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黒の小冊子  作者: 雨月
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第四十二話:袋小路(焔女)

第四十二話

 一人ぼっちの焔女を解放し、神様に成りそこなった存在からも解放し、そしてまた不安定になった座敷わらしからも彼女を解放した一人の男がいた。

「はぁー焔女いないね」

「うん」

 一度神様に成りあがった青年は焔女により解放され、今再び人間へと戻った。不安定になった存在をしっかりと人間に戻したのは焔女の願いだった。

 彼女は『また一緒に焔女を探したい』という願いを込めてひたすら殴った。日夜関係なく白く、燃え尽きてしまった杯のような青年の顔を遠慮なくぶちかましまくったのである。

 そんなに殴ったら死んでしまうのではないか…他人の心配をよそに『大丈夫、責任はとるから』の一点張りであった。

 一時間ほど殴り続け(全力である…壁が相手でも一時間耐久は難しいだろう)彼ははっきりと人と呼べる代物へと戻った。

「愛ね」

「愛だね」

 その光景を見ていた雪女の姉妹はそう呟いたそうな。

「いないねー」

「ま、明日があるから。気を落とさないで」

「うん」

 二人は今日も、どこかで焔女を探している。


これはこれで、一つの終わり方と言うことで。次回からはちょっと趣を変えようかなと思っています。

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