表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRの紺碧の海、紅のガレオン~女艦長スカーレットの冒険記~(改訂版)  作者: s_stein & sutasan


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/97

遠洋航海の大冒険――その1

 新しい遺跡を発見した私は、次の行動を決めかねていた。聖剣を探すか、遠洋航海に出るか、どちらを先に着手するかだ。


 まず長らく放っておいた聖剣の地図を広げ、そこに描かれた海の一部と陸地の地形を見てみる。記憶にある地形と照合してみたが、描かれたものと一致するものはない。きっと、まだ行ったことがない土地や島なのだろう。そのような所は数多くある。何せ、港町を行き来して売買を中心にゲームを進めてきたから、その航路の周辺以外に近づいたことすらない。いよいよ世界中を隅々まで探検しないといけないようだ。


 であれば、太平洋横断、北極海一周、南極到達、オーストラリアとニュージーランドの発見、そして本拠地から出発する世界一周をクリアすることが当面の目標となる。これにチャレンジしている間に、もしかしたら地図に描かれた地形とそっくりな場所が見つかるかも知れない。


 まずは、どれが簡単そうか考えると、東南アジアのすぐ南にあるオーストラリアとその右側にあるニュージーランドの発見がよさそうだ。おそらく海賊はいないだろうと思って、旗艦のみとし、最低限の人数で航海に出ることにした。


 まず大阪からスラバヤへ行き、そこから東へ進路を取り、途中からやや北へ向かうと港町のアンボンがある。ここで十分補給してから南へ下ると、オーストラリアが見つかった。位置的には、今のダーウィンだ。しかし、港町はない。ここから補給もせずにニュージーランドへ一気に足を伸ばすのは危険だから、一度アンボンへ戻って補給してからセーブする。


 次は、オーストラリアに港町はないものかと海岸沿いに時計回りで進んでみたが、いつまで経っても見つからない。水も食糧も減っていき、下手すると途中でゲームオーバーになるのではないかと焦りが募る。見張りのアントニオの報告をイライラして待っていると、


「お頭! 村が見えますぜ!」


 村が見えるというパターンは初めてだ。まだ港町に発展しない漁村なのだろうか。船の進行が止まり、クイックモードが自動的に解除されて、私は甲板に着地した。このパターンから察するに、どうやらイベントの発生らしい。海岸から数人乗りのボートみたいな小さな船がやって来たかと思うと、フッと甲板に現地人の長老と付き人二人が現れた。長老が怖い顔をして尋ねる。


「ここへ何しに来た?」


「航海の途中で水と食糧が不足したので停まっているだけだ。水と食糧を分けてもらえないだろうか?」


「交換できるものはあるか?」


 物々交換なのだろう。しかし、交易品は何も持っていない。遠洋航海用に船内の部屋は全て水と食糧の部屋になっているからだ。


「悪いが、持っていない」


「なら、気の毒だが渡せぬ」


 そういうことか。オーストラリアには――まだ一周していないので、間違っているかも知れないが――港町はないけど海岸に補給可能な村がある。そこで物々交換で水と食糧を分けてくれるのだ。このまま行くとGAME OVERの文字を見させられるのは目に見えているので、セーブデータからやり直す。


 アンボンで胡椒とかナツメグとか買おうかと思ったが、珍しいものの方が喜ばれるだろうと思って、マカオへ行って陶磁器を買ってみた。それからアンボンに直行し、例の村へ急ぐ。


 村に近づくとイベントが発生し、甲板で長老と物々交換の交渉が始まった。


「交換できるものはあるか?」


「陶磁器ならある」


 私は、空中から現れた陶磁器を一つ、長老へ手渡した。


「おお、見事な器だ。よかろう」


 これで交渉成立。水と食糧は満タンに補給された。このまま南東へ一直線に行けばニュージーランドに到達できそうだ。一か八かで進んでいくと、水と食糧が尽きそうになる頃に大きな島が見えてきた。ここにも補給できる村がないか探索すると、運良く見つかった。


 これでレベルは92から93にアップした。


 ここの村でも陶磁器一つで補充し、北西に進路を取り、オーストラリアの村に到着。また物々交換で水と食糧を補給してから、なんとかアンボンに戻ることが出来た。ここでセーブして一息つく。



 次は、南極の発見だ。これにはアンボンから延々と西に進んでマディラでワインを買ってからいったんセーブ。それからマディラを出港し、アフリカのヴェルデを経由してブエノスアイレスまで行き、そこで水と食糧を補給した後、南アメリカの南端を目指しつつ村を探す。すると、やはり、補給可能な村があり、ワイン一本で喜んでくれた。


 後は、そのままひたすら南下して、南極大陸を発見する。実際は、跳ね上がった尻尾みたいな半島に到着したのだが。


 これでレベルは93から94にアップした。


 しかし、ここには村がないので、すぐに引き返す。風に翻弄されてまっすぐ北へ進路を取れず、フラフラと進み、水と食糧が尽きかけた頃に村へ戻ることが出来た。持っているワインを途中で飲めばいいというツッコミも入れたくなるだろうが、漂流寸前の私たちにとっては、物々交換に必要で金貨よりも貴重な品物だ。ここでまた物々交換で水と食糧を補給してから一路ブエノスアイレスへ向かう。


 ブエノスアイレスで入港してセーブする。次は、太平洋横断だ。このためには、南アメリカ大陸の西側へ行かなければいけない。私は、ワインを求めて北上し、マディラを目指した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ