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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第三章 ハンター編
31/36

不幸中の幸い

カーー

カーー

カーー

カーー

カーー


なんじゃこりゃ。


瓜の畑に鳥山ができてる。


でっかいカラスだ。羽を広げると8メートルはあるよ。

人がいても逃げる気配がない。

日本の町中で見かけるカラスと同じで人なんか眼中にないんだ。


回りの畑は根菜か葉物を育ててるから成り物の瓜だけが標的になっちゃったんだな。


「このまま近づいて切りつけても逃げないんじゃないか」

「カラスの野郎、人をなめてやがるぜ」


僕のイメージしてた狩と違うな、田舎のカラスは警戒心が強いから草むらに隠れながら一匹づつ仕留める予定だったのに。

なんて大雑把なカラス退治だ。


「マギさん、どうします?」

「カラスの駆除は私も初めてだから、とりあえずダニロとブロンに任せてみようか」


弾速の遅いエアガンじゃ飛んでるカラスに当てらんないだろうし、試してみてもいいけど。


試すといえば、


「みんなこれを羽織ってください」


じゃじゃーんとアポーツ。

フード付きのマント、黄色バージョン。


カラスで思い出した日本の知恵です。

道具屋と服屋をまわっても欲しかった色がなかったから白のマントを買って黄色の顔料で染めたんだよ。


嘘か本当か、カラスは黄色が見辛いってテレビで見た覚えがあったから用意して来ました。

対カラス用スニーキングスーツだ。


「なんだ、その派手なマントは!」

「騙されたと思って着てください」

あまりの派手さに用意した僕も騙された気分なんですが。

「おい、これになんの意味があるんだ」

「黄色はカラスの食欲を刺激するので、これを着たブロンを生き餌にしてカラス狩りを(嘘)」

「ふざけんな、こんなもん千切ってやる」

真に受けたブロンがマントに手をかける。

「落ち着け、冗談だよ」

「ブロン、待て」

「止めるなダニロ」

「待てだ、ブロン」

「俺は犬じゃねえ!」

「ブロン、どうしても言うことをきかない狂犬は去勢するのが一番らしいぞ」


キュッ


ブロンは血の気の引いたら顔で股間に手をやる。

恐ろしいよな。

ちなみにキュッとなったのは僕のモノです。

ダニロさんに言われただけで反射的に縮み上がりました。


「銀城、本当の理由はなんだ」


話しますからもがないでください。


「カラスの目は黄色が見辛いって聞いたことがあります」

もがないで。


「銀城、それは間違いないのかい」

「僕のいた世界のカラスはそうでした」

同じカラスと呼ばれる鳥だけど100%同一じゃないかも。

「成功したら儲け物程度に試してみませんか」


「どうせ策があったわけでもないしな、銀城のマントを試すぞ」

「俺はこんな真っ黄っきなマント、やだぜ」

「もぐか?」

「嫌なんて言ってないだろ」

今いったじゃん。

あわててブロンはマントを羽織る。


「それでどんな作戦でいくんだ」

「作戦ていっても石を投げたらカラスに当たりそうな位わらわらいるからね」

繊細なマギさんにはこうゆう大雑把な戦いには向かないのかも?

「僕からいいですか」

「銀城なんか策があるのか?」

ガスの残量を考えたらやりたくないんだけど。

「上手くいけばカラスを一掃できますよ」

魔玉の消費もでかいけど、そう思いながら大きな筒状の銃をアポーツしてみせる。

HK社のグレネードランチャーだ。戦争映画とかではライフルの下に取り付けられていて弾は標的に当たると爆発して小屋とか車をぶっ飛ばしているシーンでお馴染みだ。

実銃の威力は知らないけど、エアガンの世界では飛距離はたいしたこと無いが一度の発射でバカみたいに大量の弾を広範囲にばらまく凶悪な兵器なのだ。


「とんでもない武器だな」

ダニロさんが若干引いてる。

「つまり、黄色いマントで身を隠しながら射程にまで近づいて銀城がそのグレネードとかいうのを使うんだね」

イエス、さすがマギさん察しがいいですね。

「魔玉は雷魔法だな、気絶して落ちたやつを俺たちがしとめて焼いて喰う」

喰うのはついでだからね。

「他に策も思いつかないし今日はそれでやってみて、ダメなら明日出直しだ」


作戦開始です。



僕達は黄色いマントで身を隠しそろそろとカラスの鳥山に近づいた。思ったとおりカラスには気づかれてない。

近づき過ぎると弾幕が張れずに狭い範囲にしか当たらないし、遠すぎると届かずに地面に落ちてしまう。


実はこのランチャー、僕はサバイバルゲームで使用したことがない。買ったはいいけど僕の戦闘スタイルと違うんだよね、電動ガンやグレネードランチャーとかで弾をばらまいて制圧するよりエアコッキングかガスならセミオート、あるいはリアルカウントのガスフルオートにこだわりたいタイプなんです。

残弾数とかマガジンチェンジとかの緊張感が好きなんだよね。

マガジンはアポーツで取り寄せてるけど。


そんなわけでグレネードランチャーは初実戦なんだ。

つまり、距離感が分からない。

ゲームで他人が使ってたときのイメージをもとにぶっつけ本番です。

失敗したらごめんなさい。


「ここで撃ちますよ。上手くいってカラスが落ちてもマントは着たままで止めを刺してください。生き残りのカラスに襲われますから」

子育て時期のカラスの攻撃性はホントに怖いんだよ。


「成功したら銀城もカラスの止めを刺しに行け、その間の援護は私がするよ」

マギさんは弓を構える。


「面白い狩りだな」

「カラスの丸焼き、カラスステーキ」

せめてニンニクか生姜で下ごしらえはしてくれ。



「5からカウントダウン0で撃ちます。5,4,3,2,1..0」

バシューーン!



バチバチバチ!

そして巨大な鳥山に電光が弾ける。


ドサドサー


大量のカラスが降ってきた。成功だ。

やったね!とか思ってたら、

バチ!

とんでもない痛みと共に全身を貫く衝撃が走った。

「あががががぁ」


「銀城!」

「バカ野郎、大丈夫か!」

バカ野郎って誰だブロン。

「使ったのは雷魔法だ。死にはしない!それよりダニロとブロンはカラスに止めを!私が銀城を守るから急いで終わらせて撤収するぞ」


体が動かない、みんな何があったの?って声が出ない。


「大丈夫か銀城、意識はあるな」


マギさん顔近い、僕はそっちの興味はないっすよ。マギさんだって女好きじゃないですか。


「ダニロとブロンが止めを刺してまわってるから心配するな。作戦は成功だよ。30羽以上落としたよ」


「な、なんで、僕は」

思うように声が出ない。


「私もよく分からないんだけどね。多分魔玉に変な回転がかかったか風の気まぐれか1個だけ撃った銀城に戻ってきたみたいだね。いつも使ってる武器より精度は悪いみたいだしこれが銀城一人でよかったよ」


「よく、ない。いた…」

めちゃくちゃ痛かったし、上空ででっかいカラス達がカアカア騒いでるのに動けないのは怖い。


「銀城、戻ってきた魔玉が全員に当たっていたら私達は今頃興奮したカラスの餌食になってたよ」

想像してごらん、恐いだろ。マギさんが僕の眼を覗きながら言外に訴える。


うん、生地獄です。


「この作戦の反省点は私達まで銀城について行ったことだ。役割分担なら武器の射程に問題がある銀城がカラスに近づき、ダニロとブロンが左右に離れて身を隠す、私は後方支援と失敗したときの退路の確保ってところかな。不幸中の幸いとでも考えなよ。仕止めたカラスは明日回収だね」


なるほど、みんな固まって行く必要はなかったか、サバイバルゲームでもこんな雑なフォーメーションはしてなかったな。

カラスが相手だからってなめてたのかも。



それよりダニロさんとブロンが無双中に僕だけ動けないなんてもどかしい!


草むらから亀まで僕を笑ってる。

ん、亀?


頭を動かすことも出来ない僕の目と鼻の先にある瓜の葉っぱの陰から、大きい円らな眼をした亀が顔を出して僕を見つめていた。


可愛い亀じゃ、癒される。


あっちじゃ、僕同様動けないカラスに剣を振るう男二人。

こっちは愛らしい顔と大きな前ヒレと猛禽類の足を持つ20センチほどの亀とメルヘンな邂逅。



「亀なのに亀じゃない!?」

驚きの余り声も出るさ。



これが僕と仲魔の出会いだった。






信長の野望創造と最近見つけたネット小説にハマりすぎて銀城達が後回しになってしまった。

頑張って続きを書きます。

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