王城
私は現国王、先程娘の死を報告された
実を言うと、我が娘ながら恐ろしい者だったのだ、言語もあの目も、何か違う…そんな気がしていた
王城からあの子を遠ざけたはいいものの、娘と娘婿が大きくなって反乱を起こすのではないか
宰相とも話し合い、そう結論づけた私は伯爵邸ごと抹殺することにした、伯爵も数年前に私が病に侵されているからと新薬を渡してきた、赤黄色の奇妙な色をした固形の薬であった
そんなもの、誰が飲むと言うのだ
しかも、毒味のために伯爵に飲めというと、健常者には副作用が起きるので飲めないと言うのだ
私は暗殺未遂だと確信したが、今までの功などもある、一旦その場はお開きにさせてもらった
あれから数年、私は至って健康だ、何も体に異常は起きていない
伯爵の言うことは嘘であったと断言してやる
あんな者、死んでしまっても特に問題など起きまい、そう思って窓の外を見て、伯爵邸の方角から煙が上がっているのが見えた、どうやら作戦は成功したようだ
さて、リンが亡くなった事をどう報告すべきか…
そんな事を考えていた矢先、私は目の前が歪んで見えた
気がつくと、ベットの上だった
なぜ私は寝ている?と、思った途端に鼻に違和感を覚えた、この鉄の匂いは…
そばに控えていたメイドが塵紙で私の鼻を拭う、どうやら鼻血を出したようだ
わからぬ、なぜ私はあそこで倒れたのか…
途端に伯爵の言葉を思い出した
病に侵され…ているのか
王「因果応報というわけか、ウィルを呼べ!」
翌朝、ウィルがやってきた
第一王子であり、我の跡取りである
ウィル「お呼びでしょうか、父上」
王「わしはおそらく永くない、というのも、病に侵されたこの体、おそらく数年前からすでに侵されていたのだ、もう治癒も見込めないだろう」
ウィル「…」
王「わしはここで退位する、其方には次の国王となり国を動かすのじゃ、ただ、全て事柄をすぐにできるとは思うておらん、わしが生きている間はわしが教えてやるし、その他のことは宰相のジョンに聞くが良い」
ウィル「国王戴冠の件、承りました。ただ…お言葉ですが父上、国の事柄に関しては私はだいぶ把握をしておりますゆえ、すぐにでも執務を執り行えますのでご安心ください」
なんと頼もしい息子であろう
そう思った途端に私はまた意識を失った
その数日後、王は崩御した
新しい侍医長曰く、王の体を蝕んでいた病は全身に及んでいたとのことだった
ウィル「王…か、ふっ…ここまで長いようで短かったな」
思えば、父上を殺して私が王になるまでにどれだけ苦労したか、父上には子供がたくさんいるので誰が王になってもおかしくはないのだ
ウィル「王家の血筋のもので我と仲が悪い者は全て始末した、これで私がこの国を支配する…!」
その日、新王の居室からは不気味な笑い声が聞こえたという




