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黒の小冊子  作者: 雨月
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第三十九話:十二月の出来ごと

第三十九話

 田原大地が行方不明になり三カ月が経った。

 彼が助けようとしていた焔女の気焔は古月家地下方面につながる扉から脱出しており、紆余曲折を経て地上に久方ぶりに姿を現す。

 宮本雪、真白六花両名はこの事実を知った後、正気に戻った民子を連れて羽津神社へと向かい民子の祖父に田原大地の事を尋ねる。しかし、彼はただしらばっくれるだけだった。

「神隠しにでも遭ったんじゃないのかのぅ」

 宮本雪がいくつかの方法を試すものの、苦労の甲斐無く羽津神社に何かしらの動きはなかった。

 そして、それから二日後、羽津神社前に一人の優男が現れたのだ。

「いやー、まいったまいった。まさかただの学生に負けるとは…」

 黒い小冊子を男は取り出し、ため息をつく。

「神様ねぇ。僕じゃ、やっぱりなれないのか。しょうがない…貴重な体験はしたわけだから他の土地の神様にちょっかいを出せるような事をしてみんなに認めてもらおうかな」

 男が一人、その土地から姿を消したのだが…誰も気づく事は無かったのだった。








 そして、男が一人出てきた場所に十分後、全裸の青年が現れた。

「ったた…何だこの解放感は…これが神様になったと言う事か。ふ、ふははははは、神様か。俺は、神様になれたのかっ」

 その雄叫びは、羽津市の新たな神様が決まった瞬間…なのかもしれない。


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