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黒の小冊子  作者: 雨月
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第五十八話:組織は組織、失敗は怒られます

第五十八話

「なにぃ?スカウトに失敗しただぁ?」

 ケンさんが

 怒った顔は

 超恐い(by大地)

「あれほど戦力になる奴もいないはずだ。そして、スカウトしやすいと言うのに何をした」

 ここまで怒るケンさんも珍しいので、完全にこっちは引いてます。

「あ、いや…」

「何をしたのかと聞いている」

「えっと…」

「さっさと言わんかっ」

 こういうときだけ犬の顔するんだから困る!超恐いよドーベルマンっぽい犬!

 上司に怒られる新入社員ってこんな感じなんだろうなーと思っていると晃代さんが俺の前に出てきた。奈津美さんは部屋から出て言っており、メアリーちゃんとか震えあがって炬燵の中に隠れている状態だ。

「なんだ、晃代」

「あたしも同行してた」

「知っている。おれは大地に聞いているんだ。お前には聞いていない」

「…くっつく前より怒りっぽくなったよ」

 晃代さんがそう言うとケンさんの顔が苦虫をかみつぶしたような感じになった。

「ふんっ」

 で、どうなんだとケンさんは俺の方を見ている。

 ここは潔く頭を下げておこう…それに、こんな苦労までして復活する必要もなかったんじゃないか。

「俺の、失敗です。どうせ、晃代さんや奈津美さんに拾った命です。好きなようにしてください」

「何だと?貴様今何と言った?」

 さっきより怖くなった。

「あ、いや、何でもないです。死ぬ気で頑張ります」

「よろしい、今度粗末にするような事があったらおれがお前を女にしてやる」

 そういってケンさんは出ていってしまった。

「け、ケンちゃんが怖かっのーっ」

「ごめんね、俺がスカウト失敗したばっかりに…」

 走ってきたメアリーちゃんを抱きしめ、よしよしする。

「…何、あたしにも非はある…ねーさん、どうしようか」

「そうねぇ」

 いつの間にか奈津美さんが炬燵でコーヒーを飲んでいた。

「ま、そっち方面の仕事に手を出すのが難しくなっただけだから。特に気にしなくていいわ…メアリーちゃんが心配だしね」

 まぁ、あの糞マントが来たらメアリーちゃんが襲われること間違いなしだ。ぐへへ、パンツ祭りだーとかぬかしてそうだ。

「俺、あいつを捕まえます」

「…はぁ?」

「今度、悪い事をする時に邪魔になるかもしれませんから」

 仕返しと言ってもらって構わない。あいつさえいなければ良かったのだ…何より、キモイ。あと、態度がむかつく。

「スーツってもっていっていいんですかね」

「どうぞ、どうせあれは大地専用だから。あ、バージョンアップしたからその試しって事でいいわね」

 何やら書類にサラサラ書いて隣に置いた。

「ケンさん、許可お願いします」

「いいだろう、許可する」

 いたんだ、ケンさん。全然気付かなかった。

「大地、作戦を伝えるぞ」

「え、はい」

「赤マントの処分だ。手段は問わん…今すぐ行ってこれを投げればおびき出せるだろう」

 黒い袋を渡された。中には何かが入っている。

「ありがとうございます」

「他にあいつが持っていかれても面倒だ。しっかりやれ」

 ケンさんはそういって窓から出て行った。

「大地、あたしは手を出してやれないけど頑張れ」

「大地ちゃん頑張って!」

「行ってきます」

 腕っ節で何とかなる相手だろうか…だけど、今なら勝てる気がした。


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