ボッチの偶然
あれから、いじめや絡まれることはなくなっが、相変わらずの一人ぼっちということには変わりはない。 そして、俺は一人ぼっちのまま中学を卒業して、今の高校に通い始めた。まぁ噂は広まるもので、俺は高校生になっても絡まれたりしていた。その都度仕返しはちゃんとしたが。
「にしても、4月というのにいじめや絡まれた数は30は超えるな。どんだけ俺の事を嫌ってんだよって話だな」
俺はパンを食べながら考える。高校生にもなり、バイトをしようにも見事に全滅。噂で拒否されることもしばしばあった。
「やばいよなー。バイト見つかる気がしないんだよな。母さんの遺産は学費で使いたいし、生活費の足しに欲しいんだよな」
こういう時のボッチは、バイトの事は人から情報が聞けないから不利なんだよ。情報誌で手に入れるしかないしな。まぁ気長に探すか。
「さて、昼休みも終わるし教室に戻るとするか」
俺は教室に戻り、午後の授業を受ける。そして放課後になる。
「帰るか・・・」
部活にも所属していないし、放課後は暇だし家に帰ってネトゲだな。ちゃんと宿題はするから文句は言わせないぞ?
俺は家に向かって真っすぐ帰る。寄り道なんてそんなにしないし、しても新作の漫画、ラノベを買うために本屋に行くぐらいだな。
「なんだあれは・・・?」
歩道でなんか立ち止まってオロオロしている女性がいるんだけど何してんだ?少し近づいてみるか。
どうやら、本を紙袋に入れて持ち運んでいたのはいいが、重さに耐えきれずに破れて、困っているって感じだな。俺が見た感じだと。
「あのー・・・大丈夫ですか?」
「え・・・?」
見て見ぬふりも出来ないし、声をかけて振り向いた女性をみると、とっても美人で見とれそうになってしまった。
「いや・・・大丈夫ならいいのですが・・・」
「いえ、こちらこそありがとうございます。袋を持っていなくて困ってたところです。紙袋もこの通りですから・・・」
うわぁー・・・紙袋は見事に底が抜けているな。ここは手伝うとするか。
「えーと・・・俺、袋持っているんでそれに入れて持っていって、近くのスーパーで段ボールを貰って、それで運びましょうか」
「よろしいのですか?迷惑じゃないでしょうか?」
「大丈夫ですよ。それじゃこの袋に入れてスーパーに向かいましょうか」
「ありがとうございます。本当に助かります」
俺は学生鞄から買い物袋を取り出して女性に渡す。いつも買い物袋持ち歩いてて良かったと思う。1人暮らしだと持ってて困るものじゃないからな。買い物袋に入りきらなかった本は、俺の鞄に入れてなんとか全部入れることが出来た。
「じゃあ行きましょうか」
「本なら私が持ちますよ?」
「大丈夫ですよ。そんなに重くないので」
本当はめっちゃ重いんだけどな。ここはやせ我慢。学生鞄をリュックのように背負ってスーパーに向かう。
それにしても、俺って女性と話すこと自体めっちゃ久しぶりのような・・・?学校だと無言。家だと無言。あーそういうことか。話すこと自体久しぶりだな。
「その名前をうかがってもよろしいですか?」
「俺のですか?知らない方が良いと思うけど」
「いえ、助けてもらった方ですから」
うーん・・・ここは正直に話してもいいんだろうか?まぁ気づかれたらその時に考えればいいか。
「桐山祐樹ですよ」
「・・・?桐山さんですか。よろしくお願いします」
えっ?この人俺のことで気づいてないのか?そんなバカな。とにかく今はやりすごすか。
「よろしくお願いします」
「私の名前もまだでしたね。私の名前は白石雪です」
「白石さんですか。よろしくお願いします」
そんな軽い感じの話をしていたら、スーパーについたので段ボールを貰い、本を段ボールに詰めて白石さんの家に向かう。
「本当にありがとうございます。家まで本を運んでくださって」
「いえいえ。気にしないでください。それで、家ってどの辺なんですか?」
「あの古書店で、あれが私の家です」
白石さんの指を差した方向を見ると確かに古書店がある。というかこんな所に古書店があったんだな。今までこの通りを通ってたけど知らなかったぞ。
「では、行きましょうか」
俺は白石さんの後について行き、古書店に入る。そしてカウンターの奥に入りそこに段ボールを置いた。
「ここで大丈夫です」
「分かりました。それじゃあ俺はこれで帰りますね」
「お茶だけでも飲んでいきませんか?汗もかいたでしょうから。それに少しぐらいもてなしたいので」
そんな風に言われたら断れないし、お茶だけならお言葉に甘えるか。あんな不安そうな感じで言われたら断りにくいしな。
「じゃあお言葉に甘えてもいいですか?」
「もちろんです。部屋はこちらになるのでまっててください」
俺は和室にある座布団に座り、白石さんが来るのを待った。
「お待たせしました。あんまりいいお菓子がなくてすいません」
「いえ。出してもらえるだけ嬉しいですから」
緑茶とまんじゅうを受け取る。これってなんの饅頭だ?
「これは普通のこしあんの饅頭です。あんこは嫌いですか?」
「全然大丈夫ですよ。それじゃあ頂きます」
「・・・どうですか?」
不安そうに俺に聞いてくる。うーん・・・この美人にそんな顔をされたら男は勘違いされそうだな。まぁ彼氏ぐらいはいそうだけどな。こんなに美人なんだし。
「おいしいですよ。お茶に合っていいですね」
「良かったです。お口にあって」
俺はそれから雪さんと他愛もない話をする。普段の趣味とか好きな食べ物とか学校とかを楽しく話した。ただ、そういう時は時間があっという間に過ぎるもので、空は暗くなってて夜になってた。
「それじゃあ俺は帰りますね。今日は楽しかったです」
「待ってください。少し聞いてもいいですか?」
「何でしょうか?」
白石さんは悩んだ表情をしながらも俺に聞いてきた。
「その桐山さんはパソコンとか得意ですか?」
「パソコンですか?まぁそれなりにですかね。流石に専門的な部分は分かりませんが・・・」
一応ボッチだし、時間つぶしに良くパソコンをいじるからある程度の知識はある。
「その部活もやってないと聞いたので、バイトって言うのですか?それをお願いしたいのですが・・・」
「ちなみに仕事内容は?」
「売上表とネット注文の作成とかです。主にパソコンの作業になると思います。どうですか?」
俺的には大歓迎だが、どうして俺なんだ?
「別にいいですが、なぜ俺に?白石さんなら俺じゃなくても違う人に頼めるような気も・・・」
「その・・・私、人と話すのはそんなに得意ではないですし、パソコンが得意な知り合いがいなくて困ってて、桐山さんに頼みました」
「なるほど・・・。まぁ自分もバイトしたかったんでお願いします」
「ほんとですか!?ありがとうございます!!」
花が咲いたような笑顔で喜んでくれる。綺麗だな・・・。
「それで、いつから始めればいいですか?」
「それなら明日からでもお願いできますか?」
「全然大丈夫ですよ。夕方は暇なので」
「それじゃあお願いします」
「はい!こちらこそ」
こうして俺は雪さんの古書店で働くことになった。これが雪さんとの出会い。
雪さんとの出会いとバイトの始まりですね。次は現在に戻りますので、少しは話が進むかな?やっとスタート地点になるかも。
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