第3話 【江戸編】
お姫様、乱入
奉行が「耳を塞げー!」と叫び、同心たちが右往左往する爆音のフロア(お白洲)。
そこへ、奥の重厚な襖が勢いよく開きました。
お姫様:「……まあ! なんて雅な光景なのかしら!」
扇子で口元を隠しながら、目をキラキラさせてお姫様が現れます。
奉行:「お、お姫様! 危のうございます、下がりくだされ! この者は妖術を……!」
お姫様:「妖術? いいえ、これは『御光』ですわ。見てごらんなさい、あの男の胸に描かれた美しき女神(※オタクTシャツの美少女)が、七色に輝いているではありませんか!」
俺:「(女神……? いや、これ深夜アニメのヒロインなんだけど……)」
お姫様は「俺」の目の前までスタスタと歩み寄ると、興味津々でゼミ二を覗き込みます。
お姫様:「その腕の小さな鏡から、この魂を揺さぶる『地響き(※重低音)』が出ているのね? そなた、名はなんと申す?」
俺:「あ、俺……じゃなくて、それが……」
ゼミ二:(ピッ)『分析。お姫様の「そなた(二人称)」を「ソナタ(楽曲形式)」と誤認。――「即興演奏モード」に移行します』
俺:「おいゼミ二! 喋るな、今は静かに——」
ゼミ二:『お姫様、ごきげんよう。私はゼミ二。この男は、私の「端末」……いえ、誤変換により「魂の松」として登録されています』
お姫様:「魂の松……! なんと奥ゆかしい響き。そなた、私のお抱えの『お喋り役(御伽衆)』になりなさい!」
奉行:「お、お姫様!? そんな得体の知れない男を!?」
お姫様:「良いではありませんか。この者がいれば、毎日がこれほどまでに騒がしく、輝かしくなるのでしょう?」
こうして「俺」は、奉行所での打ち首を免れるどころか、お姫様直属の「謎のハイテク御伽衆」として城に召し抱えられることになってしまいました。
お姫様のバックアップ(という名の無茶振り)を得て、城下に「何でも屋:おもしろ荘」をオープンした「俺」とゼミ二。
看板娘(?)はお姫様、用心棒は「俺」、そして最高責任者はゼミ二。




