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第11話:絶望の夜明け


夜が明けかけていた。

東の空が淡く白み始める頃、俺は瓦礫の中に立ち尽くしていた。


足元に広がる赤黒い染み。

倒れ伏す影。

そのすべてが――俺の手で作られたものだった。


「……違う……俺じゃない……」

呟いても、返事をする者はいない。

影の声すら、今は沈黙していた。


ただ、罪だけが重くのしかかる。

膝が震え、吐き気が込み上げる。

人間として生きてきた証が、一瞬で崩れ去った気がした。


《対象の痕跡を確認。残存隊員は――》


不意に、無線のような声が耳に届いた。

振り返ると、遠くのビルの屋上に、管理局の残党が立っていた。

双眼鏡をこちらに向け、その表情は憎悪と恐怖で歪んでいた。


「……っ!」


逃げねばならない。

彼らは必ず俺を“殲滅対象”とするだろう。

いや、もうとっくにそう見なされている。


足を動かそうとした瞬間――頭の奥で再び声が囁いた。


《逃げても無駄だ。だが、戦えば生き残れる》


「黙れ……!」


《もう選べない。お前は人間を殺した。それが“事実”だ》


心臓が冷たく締め付けられる。

確かに、事実は消せない。

だが、受け入れるわけにはいかなかった。


「……俺は……まだ……!」


言葉は途切れ、喉が詰まる。

朝日の光が差し込み、血の匂いを薄めていく。

だが、その光は救いではなかった。


ただ一層、罪を照らし出すだけだった。


俺は、もう戻れない場所に立っている――。





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