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VRの紺碧の海、紅のガレオン~女艦長スカーレットの冒険記~(改訂版)  作者: s_stein & sutasan


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仲間の救出作戦

 戦利品を見終わったらリスボンへ行ってガレオン船の購入と改造を行おうと思っていたのに、出鼻をくじかれた思いだ。実にタイミングが悪い。


 オランダは長崎に入港できるので、東アジア海域にいると遭遇する確率は高い。香料諸島でもよく遭遇するし、インド洋でもすれ違うことは多い。リスボンへ行くなら、必ずどこかでばったりと出会うだろう。


 しかしながら、なぜこうもオランダ船籍が多いのか? その理由は、簡単。長崎に入港できる特権を活かせるからだ。


 日本の交易品を遠方の港町で売りさばくと、多くの利益を得る。資金稼ぎの近道でもあるのだ。私は何も考えずにポルトガルを本拠地にしたが、今更ちょっと後悔。


「オランダのプレーヤーが多いので、他にも多いプレーヤーの国と敵対させて潰し合いをさせようとしているのかしら? ひどい企画ね……」


 敵対国が海路上にウヨウヨいるので、それを避けるため反対側の太平洋を越えるルートが考えられるが、(ぼう)(よう)たる太平洋を渡る自信がない。どうしてもいつものルートを通るしかないのだ。


「仕方ないわね……。あと2隻を補充するため、いつもの航路を行きますか」


 もしかしたら、レベルが高いプレーヤーの船団に遭遇して、レベルアップができるかも知れない。逆に、自分がレベルアップのための船団として狙われるかも知れないが。


 仁川を出港して杭州で交易品を仕入れた後、宝箱に何かないか回っているときに、チャットをつないできた人がいた。スカーレット・ファンクラブ会長の「まりりん」だ。


『こんにちは。まりりんさん』


『スカーレットさん、こんばんは』


 私はゲームではほぼ昼間なので「こんにちは」と挨拶するが、まりりんさんはリアルが夜なので「こんばんは」と言っているのだろう。


『どうしました?』


『助けて欲しいのです』


『何があったのですか?』


『今ゆかりんとマラッカにいるのですが、哨戒している船がいて出港出来ません』


 哨戒? 何だっけ?


『その哨戒の船は、海賊ですか?』


『オランダ船です』


 どうやら、オランダ船とのトラブルに巻き込まれているようだ。


『わかりました。そちらに行きます』


『ありがとうございます』


 哨戒の意味を考えながらチャットを終了すると、すかさず誰かがチャットをつないできた。今度はまゆりんだ。


『こんにちは。まゆりんさん』


『こんばんは』


 この人も、リアルの時間で挨拶している。


『どうしました?』


『みなみんと一緒にスラバヤにいるのですが、哨戒の船がいて動けません』


『もしかして、その船はオランダですか?』


『はい、そうです』


『わかりました。そちらに行きます』


『よろしくお願いします』


 オランダのプレーヤーが何をしているのだろう? 私は、以前マラッカで複数のオランダの船団に待ち伏せされていたので、きっとそのことだろうと推測した。それが哨戒なのだろうか?


 マニュアルで調べると、次のことがわかった。



 1.レベル70以上になると「哨戒」という機能が使えるようになる。


 2.哨戒はクイックモードの時に有効で、船団が沖合で待機している状態になり、敵対国の船が出港、あるいは入港しようとすると自動で攻撃する。プレーヤーがログアウトしても哨戒は継続する。


 3.船団の水と食糧がゼロになると哨戒は解除されて、自動的に最寄りの港へ入港する。


 4.もし1隻でも船が港に入港している状態なら、水と食糧が哨戒中の船に補給される。その時の水と食糧の費用は、自動で支払われる。



 つまり、こういうことだ。ある港で敵対する船を待ち伏せしたい場合に、哨戒機能を使う。しかも、1隻が港に入港していれば、ゲームから抜けても資金が底を突くまで水と食糧が補充され、哨戒が継続される。敵が近づいてくれば、ログインしていなくても自動で攻撃する。


 なお、以前私が出港時に複数のオランダ船団から次々と狙われた時は、相手のレベルが70未満だったので、この照会機能は使われていない。


 彼女たち四銃士は、オランダが本拠地でその哨戒機能を使ったプレーヤーのため、動けない状態になっていると思われる。彼女たちはイギリスが本拠地だが、ポルトガルが本拠地の私の地方艦隊なので、敵対する相手の扱いになっているようだ。調べると、彼女たちのレベルはまだ48から37の間。哨戒を仕掛けた相手はレベル70以上だから、勝てるはずがない。


 いつ来るかわからない敵を待ち続けるために、ログアウトしても継続して待ち続ける機能を考えたと思うが、やり過ぎな気がする。敵が寝ている隙に入港しても不都合などないのではないか。


 私は彼女たちの救出に向かうため、杭州のドックからガレオン船を2隻取り出し、8隻でマラッカへ向かった。

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