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結成-探偵は女子高生と共にやって来る。-第壱話・読み切り篇  作者: 飛鳥 進
第壱話-結成

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結成-5

 次の日、二日酔いで頭が痛い中、燐が連れてきた客の相手をする長四郎。


「あ~ 君が死体を見たっていう」


「海部 リリと言います」


 燐は数少ない友人である海部(うみべ)リリを連れて長四郎の事務所を訪れた。


「あのね、オジさん。頭痛いのね。どっかの小娘みたいにピィ~チクパァ~チク大きな声で話さないで」と前置く。


「あ、はい。分かりました。というか、大丈夫ですか?」


 長四郎を気遣うリリに長四郎は頷いて答える。


「良いから話してあげて」


「分かった。あの夜・・・・・・・・」


 燐に促され、事件当夜のことを話し始めた。


 その晩、リリは部活動のラクロスを終えて図書室で自習していた。


 午後22時頃、帰宅するため学校にある駐輪場へ向かった。


 そして、武道館の屋上から笑い声が聞こえるのでリリは物好きも居るものだと思っていた。


 気にも留めず、歩いていると物陰が降ってきた。


「きゃっ!!!」


 聞き心地の良くない音を立てて、それは地面に伏した。


「な、何!?」


 ゆっくり見ると、目を見開いた男子生徒の死体であった。


 血を流し眉間には黒い点が付いていた。


「そして、警察に通報しました」


 それを聞いた長四郎は眉をしかめていた。


「何か分かった?」


「分からない・・・・・・・」


 燐は呆れてため息をつく。長四郎は二日酔いで推理どころではないと思った。


「なぁ」長四郎が口を開いた。


「はい」


「屋上に居た人間は見なかったの?」


「え? いえ、見てないです」


「なんで?」


「なんでって」リリは困惑する。


「普通、見るでしょ? 降ってきた方向を」


「嫌でも・・・・・・・」


 確認していなかった自分が悪いのかと自責の念に駆られるリリ。


「リリは悪くないから」察した燐が励まし「あんた、死体が降ってきたらまともな判断が着くわけもないでしょ?」と長四郎に反論する。


「普通は気になるけどなぁ~」


「気にならない」


「気になる」


 長四郎と燐は互いを睨む。


「あ、あのぉ~ 死因って何だったんですか?」リリは死体を見ただけで死因までは知ることはなかったので気になって質問した。


「まぁ、転落死ってことらしい」長四郎はそう答えた。


「そうですか・・・・・・」


「銃殺じゃないの?」


 長四郎は咳払いして何か誤魔化す。


「何か隠してるんでしょ?」


「隠してなんかないよ」


「いや、隠してるね」


「分かった。ありがとう」


 長四郎は礼を言って、女子高生二人を帰した。


「ふぅ~」長四郎は息を吐いて、胃酸を抑え込むと一川警部が送ってきた捜査資料に目を通す。


 被害者の名前は、坂東 幸路(ばんどう ゆきじ)。 17歳。


 死因、眉間を撃ちぬかれたことによる脳挫傷。


「これで、事故処理はあまりに酷いな」


 長四郎は資料を読み続ける。


 被害者は撃ちぬかれた際に、屋上から転落。


「それだけかい」長四郎は思わずツッコミをいれる。


 こんなにイライラする捜査報告書は初めて読んだ。


 被害者の交友関係は広く特に恨みを買うような事もなかったという。


「いや、何かあるから撃たれるんでしょ?」


 そして、被害者は屋上で遊んでいた際に屋上から転落したというのが、結論であった。


「無理あるにもほどがあるでしょ?」


 長四郎は一川警部にメッセージを送った。


 明日、この捜査報告書を書いた刑事に会いたいと。

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