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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第三章 ハンター編
30/36

害獣駆除は続く

セーフゾーン発見、僕はついに武器屋についたんだ。


「よくきたな、雷光の銀城」


ここもかよ!ちくしょう。


「帰るなよ、ちっとからかっただけだ」

こんなはずかしめを受ければ帰りたくなるでしょ。

「親父さん、僕の鎧は?」

「不機嫌だな、お前くらいの歳のやつは喜ぶんだがな」

「こう見えて三十路ですから」

「そうだったな、その見てくれだからつい忘れちまう」

「僕の鎧をよこせ、金は前金で払ったでしょ」

有り金のほとんどを支払いましたよ、かつかつだよ。


急かされた親父さんは店の奥に鎧を取りに行く。


相変わらず客のいない店だな、読書にはもってこいだ。

市立図書館とどっちが静かなんだろう。


「遅かったな銀城」

ブロンか?何故店の奥から声が聞こえるんだ。

声を追って僕も店の奥に入るとイスに腰掛けジョッキを片手にくつろぐブロンの姿があった。

「何で先回り出来たんだよ」

「お前が雷光って話しかけられる度に逃げ回るからだろ」

そうだよ。あの場に居なかったはずなのにいく先々で雷光だ閃光だとか人に呼ばれて、おかしいだろ?

「悪いことしてないのに僕の恥ずかしい名前が千里をはしってる」

「千里をはしってるってのはよくわからねえが、この町は娯楽がねえからお前の決闘が面白かったんだろ」

他人事だから楽しそうに言いやがって。

「ブロンが飲んでるのは酒じゃないだろうな」

「大丈夫だよ、ただの麦汁だ」

「エール酒じゃないか!」

「発酵前の汁だ」

「確認させろ」


僕がジョッキに手を伸ばすと、ブロンはその手をかわして一気に飲み干した。


「ブーローーン」

「証拠はない、前に銀城が言ったグレーゾーンてやつだ」

「違う、証拠の隠滅は黒だ」


「仲がいいな、お前ら」

親父さんが戻ってきた。腕に革っぽい鎧を抱えてる。

「それが僕の?」

「こいつがご依頼の鎧だ」

手が震える、感動のご対面だ。

親父さんに手渡されたフルオーダーメイドの鎧は元の世界で現代的な特殊部隊風のボディーアーマーだった。


ワニの魔獣の硬い背中部分のなめし革でカマキリの外殻と発泡スチロールを挟み込んだ背中、左前部、右前部の3つの装甲パーツを脇と肩で丈夫な革紐で縫い合わせた。

脇腹と肩当てにも同じ装甲で縫い目をカバーし、鉄板入りの革で高めの襟を作り首もガードした。

前の合わせ目にも縦長の装甲を付けて死角無し。

カマキリの外殻と発泡スチロールを入れたから予想以上にずんぐりしたフォルムになったけどスッゴく軽い。

なめした革の色もオリーブ色で森や草原でも目立たない。


「最高ですよ、僕の時代が来た~」

「余った材料ですね当ても作ってやったぞ」

「ありがとう親父さん、いや親方!」


お揃いのすね当てだ!

さっそくフル装備だぜ。

僕は着ていたデニムシャツとジーンズをこの場で脱ぎテレポートして、カモフラのバトルジャケットとカーゴパンツをアポーツで取りだし着替える。


「おい、いま服が消えたと思ったら違う服が現れたぞ!どうなってるんだ」

「銀城は変わった魔法を使うんだぜ」

「これは魔法なのか?面白い、長生きはするもんだ」


そんな二人の会話なんて関係ないもんね。

鼻唄まででちゃうよー。


ジャケットの上にボディーアーマーを装着。かっこいい!

すね当ても巻いた。

おまけで左右の腿にレッグホルスター、右はSIGP226R左はM93Rです。

左はMP7か迷ったんだけど、グロック18も捨てがたい。

右だってガバメントかM92Fで悩みましたよ。


「さっきからブツブツ気持ち悪いぞ」


銃に興味の無い人にはわからないんでしょうけど好きな人には悩みどころなんだよね。

そもそもアポーツで好きな時に銃を取り出せる僕にホルスターなんて要るんですか?みたいな。


必要なんです、テンションが上がるから。


「では、農民に仇なすカラスの駆除に行ってきます」

親方に敬礼!

ビシッ


「ついてこいブロン」

やったるでえ。


「うっぜえ、こんなヤツだったのかよ」

「なんかうっとうしいから帰ってくれ」

「俺は剣を打ってもらいにきたんだけど」

「前と同じだろ、10日後に取りにこい」

「じゃあ連れて帰るよ」

「いい忘れたがボウガンの試作品はまだまだだ」


時代はまだ僕に追いつかない。






出発は翌朝になった。



交通手段はマギさんが獣車を用意した。

トリケラトプス頭のモフモフが愛しいトライホーン君だ。

久しぶり、会いたかったよ。

道中は退屈しないで済みそうだ。

休憩の度にブラッシングしてあげるよ。



目的の村には昼過ぎに着いた。

この村は街道沿いにありフォトキワの町の一つお隣だが初めて来た。

ごく普通ののどかな農村だなぁ。


「よく来て下さいました。わしが村長です」

人の良さそうなおじいさんだ。


「こんにちは、私はマギ。さっそくですがカラスに狙われてる畑は何処ですか」

「村の一番西の畑の北側です。美味い瓜がなっとるのをカラスどもが狙ってますんじゃ」

瓜か、甘いやつか冬瓜かな。冬瓜の煮物食べたいな。

「誰かカラスの巣を知りませんか」

この時期は卵は無いだろうな、カラス肉はともかくカラスの卵は食べてみたいな。

カラスの魔獣なら卵はダチョウの卵並みに大きいかも。

卵を器にして特大プリンもいいな。

「巣は近くにはありやせんよ」

残念。


「仕方ないから来るやつを待って迎撃だね」

「全滅させるのは時間がかかるな」

「来たヤツを端から焼き鳥にしてやろうぜ」


「そこまでしなくてもいいんじゃないですか」

ウチもやってたから。

「何か手があるのか」

「カラスは頭が良くて罠とかはすぐ覚えられちゃうから駆除は大変らしいです。でも警戒心も強くて畑にカラスの死体を幾つか吊るして置くと仲間の死体に警戒して近よらなくなるんですよ」

ウチは死体の代わりに黒いごみ袋を柿の枝に吊るしたな。


「なるほど、だったら簡単だね」

「畑に吊るす分を4羽に俺たちの手土産を5,6羽あれば十分だろ」

「焼き鳥用に2羽捕ろうぜ」

よく焼けば肉ぐらい食べても大丈夫だろ。


「カラスは昼間はずっと活動してるから何日かやればそれくらいは狩れるんじゃないですか」

「なら行ってみようか」

「若いのを案内につけますよ」

万が一襲われたらこっちの責任問題にならないか。

「西に行って端にある畑だろ、案内なんかいらねえよ。俺たちも元は農民だ、大体わかるさ」

実家はサラリーマン家庭だからわかりません、黙ってついていきます。

「トライホーンは警戒されるので置いていきますから頼みますね」

マギさんがトライホーンの世話を頼む隣でダニロさんが荷車を指差す。

「ブロンは荷車引いてついてこい」

「何で俺だけなんだよ」

「昨日酒のんだだろ」

「なんでそれを」

「銀城に聞いた」

ブロンは僕をギロりと睨んだ。

「チクったな」

「賭けの相手の前で堂々と約束を破ったヤツは誰だ!」

「エール1杯だけだろ」

「その前に僕が決闘してた時に飲んだのリンゴ水じゃなくて白ワインだったじゃないか」

「あれはリンゴ水だ」

「武器屋の帰りに調べたからね、お前に白ワインを売ったおじさんも探したんだよ」

「あのじじい、口止めにチップをはずんでやったのに」

嘘だよ、いちいち人探しなんかするわけないじゃん。

「ブロン、禁酒を守らない限りパーティーの雑用させるからな」

「賭けで負けたんだ、改めて今日から10日禁酒だよ」

「隠れて飲んでもマギさんの情報網に引っ掛かるぞ」


「くそ、わかったよ」

ケケケッ、ずるはダメだよ。



村長と別れ僕達は街道を西に向かって進んでいた。

この先は王都まで続く交通の要所だけに道幅も広く毎日人々に踏み均されただけに歩きやすい。日本のアスファルトやコンクリートで舗装された道路とは比べ物にはならないが青く晴れた初夏に風も程よく吹いてくれるとハイキングかピクニックの気分にでも来たようだ。

そういえばこの村の人達は商人や旅人が行き交う街道を使い農業をしているわけだ。例えるなら国道沿いで大きな町の直ぐ隣の一等地、坪単価幾らになるだろう。何気に贅沢な話だよね。


ガラゴロと素直に荷車を引くブロンの前を歩きながら雑談をする僕達、話題はいつしか決闘の話しになっていた。


「俺も銀城の決闘は見たかったな」

「私も話に聞いただけだから」

「あれは面白かった。いつものライフルってやつより小さいのを使ってたんだが、あっちゅう間に終わったんだぜ」

「詳しく教えろよ」

「教えてやるから雑用は無しにしろ」

「ブロン、今すぐはくか禁酒を20日にするか選ぶんだ」

「えーと、銀城が手のひら位の武器を腰の鞘に差して構えたんだ。それも右の腰にだ。それを開始の合図で右手で抜くなり筒の先を相手の野郎に向けてパシッパシッて音がしたら魔玉が飛んでってバチンて雷魔法でブッ倒したんだよ。3人纏めてな!」

「スゴそうだが、いまいち分からんな」

「私では歯が立たないようだね」

「飛んでくる魔玉はマギの矢より遅い。俺がやろうと思えば剣で叩き落とせるんだが、雷の魔法じゃ当てたらこっちがやられる。ダニロでも難しいぜ」

「なるほどな、雷の魔玉は剣でも盾でも防げないか」


すごい評価を貰ってるみたいだけど、僕の魔玉は小さいから高威力の魔法は込められないんだよね。だから魔獣相手だと牽制にしかならないんだ。

もっとも僕の魔力は弱いから直接に魔法を放っても威力は変わらない。


「ダニロさんなら僕の魔玉の魔法くらい耐えられるでしょ、強引にでも突っ込んでこられたら手も足も出せませんよ」

むず痒いから決闘の話しは終わりにしてください。


「だよな。俺なら雷の2つや,3つ構わず間をつめて銀城をブッた斬れるぜ」

「仲間を斬るんじゃねえ、アホブロン。後ろ弾喰らわすぞ」

「ダニロ、マギ。やっぱコイツ生意気だぞ。ぶん殴っていいか」

「僕の方が年上だって言ってるだろ。賭けに負けても約束を守らないやつが喧嘩売るな」

「喧嘩じゃねえ、決闘だぜ」

「やってやろうじゃん、こっちには100個以上の魔玉を一斉に撃てるランチャーがあるんだよ」


「ちょっと待った。パーティーの財政を管理してる私としては身内の決闘で大量の魔玉を消費されるのは困るよ」

マギさんがあわてて間に入ってきた。

僕だって使いたくない奥の手だけど仕方ないでしょ、男には譲れないものがあるんだから。

「ブロン、銀城。パーティーを困らせるならリーダーとして俺がお前らをしめなきゃならないんだが。どうするよ」

眼をギラリと光らせる。


「「すみません」」


寒い、夏なのに寒い。ブロンのせいでこんな目に!


ギラリ


「僕達は親友だよね」

「もちろんだ、心の友よ」

絶対に友と思ってないヤツの台詞だぞ。

「心の友よ、そういえばこないだのスライムの核を捨てずにとってあるらしいね」

「デカイ樽を買って灰汁に漬けてあるぜ、友よ」

「漬けてあるって、まさか食べるつもりなのか。ブロン君」

「喰うに決まってるだろ、銀城」

「決まってないだろ、ア、ブロン」

「今アホって言おうとしたか、ひよっこ」


ギラリ


「今日は良い天気だね」

「スカッとする天気だぜ」


ダニロさんの視線が怖かった僕とブロンは問題の畑に着くまで大人しくしてました。

マギさんが僕達の様子を見ながらクスクスしてたのが気になった。マギさんて意外といい性格してるのか?

「早くカラスと戦いたいね、ブロン」

「俺もそう思う」




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