ボッチのハーレムの第一歩
「っていうことがあったんですよ」
「そんなことが・・・」
俺の過去を聞いて三人共少なからず衝撃を受けている。まぁこれでも立ち直ったしそこまで気にしなくてもいいんだけどな。
「ただ、俺の側にいるとそういう悪い噂とかが出てくるんで、あんまり深くかかわらない方が良いですよ。雪さんはバイトの上司、日向さんは学校の保健医、詩乃さんは昔の知り合いぐらいでいいんですよ」
「「「・・・」」」
三人共何も言えない雰囲気になっている。過去を話したからって関係性が変わるものじゃないだろうが、3人のことを俺のせいで悪く言われるのは申し訳ないし、みんなの仕事まで迷惑をかけるかもしれないからな。
「まぁ言いたいことはそんだけなので、深く考えなくてもいいですよ。それじゃあ俺はベットで横になりますね。帰るときに玄関は閉めてください。鍵はここに置いときますから、明日返してくれればいいので」
俺は自分のベッドに戻り、横になって目を閉じる。自分の過去を思い出しながらゆっくりと眠っていった。
ふと目が覚める。今何時だ?カーテン越しだから分かりにくいけど、日は出てなさそうだな。とりあえず時計を探すか。
「起きました?祐樹さん」
声をした方に顔を向けると、雪さんがベットの近くの椅子に座っていた。
「雪さん?どうして?」
「今はゆっくり寝ていてください。大丈夫ですから」
起き上がろうとする俺を優しく止めて手を握ってくる。懐かしいな・・・。昔母さんにしてもらった記憶があるな。いやいやそんなことを思い出している場合じゃない。
「雪さんは帰らなくて大丈夫なんですか?古書店の方もあるんじゃないですか?」
「明日は休ましてもらいます。祐樹さんの今日の様子を見ていたら大変そうでしたから。今は何も考えずに寝てください」
「えーと・・・わかりました」
この表情を見るからに、説得しても意味がなさそうだしあきらめるしかないか。
雪さんは俺の額に乗っけているタオルを、冷たくしてまた乗せてくれる。気持ちいいな。やっぱまだ熱あるんだな。
「おやすみなさい。祐樹さん」
俺は雪さんの温もりに触れながら、気持ちいい眠りについた。
朝起きると、ダルさは昨日よりも少なくはなっているがまだ熱っぽい感じはした。
「おはようございます。体調はどうですか?」
「雪さん?」
雪さんは昨日と同じ場所に座っていた。まさかだけど・・・。
「ずっとこの部屋にいたんですか?」
「心配でしたから。着替えはここに置いておきますから着替えてください。私は軽い朝食でも作ってきますから」
「あっ・・・はい」
昨日の夜から雪さんどうしたんだよ。俺の過去を聞いたのにあの態度はよく分からんぞ。とりあえずトイレにでも行って、雪さんの様子を見るか。なんか違う意味で心配だし。
「本当に雪さんどうしたんだ?」
そんなことを考えながらトイレで用をたし、リビングに向かい雪さんの様子をこっそりとうかがう。どうして、俺の家でこんなことをしているんだろうな。もうわけが分からんぞ。
「祐樹さんにはこれとこれにしてと・・・」
なんかノリノリでご飯作っているんだけど!?朝から雪さんのご飯食べれるのは嬉しいけど、まじであのご機嫌の良さはなんなんだ?
――――――――ピンポーン
うん?インターホンが鳴ったな。とりあえず俺が出るとするか。ご飯作りに夢中で雪さん気づいていない感じだし。
「はーい」
俺が玄関を開けると、日向さんと詩乃さんがいた。
「えーと・・・どうしてここに?」
「ふむ・・・雪の朝ごはんが食べたくてな」
いや、保健医が風邪で体調崩している生徒の家に押しかけてきて、朝ごはん食べたいって・・・。本当に保健医かよ。
「これでもエロい保健医だぞ?」
「疑問形にしないでいいですから」
「つまり私がエロいってことだな」
日向さんと話すと、ペースが崩れるし、何よりからかってくるからな。めんどくさいの一言だな。
「・・・おはよう、祐樹君。体調はどう?」
「昨日よりはだいぶ楽になりましたよ。詩乃さんこそ仕事は大丈夫なんですか?」
「・・・うん。今日から日向と同じ職場で、カウンセラーとして働くことになっているから」
「うん?それってつまり・・・」
「・・・今日から祐樹君と一緒だよ」
いや、それはいいんだけどこの二人が同じ学校で働くってことは、必ず俺に何かしらの被害は出てくるだろ。主に日向さんからのちょっかいでな。
「失礼だな。それより部屋に入れてくれないだろうか?お腹が減りすぎて力が出ないんだ」
「はいはい。それじゃあどうぞ」
「お邪魔する」
「・・・お邪魔します」
二人をリビングにとおす。
「雪さん。日向さんと詩乃さんが来ましたよ」
「はい。祐樹さん寝てないとダメですよ?」
「いや、トイレのついでって感じだったので・・・」
「それは仕方ないとします。それならついでに朝ごはん出来ましたから食べてください。食べれる範囲でいいので」
そういって雪さんはテーブルに焼き魚、味噌汁などの和食を並べてくれる。
「雪さんの和食は楽しみですよ」
「これは美味そうだな」
「・・・ごちそうになります」
「はい。ではみなさん食べましょうか」
俺たちは雪さんのご飯を食べ始める。相変わらずの美味しさだから安心するな。朝がご飯っていつ振りだろうな。母さんが生きてた頃以来かもな。
「それで、どうして3人は俺の家にいるんですか?あんまり関わらない方がいいって昨日言いましたけど・・・」
まぁさっさと本題に入るとするか。こういう面倒事はさっさとケリをつけたいしな。
「祐樹さん。そのことで私は言いたいことがあります」
雪さんが俺の顔をまっすぐ見て話し始める。
「私は祐樹さんの過去を聞いて、衝撃を覚えました。出会った時にはそんな辛いことを感じさせることもないように見えましたから。だけど、昨日祐樹さんが関わらない方がいいっていうのを聞いて思ってしまいました」
いつも以上に真剣な目で、俺から目を逸らさずにまっすぐに見つめてくる。
「祐樹さん。私は祐樹さんのことを愛しています。祐樹さんにどんな過去があっても、私は祐樹さんの側にいたいです」
「俺は・・・」
とっさに俺は返事ができない。こんな経験は初めてだし、それにまさか雪さんが俺に告白なんてな・・・。
「ふむ・・・二人の世界のところ申し訳ないが、私も祐樹の事を気に入っているし、祐樹とならうまくやっていけそうな気がするから負けたくはないぞ。それに私の性格を分かってても文句を言わずに話してくれるのは、地味に嬉しかったりもするんだぞ?だから私も彼女になりたいと思っているぞ」
「日向さんまで・・・」
というか、こんな急にモテ期が来るなんて思わなかったんだけど!!もしかして俺今日で死ぬの?そんな感じにもとれるんだけど!!
「・・・私も好き。そして今度こそ祐樹君の側で支えたいって思ってる。大好き」
「詩乃さんも!?」
まじでこれどうするんだ?まぁ俺の回答待ちなんだろうけど。だけど、どうしたらいいんだよ。俺には消えない過去があるし・・・。
「祐樹さん。私達は祐樹さんの全てを知ってそれでも愛していますから。だから、過去とかに囚われないで、答えを決めてほしいです。どんな答えだとしても私達は受け入れますから」
雪さんがはっきりと言ってくれる。俺の過去を受け入れてそれでも、好きで彼女になりたいってことか・・・。だったら俺もちゃんと答えないとな。
「俺は・・・。俺は人を殺したせいで全てを失いました。そのせいでみんなに悪い噂が出てくるかもしれませんし、たくさん迷惑もかけると思います。それでもいいのなら・・・俺の彼女になってください!!」
俺は頭を下げる。こういうのは経験がないから怖いんだよ。ビビッてどうしようもないんだよ。
「祐樹さん、お願いします」
「私もいいぞ」
「・・・ありがとう。これからよろしく」
そして、ここから俺のハーレムの第一歩が始まった。
やっとここに来ました。。ここから学園生活がメインの予定です。あくまで予定です(ー_ー)!!
感想・評価もらえると嬉しいです!読んでいただきありがとうございます。




