⑦
確か、執務室まで案内してもらって、そこでアルク大臣と再会したんだよね。
それで、ここじゃ気楽に会話出来ないだろうからってレストランって場所でご飯食べて。
次に、疲れたから休もうかって言われて、ここに来たんだっけ。
「シャワー浴びないのかい? 僕はそれでも構わないけど」
「え、あ、あああああ、あ、あの、わ、私」
「……緊張しているの? ふふっ、可愛いね」
違います、怖くて上手く喋れないだけです。
なんで隣に座るんですか。
なにこのベッド、無駄に身体が沈む。
「僕の肩書目当ての女の子って沢山いるんだけど、君は何か違う感じがしてね」
「あひゅ、そっそう、なんでっす、か?」
「うん、僕のことを見て嬉し涙してくれる女の子なんて、生まれて初めてだったんだ。だから、僕も心底嬉しくてね。見学会が終わった後も君のことが頭の中から離れなくて、気づいたら、秘書にアズさんを探して欲しいってお願いしてしまったんだ」
また白い歯を見せて笑いやがって。
ぜ、絶対に目を合わせないようにしないと。
と思っていたら、両肩を押されてベッドにぽふんと倒れ込む。
アルクの方は着用していたバスローブをはだけさせて、倒れ込んだ私の上に。
逃げようと手がベッドを泳いだけど、あっさり押さえられて頭上で手首をぎゅっと。
あれ、凄い力、なんか、さっきのガダ君を思い出すよ。
っていうか手が大きい、私の両手首を左手だけで押さえられちゃうのかよ。
「抵抗、しないんだね」
「あ、あの、だ、だめで、す」
「あはは、必死になって、可愛い」
怖くて出来ないんです、マジで身体動かないの。
心臓が異常なまでにドキドキしてるし、震えが止まらないし。
「いい匂いだ……」
ひぃぃぃい! ほっぺにキスされたああぁ! やめ、やめてって!
全身に鳥肌がああぁ! 股間、股間に触れるなああああぁ!
「サロペット越しでも分かるよ、アズさん」
「な、なにが! ですか!」
「あはは、そんなの、言葉にしなくても分かるでしょ?」
コイツ、コイツもさっきのオーガと同じじゃないか!
出会ってすぐに交尾するとか、頭おかしいんじゃないの!?
やば、服の隙間から手を入れてきやがった! もまれる!
「柔らかいね、アズさんも気持ち良い?」
「べ、べつっ、に、よくなっです!」
「綺麗な白髪だね。染めてるの? 帽子もとても似合ってるよ」
はっ、ヤバイ、帽子取られたら角がバレる。
魔族だってバレた瞬間に殺される。
それだけはダメだ、なんとしても阻止しないと!
「あ、あああ、あの!」
「ん? どうした?」
「帽子、帽子は、恥ずかしいから、ダメです!」
「……そう、じゃあ、他ならいいんだね」
ふおおおおおおおおおぉ!? 洋服のボタン外されちゃったし、千祢里から貰ったシャツも胸まで捲り上げられてるし、下着も外されて下、下にまで手を伸ばしているんですが⁉
「あれ? 太ももで僕の手を挟んじゃって……抵抗してるつもり? 可愛いね」
これ以上させねぇよ! 怖いけどそこだけは死守するんだよ!
「でも、僕一応、これでも勇者だったから」
あげぇ!? ものすっごい力で閉じてた足が開く!? あ、下着が勝手に脱げ、ひっ! み、耳、耳を噛むなああああああぁ! 無駄に暖かいのが中に、ひいいいいいいいいいいぃ!!!
「アズさん、僕もう、我慢できないよ」
「ひっ、ひっ、ひっ」
「いいよね、君も嬉しいだろ? 僕と一緒になろうよ、アズ」
嫌ですが⁉ 心の底から嫌ですが⁉ でも、怖くて動けない!
手を抑えたまま無理矢理に足の間に入ってくるなぁ! やめてよ本当にもう!
うげええええええぇ! アレ入れる気かよ! 本気で言ってる?! バカじゃないの!?
「いくよ」
ひゅん……て、全身の力が抜けた。あ、これ終わったわ。
――と思った次の瞬間。
「俺のアズは、どこだああああああああああああああああああああああぁ!!!!」
部屋の扉どころか壁までぶち抜いて、なんかつい最近聞いたことのある声が聞こえてきた。
おおっ、オーガ族のガダ君、私のことを助けに――
「って、なんで裸なの⁉ バカなの⁉」
完全にさっきのままじゃん! 何考えてんのコイツ!
「な、アズ、お前……きっさまあああぁ! 俺の女に手を出しやがったなああああああぁ!」
ガダ君、怒りで我を忘れてるのか、爆発した性欲がそうさせてるのか、私を犯そうとしていたアルクへと一気に殴り掛かった……でも。
「なんだい君は、アズさんのお知り合いというには、随分な様子だけど」
「うっるせえ! アズの初物は俺が頂くんだ! 手前になんかやらせねぇよ!」
「へぇ、アズさん処女なのかい? それは良い事を聞いた」
「だから、やらせねって言ってんだろうがああああああぁ!」
すっご、ガダ君のラッシュをちゃんと受け止めてる。
周りが衝撃波で破壊されていくし、何なら私がいるベッドも揺れに揺れて身動きが取れない。
「大丈夫だった?」
「……リズ」
「オーガ族って夫婦の誓いを立てた相手のピンチが分かるみたいで、急に暴れだしちゃったの。アズは私でもあるし、それなら好きにやらせればいいかなって思ってね……それにしても」
アルクの方はバリアを貼るんだけど、ガダ君がそれを打ち破って殴りかかる。
発情状態のガダ君には魔法が通用しないって、さっき自分で言ってたもんね。
でもそれを見越して攻撃を避けてるんだから、さすがと言った所か。
でもね、二人とも股間が凄いのよね。
ぶるんぶるんしてる。
「あんな立派なの二人しておったてながら、何してんだかね」
「無理だよ、あんなの相手にとか。見たくない」
「あはは、いいんじゃない? 真喜納のとどっこいどっこいだよ」
「え、リズ、貴女まさか」
コイツ、千祢里と一緒に真喜納と寝たんじゃ。
「とりあえず、そろそろ逃げとく? 外にキィ君とドラリンが迎えに来てくれてるよ?」
裸のバカ二人がめっちゃくちゃに暴れてくれたから、壁に大穴が空いてる。
今ならコッチ見てないし、逃げるなら今がチャンスだ。
崩されちゃった洋服をちゃんと着直して……って?
「ほら、行こ」
「あ、ちょっと待って」
「もう、急がないとバレるって」
えー、パンツどこいっちゃったんだろ。
強引に脱がされたから、どこかに捨てられちゃったのかも。
でも、いいや、ここにいたらどっちかに犯されそうだし。逃げよ。




