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VRの紺碧の海、紅のガレオン~女艦長スカーレットの冒険記~(改訂版)  作者: s_stein & sutasan


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剣術の練習

「で、こーみがなんでここにいるわけ?」


「剣の極意を学ぶためよ」


「こんなところで?」


「そうよ」


「どうせなら、もっとそばに寄ったら?」


 放課後、私は体育館の床に近い窓から剣道部の練習風景を覗いていたころをココに発見されて、袖をつかまれて体育館の中へ連れ込まれた。


 それから、壁際に立って、熱心に竹刀を素振りする胴着姿の女性部員を眺めていた。


「剣道って、どんな技があるの?」


 私の問いに、ココは悪戯っぽい笑いを浮かべて答える。


「面、胴、小手、(すね)


「すね? 足の?」


「足以外、どこにある」


「なんか、痛そう」


「テレビでやってるじゃない」


 ああ、芸人とかが水平に回転する竹刀に足をぶつけているあれね。思い出しただけで痛そう。


「ねえ。なんで剣道ってそこだけなの?」


「そこで十分だから」


「時代劇とか観ていると、斜めに斬っているよ。あれって反則なの?」


「時代劇観るんだ」


「ちょっと動画サイトで調べただけ」


「剣道では反則だな」


「そうなの? 私、時代劇の斬り方を勉強したいんだけど」


「この剣道部の練習を見て?」


「そう」


 ココが何か言おうとしたとき、剣道部員から声をかけられた。


「おーい、そこの二人! 入部希望か?」


 私たちは、顔の前で同時に手を横に振った。


「見学でーす」「単なる」


 ココが「単なる」と言葉を添えた後、不思議そうに聞いてきた。


「なんでまた時代劇の殺陣(たて)を知りたがる」


 恥ずかしい体験を披露しなければいけなくなるので顔が熱くなったが、やむを得ない。


「こないだ、オランダの艦長と一騎打ちになって」


「なるほど、負けたから強くなりたいのか」


「いやいや、勝ったんだけど」


「じゃ、いいじゃない」


「デタラメに剣を振り回したら、相手が負けを認めて。なんだか、呆れられたんじゃないかと」


「勝てば官軍と昔から相場が決まっている」


「でも」


「だったら、仲間に聞いてごらん」



 その夜、私はゲーム内のチャットでスティーブさんに一騎打ちのやり方を尋ねてみた。リアルの汐留くんは、アニメとか観ているからか、結構詳しいのかと思って先に聞いてみたのだ。


『剣術の達人がこのゲームをやるとは思えないので、自己流でいいと思いますよ!』


『テレビで観たような動きを真似るとか!?』


『誰だって、見様見真似でやっていますよ!』


『スティーブさんは!?』


『アニメの真似です!』


 なるほど。観て覚えろという事ね。私はオランダ船との海戦前に、セーブしてゲームを抜け、動画サイトで剣戟の場面をいろいろと探した。それから、剣を持っているつもりで「えい!」「やー!」って真似事をしていたら、母親にうるさいと怒られてしまった。


 うーん、一騎打ちは難しい。

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