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結成-探偵は女子高生と共にやって来る。-第壱話・読み切り篇  作者: 飛鳥 進
第壱話-結成

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結成-2

「調べて欲しいのは、この事件なんだけど」


 燐は自身のスマホをテーブルの上に置いて長四郎に見せる。


 長四郎は無言でスマホを手に取り、ニュース記事を見る。


「武道館の屋上から転落死・・・・・・・・」


 記事には、私立芸春高等学校に通う生徒が深夜、武道館の屋上から飛び降り死亡したと書かれていた。警察では事件、事故の両面で捜査を進めるとも書いてあった。


「これのどこに吾輩の力がいるわけ?」


「吾輩って・・・・・・・」


「ツッコミは良いから。警察も調べてるだろうし。私立探偵の俺が出る幕はないよ」


 長四郎は席を立ち、給湯室に入り電気ケトルに水を入れお湯を沸かす。


「私がただの事件でここに来たと本気で思っているわけ?」


 お湯が沸けるの待つ長四郎の背後に立つ燐はそう告げた。


「記事を読む限りでは、学校で起きたごくある普通の事件にしか感じないけどな」


「そんなんでよく高校生探偵を名乗れてたわね」


「あ?」


 燐は10年前のニュース記事を長四郎に見せた。


 そこには、警視総監から表彰される長四郎の姿があった。


「懐かしいな。にしても、良く見つけたな。感心。感心」


 そう言うとお湯が沸けたと合図するメロディーが流れる。


 長四郎は後ろで文句を言い続ける燐を無視して、自身が飲む珈琲を淹れ始める。


「ねぇ、聞いてるの?」


「聞いてる。聞いてる。あぶない刑事では、タカ推しだって話だろ」


「聞いてねぇだろうがっ!!」


 燐のテイチョップを後頭部にお見舞いされる。


「痛っ!! 何すんだよ。暴力女子高生」


「人の話を聞かないあんたが悪い」


 長四郎は淹れたての珈琲に口をつけながら、「良いか。仮にお前様の依頼を引き受けたとしよう。でもな、外部の人間が高校の敷地内をおいそれと動き回れないんだぞ。そこんとこ分かれよな」と忠告する。


「それは・・・・・・・」


 どうやらそこまでは考えてなかったらしく燐は言葉に詰まる。


 それを見て長四郎は厄介者は去った。そう思った。


「じゃあ、私の兄って事にすれば良いじゃない!」


 その言葉に長四郎は飲んでいた珈琲を噴き出す。


「な、何を言っとんの?」


「それが嫌なら親戚でも良いじゃない」


「そう言う事じゃなくてな・・・・・・・・」


「とにかくなんとかしてよ。私の友達、PTSDで苦しんでだから」


「何だ。そのお友達とやらは、居合わせちまったのか? 死ぬ瞬間に」


 燐はうんと頷いた。


「それは少し可哀想だな」


「でしょ?」


「でもな、それならそうと言えよ。殺人事件だ! なんて、ウソつかないでさ」


「いや、それは本当」


「はい?」長四郎は眉を上げる。


「私の友達が言っていたの。眉間に穴が空いていたって」


「それはまごう事なき事件だろ?」


「でも、学校は不慮の事故で片付けようとしている」


 今日、燐の学校では急遽、説明会が開かれ校長から今回の事件は不慮の事故であり警察もそのように処理するという話があったばかりであった。


「お前様の学校やべぇな」


「ヤバいんだよ。助けて!!」燐は手を合わせて長四郎に懇願する。


 ため息をついた長四郎は「一回、一回だけだからな」と学校に付いて行くことを了承した。

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