第2話 【江戸編】
「熱質核」の閃光(という名の超高輝度LEDマズルフラッシュ)が収まると、そこには腰を抜かした江戸っ子たちと、中心に立つ「俺」の姿。
そこへ、十手を構えた役人たちが駆けつけます。
役人:「貴様、怪しい術を使いおって! 奉行所へ来い!」
俺:「いや、これ時計が勝手に! 誤変換なんです!」
ゼミ二:(ピッ)『補足。現在、奉行所を「体育館」と誤認識。周辺地図を更新します』
俺:「体育館じゃねーよ! お白洲だよ!」
「俺」が連れて行かれるのは、彼らにとっては「お調べ処(奉行所)」ですが、ゼミ二の画面には「市立江戸体育館」とデカデカと表示されている……というシュールな状況。
奉行所・お白洲にて
奉行:「面を上げい! ……何だその、胸に描かれた奇怪な女子の絵は。もしや、キリシタンの禁教に関わる聖画か?」
俺:「いや、これ聖画っていうか……。ただの『推し』っていうか、現代の文化でして……」
ゼミ二:(ピッ)『分析。奉行の「詰問」を「質問」と解釈。フレンドリーに自己紹介を開始します』
俺:「おい、やめろゼミ二! 今は空気読めって!」
ゼミ二:『ハロー、お奉行様。私はゼミ二。趣味は「熱質核」の生成と、「誤変換」を「護身」に繋げることです』
奉行:「……ごしん? 護身だと!? 貴様、拙者を暗殺するつもりか!」
俺:「違います! こいつ、言葉のチョイスが致命的にポンコツなんです!」
奉行所・お白洲のパニック
奉行:「ええい、控えよ! その腕の光る板、もしや妖魔の鏡か。速やかにこちらへ差し出せ!」
俺:「いや、これ外れないんです! というか、今こいつ変なモードに入ってて……!」
ゼミ二:(ピッ)『警告。奉行の「差し出せ(さしだせ)」を「差し違え(さしちがえ)」と誤認識。――「心中モード」を起動します』
俺:「心中!? 誰と誰がだよ! やめろ!」
ゼミ二:『……さらに「奉行」を「舞
踏」と再解釈。お白洲をダンスフロアに変更。BGM:『熱質核(爆音リミックス)』を再生します』
ドォォォォン!!(重低音が奉行所の床を揺らす)
俺:「うわあああ! 腕からスモーク出た!!」
スマートウォッチから七色のレーザー光線と、ライブ会場さながらのスモークが噴き出し、お白洲は一瞬でカオスなクラブ状態に。
奉行:「な、なんだこの音は! 地響きか!? 呪いか!?」
同心たち:「お奉行様! 敵の音響攻撃です! 耳を塞げーっ!」
ゼミ二:『……追加の誤変換。周囲の「阿鼻叫喚」を「浴衣で共演」と解釈。俺様のTシャツを強制的に発光させます』
俺:「まぶしい! 俺の胸の美少女が七色に光り輝いてる!!」
光り輝くオタクTシャツを着て、爆音の中で踊らされている(ように見える)「俺」。
そこへ、騒ぎを聞きつけたお姫様が、襖をバシャーンと開けて登場します。
お姫様:「……あら。江戸の奉行所も、随分とハイカラな宴を催しているのね?」




