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黒の小冊子  作者: 雨月
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第十八話:零落

第十八話

 目的地は俺の家。見た目は二階建ての一軒家なのに玄関を通ると一直線の廊下があるだけ…そんな奇怪な場所へとなってしまった。

 玄関を開け、宮本教授が腰に手を当てる。

「さ、これから作戦を説明するわ」

「…神様相手に作戦とか必要なんですかね。廊下まっすぐですし小細工しても意味がな…ふごっ」

 口の中に水筒を突っ込まれてしまったっ。

「うっさいなー。空気読みなさい」

「田原君ここは一番燃えるところ。敵になってしまった友人を説得して友情を取り戻すための作戦なんだからっ」

「…」

「す、すみません」

 妙な二人のテンションについ謝ってしまう自分が情けない。でもそんな自分が…。

「いいから、心の叫びは必要ないから。続きは口を開いて言いなさいな」

「…大好きですっ」

「えっ、今告白されても…い、いやクライマックスだからいいのか、これでいいのだ?でも伝説の木の下じゃないし、あたししおりって名前でもないし…」

「いや、ごめん。真白さんとはこれからもお友達でいたい…」

「…ごめんね、田原君。髪とか爪くれない?あ、別にやましい事には使わないから安心しね。ちょっと憂さ晴らしに使うだけだから」

「何だかそれって藁人形に使われそうで怖いんだけどっ」

「こら遊ばないっ。全く絞めるところはちゃんと絞めなさい。全くこれだから学生は…」

 心外である。どこに訴えれば勝てるだろうか。

「…わたしと、六花は…囮よ」

 宮本教授はそう言って俺に水筒型の装置を手渡してくれた。

「…宮本教授、真白さん…」

「自分が危ないと思ったら迷わず逃げなさい。わたしがいえることはただそれだけよ」

「はいっ」

「今回はスガーじゃなくて真白六花で、あなたの友達として助けるからね。任せて」

 二人はそう言い残して玄関を走り抜ける。俺もその後へ続く。

「待った」

 光が乱反射するただ広い四次元の空間。足元なんてないのにそこで俺たちは立ち止まった。

「な、何ですか」

「やっぱりここはびしっと決めたいじゃない?ねぇ、六花」

「それは…そうだけど。さっきのセリフだけじゃ物足りないかな」

 そうなんだ。

 既に神様の懐の中だと言うのに二人は話し合いを始めた。あーでもない、こーでもないと話しあって数分、どうやら決まったらしい。

 どこからか釘バット、鉄バットを取り出してアルファベットのZを彷彿させるようなポーズを決める。歳的にもう無理じゃないだろうか…。

「鈍器の国からやってきた!」

「殴打で語る二人の乙女!」

「鉄子と!」

「釘美!」

「ヒャッハー!」

「神様がなんぼのもんじゃーいっ」

「四肢バラバラにして達磨にすんぞごらーっ」

 鉄パイプと釘バットで武装した二人は一直線で宙に浮いている焔ノ御神ノ末に襲いかかる。

「おどりゃあっくたばれごらぁ」

「宮本教授怖いっす」

 二人が襲いかかっている間、俺は水筒を取り出して色々触り気がついた。

「使い方がわからないな…どーすんだ、これ」

 取り説があるわけではない。そして、説明を受けていなかった。蓋っぽいところを捻るとなるほど、開いた。まるで水筒のようだ。

「そして中にどろっとした白い液体があるだけか」

「ゲハァッ」

「ぶひゃっ」

 鉄子と釘美が焔ノ御神ノ末に吹き飛ばされる。きゃーとかいやーとか言って吹き飛ばされなかったのでもう迷っている場合じゃないようだ。

 右手に刀、左手に装置(?)を握りしめ、俺は覚悟を決めて神に向かってその白い液体をぶちまけた。



―――――――



「結局あの白い液体って何だったんだろうか」

「…さぁ」

 ただの民家、ただの居間、冷房を入れて妖怪三人?人間一人でテレビを見ていた。

「鉄パイプと釘バットがあれば神様も倒せる」

「だねぇ」

「やーっと、気焔さんの焔女探しがようやく再開できる」

 日常に成りつつあった非日常が戻ってきた瞬間でもあった、多分。


最近気付きました。私には才能が無いという事を。正確に言うならちゃんとした順序立てが出来ていないですね。話が突拍子すぎることが多い。頭の中だけで作品を作っており、脳内から文章に変換を怠っているうんぬん。さて、十八話目です。十話入れてないですけどね。いずれ十話どこかに入れ込みましょう。最悪前書きかあとがきにでも…。メインヒロインの予定だった焔女気焔は見事に影の薄いキャラに成り下がってしまい残念なことに…。しかぁし、今後があれば大活躍する予感がしたりしなかったり。咬ませ犬な感じの真白六花も今後活躍するかも…しれませんね。唯一宮本雪教授は教授という立場もあってかメインになっていました。今後もちまちま更新していく予定なのでお付き合いいただける方はよろしくお願いします。

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