「それと、手数料は皇室に請求してくれって話だ」
「「え? 皇室・・・・・?」」
驚いたような顔をする受付嬢。
そしてそれ以上に驚いている俺。
綺麗にハモった。
「ああ、今回の件を報告したんだが、登録は皇室が見る。そのかわりと言っちゃなんだが、アキラには後で詳細な話を聞かせて欲しいとの事だ。まぁ皇室にとっちゃ銀貨の1枚なんぞはした金だ。アキラから聞ける話に比べたら、な。」
「そう言う事なら世話になるか。手持ちも多くは無いからな。」
「かしこまりました。それでは手続きをさせて頂きます。まずはこちらの用紙にご記入ください」
手渡されたのは紙だ。真っ白ではなく、割と繊維質で厚みがある紙。なんというか、こんなもの、アキラの記憶でもジェイクの記憶でも骨董品で、ジェイクの記憶に準ずるなら超高級品である。これだけでも感動ものだ。
しかし困った。
先ほど多少読めるようになっただけで、さすがに書くとか無理があり過ぎるぞ。
『解析済みの現地語の筆記スキルをインストールします。23%、62%、コンプリート』
マジか。書けるわ。
「えーと、名前、職業、使う武器、出身・・・ 名前以外どう書いていいのか分からないな」
名前もどうするか悩むな。
無駄に思考を加速させ考える。
うーん、メインの人格がアキラになってしまっているが、ジェイク=ラッシュバックという記憶もある。ところで、この世界での標準的な名前の構成はどんな感じなんだ?
『かなり昔のデータで、種族や国によって異なりますが、多くの場合、平民は名前のみ、貴族などは名、階級や役職、称号があり、最後に姓です』
わかった。それじゃ、俺は『アキラ=ジェイ=ラッシュバック』と名乗る事にしよう。
ジェイクじゃなくてジェイなのは、なんとなくその方が称号っぽかったからだ。
さらさらと名前を書いていくと、エルザが隣に来る。
「アキラはまだ字が書けないでしょう? 代筆しま・・・え? 書けてる? は?」
「嘘だろ?」
エルザとアルヴァインが、驚愕のあまり凄い顔になっている。
「ああ、さっき依頼表とか、周りを見ながら学習した」
「いや、普通にあり得ないから」
イケメンのアルヴァインが変な顔になってる。
ありえない・・・まあそうだよね。俺もそう思うわ。
マジでAI優秀過ぎると思う。さすが、俺からすれば遥か未来の技術。
「さらっと何とんでもない事言ってんのよ。意味がわからないわ。それに名前と姓・・・あなた貴族だったの?」
エルザは姓があることが気になっているようだ。
そうか。文明が中世ヨーロッパ程度だとすると、姓を持っているのは貴族だけとかそういう文化なのか。
「いや、貴族というわけではないんだけれど、姓がある。 こっちでは珍しいの?」
「そうね、貴族以外で姓があるのは珍しいわ。そういう国がある、という事は聞いた事があるのだけれど」
なるほど、国によって違う、そういうのもあるよな。
「ところで、アキラの職業はどうするんだ? だいたい使い慣れたジョブマテリアの職業を書くんだが」
「・・・ジョブマテリア?」
え、何それ。
また出たよ謎のファンタジーワード。
「やっぱそうか。アキラってトランスレイスじゃないんだな」
「トランスレイス?」
「マジか・・・完全に俺達とは常識が違うところから来たんだな!
まあいい、説明するぜ・・・・・・・・・・・」
アルヴァインの説明をまとめるとこうだ。
この世界の人には、稀にスロットと呼ばれる器官が発現する事がある。そういった器官を有した人の事をトランスレイスと呼ぶのだそうだ。
そして、そのスロットにジョブマテリアと呼ばれるものを挿入する事で、特殊な能力を授かるらしい。
スロットは複数あるのだが、ジョブマテリアは一つだけ。他のスロットには、クリスタルと呼ばれるものを挿入するようだ。
ジョブマテリアはクリスタルよりも大きく、身体に与える影響も大きい。
クリスタルの方は、特定の能力を高めたり、特殊なスキルが身に付いたり、特定の魔法を扱う事が出来るようになるようだ。
何だこのファンタジー。
凄すぎるだろ。
うらやまし過ぎるだろ。
俺もスロット欲し過ぎるだろ!
『現時点では情報が不足し過ぎていてまったく現状が把握できません。ただ、何らかの器官が発生している事は、観察により確認されていました』
スロットでジョブやスキルを入れ替えられるだと!?
最早ゲームの世界じゃないか!
『認識の速さがAIである私を超えていますね。記憶を精査して、ようやくゲームというもの、そしてその中身、関連性を把握しました。科学的見地では全くこの現象を説明できませんので、早々に研究が必要な事項であると進言します』
そうだな。確かに、ゲームならシステムを作ればやりたい放題だが、ここはリアルだ。
未知のエネルギーなどが存在したのか、物理法則が異なる世界に転移してしまったのか、根本から考える必要がありそうだ。
よし、ある程度のリソースを割いて、ラボをクリエイトしておいてくれ。散布したナノマシンと連携して情報収集。早い段階でファクトリーの建造も目指してくれ。
・・・と、これはジェイクの記憶によるAIへの指示だ。
脳内のCPUとメモリのリソースの一部を、研究専門へと切り替えた。
今までは本体の生存にリソースを全振りしていたが、周囲の脅威度が低く安定した環境だと判断したため切り替えても構わないだろうと判断した。
そして、ファクトリーと呼ばれるナノマシン等の製造工場の作成を指示した。
ファクトリー自体もナノマシンの集合体であり、これが完成すれば様々な機器が作成可能となる。
まずは通信機器を作り出し、母艦と連絡を試みるつもりだ。
母艦が生きていればこちらにとって都合が良いし、無いならまた別の手段を模索するだけだ。
「では、こちらで登録させて頂きますね。それと、こちらで魔力鑑定と魔力値測定、魔力紋を登録させて頂きます」
そう言って受付嬢が取り出したのは、大きめの水晶らしき物体が付いた魔道具だ。
「こちらの小さな針の付いたプレートに指を載せ、水晶に触れてください。少しチクっとしますよ」
言われた通りに指を載せ、水晶に近づける。
『体内への異物の侵入はありません。血液採取目的かと推察します』
なるほど。そういえばファンタジー世界は何かと血液を使うよな。
そして水晶に触れた瞬間・・・・・
カッッッ!!!!!!
ピキキキキ・・・・・・・・・・・・
周囲を白く染め上げるほどの閃光が走り、水晶にひびが入ってしまった。
「「「なッ!!!!!」」」
これには全員で驚く。
受付嬢も口を開けて驚いている。
「な・・・・・・なんなんですかこの魔力値は!!」
は?
魔力値?
「あのー・・・俺、魔法なんて使った事も無いんですけど・・・・・」
「そ、そうなんですか? それにしてもとんでもない魔力値です。水晶が破損してしまったので数値が正確かどうかは分かりませんが、計測限界の999という数字が出ています・・・」
「え? C級冒険者で魔法専門職のウィザードの私が450。上級職のソーサラーで600、伝説の超級職にもなれば1000を超えるという話を聞いたことがあるのだけれど・・・
計測限界って言う事はもっと上って事よね?」
「そうですね。ただ、このギルドにあるのは普及型の計測器ですので・・・
皇城にはもっと計測限界の高い水晶があるので、そちらなら正確な値がわかるかもしれません」
エルザは一般的な冒険者よりは魔法が得意、みたいな事を言っていたから、やはり俺の数字はものすごいらしい。
本人は全く実感が無いんだけどな。
「アキラってむちゃくちゃスゴいんだねッ!!」
誰よりも興奮しているのはフィオナだ。めっちゃ目がキラキラしている。
うん。でもフィオナは絶対よくわかってないだろ。
「凄いなんてもんじゃねーだろ。この数字はどうなってんだ? アレか。 魔力溜まりでもあるダンジョンの底に長い事いたから、魔結晶みたいに魔力が溜まってたりすんのか?」
チャラけて言ったアルヴァインだったが、エルザが真剣な顔つきに変わる。
「・・・・・・・」
「・・・案外そうなのかもしれないわね。長期間閉じ込められたことによって、魔力が体になじむ・・・
ねぇ、参考までに聞かせて欲しいのだけれど、あなた、あそこにどのくらい閉じ込められていたのかはわかるかしら?」
うーん、これは言っちゃってもいいものなんだろうか。6472年だったか。
ま、真実だろうが嘘だろうが、年単位の話だからどちらにせよこの時代では理解できない話だよな。
普通に言うか。
『アキラ。その数字を言えばトラブルになります』
あれ、そう?
『この人類の文明の発生時期ほどになってしまいます。記録では、6000年前だと、人類種は種によって集落を作り始め、主に狩猟をして生活していた時期です』
うーむ。それだといくら何でも無理か。
1000年くらいにしておくか?
『それくらいが無難でしょう』
よし、方針は決まった。
「えっと、船体に残っていた記録によると・・・1000年くらい? ちょっと俺もよくわかってないんだが」
「「「「はッ!?」」」」
驚いた全員が凄い顔になっている。
「か、かつて三百年も魔素溜まりにいたドラゴンが、信じられないほど高い魔力を有していたという御伽噺を聞いたことがあるのだけれど・・・」
「ああ、俺も聞いた事があるぜ。そうか、人間も魔素溜まりに長い事いればそんな風になるのか」
「こ、これは新しい説としてギルドに報告書を書かせて頂きますね・・・」
何だかよくわかっていないが、大げさな話になってきたな。
それにしても、魔素溜まりとか言うのに長い事いて、莫大な魔力を手に入れたって言うが、俺に体に何か変化とかってあるのか?
『全身をナノマシンでスキャンします。 38%、64%、完了』
ふむ・・・あれ? 何かへその上? 腹の中央辺りに何かないか!?
『何かありますね。石のような固い物体ですが、組成が全く分かりません』
あー、意識するとなんか暖かいものを感じるな。
理解した。これはAIにはわかるまい。ゲームに慣れ親しみ、ラノベを読み込んだ俺だから一瞬で理解できることだ。
これは魔力。そして腹の中にあるのは魔石だ。 間違いない!
『まったくもって理解不能。未知のエネルギーも、物質の組成もわかりません。しかし、幸いにもサンプルが体内にあるので、分析用のリソースをリクエストします』
生活や戦闘に支障が出ないならやってくれ。
『タスクを登録しました。随時処理を開始します』
さて、話を戻すか。
「ところで、登録はこれで終わりか?」
「あ、はい、冒険者登録は以上です。アキラさんはBランクパーティの後見人がおりますので、Eランクからのスタートとなります。詳しい説明は必要ですか?」
「ああ、お願いしたい」
「では、説明させて頂きます────」
説明によるとこうだ。
冒険者のランクは、FEDCBAとなっており、Fが最も低く、Aが最も高い。一部、Aのカテゴリに収まりきらない人をSと呼ぶこともあるようだが、滅多にいないそうだ。
基本的にはギルドで依頼を受け、それを達成する事で報酬を得る。
低い階級、EFDランクまでは、一定期間依頼を受けないと降格や、ギルド資格剥奪となってしまう。
期間はD以下は1か月。Cは1年。それ以上のランクは期間は定められていない。
長期拘束される依頼もあるからだそうだ。
そして、Cランク以上は指名依頼というものが発生する。指名依頼を受けれるようになると、一般と比べて難易度は高いものの、割の良い依頼を受けれるようになるのだとか。今アルヴァイン達が受けているのも、この国からの指名依頼だそうだ。
「───説明は以上です。それでは、良い冒険者ライフを」
受付嬢の長い説明を聞き、名前が書き込まれたカードを手に入れ、アルヴァイン達と一緒にギルドを出る。
そんなに長い事いたつもりは無いんだが、辺りはかなり暗くなってきていた。街灯の明かりが街を柔らかく包んでいる。
「さて、とりあえず今夜の宿を確保しないとな」
アルヴァインの提案はもっともだ。町を散策したい気持ちはあるが、まずは宿泊場所を確保するのが先決だろう。
「そうね。私たちが泊っているのは『木漏れ日の兎亭』という所だけど、少しアキラには料金が高いと思うの」
「そだねー。アキラはウチらみたいに稼いでるわけじゃないから、コスパ大事だよね!」
俺としては多少なりとも知り合いになれた彼らと一緒の宿の方が安心感はあるのだが、エルザとフィオナが心配してくれている通り、金は節約した方が良いだろう。
「どこか、それなりに安心できて、それなりに安い宿があれば教えてくれないか?」
安さも大事だが、セキュリティもそれなりに大事だ。それに、いくら安いからって部屋に鍵が無いとか、見知らぬ人と相部屋だとかは勘弁して欲しい。
もちろん、セキュリティに関してはAIに任せるだけで安心なのだが、アキラの気分的にはまだジェイクのい経験は落とし込めていないのだ。安心感は快適な睡眠には大事なのだ。
「それじゃ、先日助けたEランクパーティが使ってる宿、『トンボの宿り木亭』なんかいいんじゃないか?」
「そうね、あそこは確か個室でも一泊大銅貨3枚くらいだったわよね」
「確か食事も大銅貨1枚で朝晩出るとか言ってたな。俺たちの所じゃ銀貨が飛ぶからな。そこがいいだろ」
俺の手持ちは銀貨は12枚だ。一泊で銀貨1枚も使っている場合じゃない。
「それじゃ、そこを紹介してもらえると助かる」
「わかったわ。それじゃまず、そこへ向かいましょう」
アルヴァイン達について歩く事15分くらい。大通りから一本わき道に入ったすぐの所に、小ぢんまりとした『トンボの宿り木亭』があった。
「さ、ここがそうだ。入口から入ると食堂みたいになってる。奥にカウンターがあるから、声をかければ人が来る。ま、とりあえず入ってみようか」
アルヴァインに促されて中に入っていく。
おお、確かに食堂だ。時間的に中途半端なのか誰もいないが。
奥にはカウンターがあり、呼ばずとも、幸いにも細身の男性が何か業務をしているようだった。
「あー、すみません、宿泊をお願いしたいんだが」
まるで保護者となったアルヴァインが店の人に声をかける。
なんだかんだ言ってめちゃくちゃ面倒見がいいんだよな、アルヴァイン。
ちょっとチャラチャラした雰囲気はあるけど、頼れるアニキって雰囲気が凄い。
「いらっしゃいませ、全部で5人かな?」
店の人は書類仕事をしていたようだ。
やはりエルフ。男性も超イケメンだ。全く勝てる気がしない。なんの勝負かはわからんが。
「いや、こいつ一人だけなんだ。俺達4人は行くところがあるんでな」
「一人だな。個室と相部屋、どっちが希望だ?」
「個室で頼む」
「一泊でいいのか?」
「ああ、とりあえず一泊で頼む」
「それじゃ大銅貨3枚だ。朝晩の食事を付けるなら大銅貨1枚使でできるぞ」
「食事付きで」
「では身分証を提示してくれ」
「アキラ、さっきのギルドカードを出してくれ」
アルヴァインに言われるがまま、さっき登録したギルドカードを出す。
店の人が何やら四角い機械をカードにかざす。
「アキラ・・・なりたての冒険者か」
個人情報!?
何すかそれ!
スキャンかなんかの魔道具って奴ですか!?
「それじゃこれが鍵だ」
鍵には『203』と書かれている。おそらく二階の部屋なのだろう。
この鍵は俺も知っている鍵だ。
技術的にも俺が知っている鍵と同じだろう。
「部屋に置く荷物は・・・特にないか。とりあえず街を散策してくるぜ。夕食の時間は決まっているのか?」
「ああ、大体夜の6つ鐘から夜3つまでに来てくれればいい。ただ、遅い時間だとパンが無くなってることもあるから気を付けてくれ」
「わかった。それじゃ行ってくるぜ」
なるほど、時計が普及してないから、鐘を鳴らす回数で時間を管理しているんだな。
しかし全く分からんぞ。
周囲を見ると時計らしきものが置いてある。
どうやら俺が知っている12進法の時計だ。
まさか地球と同じような感じなんだろうか。どうなっているんだろう。
ちょっとアルヴァインに聞いてみるか。
「なあ、時計の読み方を教えてくれないか。鐘の回数との関係も知りたい」
「ああ、良いぜ────」
アルヴァインが解説してくれた時計の読み方、要するに時間の概念は、なんと地球の古代文明から宇宙に至るまで使われ続けてきた、俺たちが良く知っているものとかなり似ていた。
ついでに一年、日付に関しても教えてもらった。
まずは1日。これは地球と全く同じで星が一回自転するのを一日と定めている。まあそれが自然だろうな。
で、一日は24時間。1時間は60分となっている。この星でも、古代文明で定められたものがそのまま現在まで残っているのだとか。
人間型の生命体が考えることが似ているのか、この星の環境が地球に酷似しているという事なのだろうか。
ただしAIによると、地球時間の1時間とはズレがあるらしく、この星の一日は地球時間にすると約25.2時間らしい。自転が少しゆっくりなのだろう。だから1分なんかも若干違う。その辺の感覚はそのうち慣れるのだろう。ただ、もともと1日24時間って言うのが足りないと思っていた俺には超朗報だ。
そして、5日を1週として5週で1月。12の月で一年と数える。この辺りもかなり似ているな。
細かい事を言えば、5年に一度1日多く数えるのだとか。その日は一年の終わりと新年の始まりの間で、各地で盛大に祭りが開催されるらしい。
で、先ほどの鐘の話だが、朝6時に一回鳴らし、以後1時間ごとに一回増やした鐘を正午まで鳴らす。正午の6回の鐘を『昼の6つ鐘』と呼ぶらしい。で、昼の1時から鐘をまた1回ずつ鳴らしていく。午後6時の6回の鐘を、『夜の6つ鐘』と呼び、そこから深夜0時までまた1回ずつ鳴らしていくらしい。
つまり、さっきの『夜の6つ鐘から夜3つまで』というのは、夜6時から9時までに来てくれ、って事だな。
あまりにも感覚が違っていたら戸惑っていただろうが、慣れ親しんだ感じからあまり変わらないのは少しほっとした。
「それじゃ、行こうか」




