ぼっちの勇敢
「それでは、ここまで復習しておくようにね。会長挨拶お願いします」
「起立、礼」
『ありがとうございました』
4時限目が終わり昼休みになった。
「さてと、昼は購買でパンでも買うか」
弁当は雪さんの下着騒動で持って来れなかったし買うしかないんだよな。購買は戦争だから余ったパンでも買っていつもの場所だな。
「さてと行くか・・・」
教室を出て、1階の購買の所まで行こうと階段に来た所で、後ろから襟を掴まれて引っ張られた。
「ぐえっ!?」
「・・・見つけた」
「って、詩乃さんか。襟は引っ張らないでほしかったんだけど」
「・・・大丈夫。死にはしない」
えらい極端な考えだな、おい。死にはしないけど危ないからな?全く悪いと思ってないし。
「で、何の用ですか?」
「・・・これ雪さんから。ついでにメッセージ付き」
詩乃さんから渡されたのは、弁当と1枚の便箋だった。
「・・・日向からも伝言。『昼休みは保健室に来ればいい。人は滅多に来ないから一緒に食べようではないか』そう言ってた」
「わかった。んじゃー保健室行くか」
「・・・弁当職員室にあるから、先行ってて」
「そうか。じゃあまた後で」
まぁ保健室に行くのはいいが、とりあえず雪さんからのメッセージを読むか。気になってしょうがないし。
「どれどれ・・・」
『祐樹さんへ。今日の下着の事でお話があります。必ずバイトに来てください。無断欠勤の場合は覚悟しておいてください。雪より』
「怖ぇーーーー!?何これ!?ほとんど脅迫に近いじゃん!?ものすごく行きたくないんだけど・・・」
とりあえず、考えるのを放棄しようか。美味しくご飯を食べたいしな。
「さて・・・脅迫文は忘れて保健室に行くか」
階段を下りて、保健室の扉を開ける。
「失礼します」
「おや?祐樹か。詩乃はちゃんと伝えてくれたようだね」
「さっき聞いたばかりだけどな」
「良いではないか。それより、お弁当食べようではないか」
「・・・いる?」
どうやらちょうど詩乃さんも来たようだしいいタイミングだな。
「二人はそこのソファーで食べればいいだろう」
「・・・わかった」
俺と詩乃さんはソファーに隣同士で座り、日向さんは自分のデスクで食べ始める。
「俺もいただきます」
「・・・いただきます」
まさか学校で人と一緒に食べる日が来るなんて思わなかったなー。ここ最近は雪さん、日向さん、詩乃さんのお陰で1人の時間は減ったけどな。だけど、教室ではボッチなんだぞ。というか、同年代の友達がいないからしゃべることもないってことだな。
「・・・おいしい」
「美味しいではないか。雪は相変わらずいい女と思うよ」
「だな。自分の彼女っていうのが不思議なくらいな人だし」
人からの手作り弁当っていつ振りだろうな。母さんが死ぬ前に、遠足で作ってくれた以来だな。なんか心が温まるって感じだな・・・。
「・・・大丈夫?」
「あぁ。少し感傷に浸っていただけだし気にしないでいいから」
「・・・そう」
「神谷先生いますかー?」
保健室に来たのは、どうやら1年生っぽいな。ちなみにリボンの色で学年が分けられている。今年は3年生が赤、2年生が青、1年生が黄色。男子はネクタイの色で判別って形だな。
今、保健室に来た女の子はリボンが黄色だったから1年生って事だな。
「どうしたんだい?」
「体育の授業で擦りむいちゃって、水で洗ったんすけど、絆創膏的なものが欲しくて来たんすよー」
なんかギャルっぽいな。まぁ見た目はかなり可愛い。美人より可愛いだな。髪は銀髪で肩にギリギリかからないくらいだけど、メイクはしている感じだな。
「了解した。絆創膏は消毒してからだ」
「えぇー。痛いのは嫌ですよー」
「少しの我慢だ。ほら腕を見せてくれないか」
「はぁーい。うっ!?染みっ!?」
「怪我には気を付けるのが一番ということだね」
「ありがとうございます」
どうやら肘を擦りむいたらしいけど、ちゃんと治療したんだな。普段はあんなふざけた人なのに、ちゃんと医療関係は詳しいんだったな。
「祐樹は何か言いたい感じだね?」
「いやー保健医ちゃんとやってんだなって。感心してただけだから気にするな」
「・・・同意」
俺の味方はいたようだな。
「ふむ・・・なかなか失礼だね。これでも保健医ということだ」
本人がこれでもって言ってるんだけど。なんだかな・・・。
「神谷先生ってこの先輩と仲良いんすね」
名前は分からないし1年生でいいか。帰ってなかったんだな。
「そうだろう?私の息子なんだ」
「まじっすか!?」
「嘘だね」
「なんで嘘なんかついたんすか!?」
1年生をからかうなよ。誰に対してもあんな感じでボケるのかよ。周りも大変だな。って俺もその1人なんだな・・・。
「・・・ツッコんだら負け」
「いいだろう。このくらいの遊びくらい」
「まぁ1年生すまんな。この人はこういう人っていう事であきらめてくれると助かる」
「それはいいんですけど先輩の名前ってなんなんすか?」
「・・・聞いて驚け」
「彼はこの学園でも有名な!」
な、なんか詩乃さんまでも!?
「いや、茶化すなよ!?まぁいいや。桐山祐樹だ。聞いたことはあるだろ」
「・・・?知らないっすよ?香織は霧島 香織って言うんすよ!かおりんって呼んでもいいっすからね!」
ウインクして紹介してくれるのはありがたいが、かおりんってなんだよ。うん?霧島・・・?
「私もひなたんって呼んでもいいぞ?」
なんか引っかかったけど、まぁいいか。それより日向さん適応力高すぎだろ・・・。なんでも楽しむんだな。
「・・・しののんでいい」
「まさかの詩乃さんも乗っちゃう!?」
「はは、面白いっすね!先輩これからもよろしくっすね!香織はお弁当食べてくるっす!!」
「怪我には気をつけろよー」
「はーい」
これで霧島は出ていったが、とても人懐っこい子だったな。可愛らしいしさぞかしモテるんだろうな。
「さて、私達も早く食べて次の準備をしないとね」
「そうだな」
俺達はわいわいと楽しく話しながらご飯を食べて、午後の授業や仕事を始める。
「うーん・・・霧島ってどっかで・・・」
なんかずっとモヤモヤしてんだよな。なんだったかな・・・
「それではみなさん気を付けて帰ってくださいね」
って考え事してたら、ホームルーム終わってた。さてとバイトにでも行くか。いや、違うな。処刑されに行くか。
俺は雪さんの古書店にのんびりと歩いて向かっている。そして、交差点の横断歩道の近くに来た。
「おっ。ちょうど青になったしラッキー」
ここは赤信号の時間が長いし、タイミング良かったんだな。なら今のうちに・・・って!?
「ちょ!?」
車が信号無視してきているんだけど!?俺は歩くのをやめようと思ったが、視界に同じ制服の子が見えた。そして、思わず体が動いてた。
「死ぬぞ!!」
俺は思いっきり走り、女の子を右肩でタックルするように突き飛ばす。だけど、俺の目の前には車が来ていた。
「あっ・・・」
俺は体が浮いたと思ったが次の時には意識がなかった。
来週は家庭の事情によりお休みさせていただきます。
まぁーみなさん予想はついていそうですが、香織は妹です!よ、ようやく登場!!可愛く書けたらいいな・・・(願望)
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