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Toy ガンナー  作者: チョーゆんふぁ
第三章 ハンター編
22/36

仕事の合間は

「こんちわー」


勝手知ったるなんとやらとばかりに武器屋の奥にある作業部屋に入る僕。

この武器屋はいつも店内に客どころか店員もいないんだけど大丈夫なのかな。

「よう、兄ちゃん。新型の弓はまだだぞ」

わかってますよ、頼んでから半月もたってないから。

「今日は胸当てと剣を買いに来ました」

脇に抱えていた防弾ベストとロングソードを親父さんに見せた。


防弾ベストはレプリカとはいえ丈夫な布で出来ていたんだけどカエルの舌でぶん殴られ、イノシシに2度もはねられたせいであちこち擦りきれて空いた穴から中の発泡スチロールが覗いている。

さすがに僕もこのままじゃまずいかなって本物の防具を買うことにしたんだ。


「なんじゃこのボロボロな布の鎧は、命がいらんのか」

「こんなんでも何度か命を救われたんですよ」

向こうの世界からアポーツして今までいつも一緒にやってきた相棒だった。

でもこの世界で命を預ける新しい相棒が必要なんだ。

「オーダーメイドで作って欲しいんですけど、お願いできますか」

「かまわないが、それなりにかかるぞ」

「ぜひお願いします」

どうせなら僕らしいヤツが欲しい。

「この布の鎧をモチーフにしたオリジナルな革鎧を作ってください」

そういって親父さんに僕の望むデザインを伝えた。


前合わせのボタン式で、内側は柔らか目の革のベストに外はトカゲの魔獣の硬い背中をなめした皮、間には使い道に困って取っておいたカマキリの外殻と緩衝材として発泡スチロールを挟む。

背中と前の継ぎ目になる脇腹と会わせ目のボタン部分、更に肩当てに余ったカマキリの外殻を魔獣の皮で覆った物を縫い付ける。


たぶん完成品は詰め物を入れただけに一般の鎧よりずんぐりしてるだろうけど軽くて丈夫なボディーアーマーになるはずだ。


「あとこのロングソードなんですけど」

「こいつはまだまだ使えそうだが」

親父さんはイノシシとの戦いでもろくに使われなかった剣を手にとって確かめる。

「長さはいいんですけど、両刃で幅広の剣は使い辛いんですよ」

さすがに日本刀は望めないけど似たようなのが欲しいな。

「片刃の細剣はあるが魔獣を相手にするにはお薦めできんぞ」

それってロープレに出てくるシミターかな。

僕の腕前じゃ刃を合わせられなくてポッキリいっちゃうな。

「僕が木刀を作って来ますからその形を鋼で作って刃を付けてもらいたいんです」

「お前さん、意外とめんどくさい客じゃったんだな」

腕を組み少し呆れたような顔で僕を見る。

「ダメですか」

日本出身の冒険者としてちょっと残念だ。

まあ、ウチの先祖には武士とかいなかったんだけどね。

異世界で侍は憧れる。



僕はガンナーか。


「あまり凝ったもんは作れねえが試しにその木刀とやらをもってきな」

やるだけやってみるさ、と言ってくれた。

親父さんツンデレかよ。




「話は変わるが、もうすぐ雨季に入るな」

そうなの?一週間ぐらい晴天が続いてるし雨の気配なんか感じないけど。

「坊主も覚悟しといた方がいいぞ。ダニロ達は毎年参加してるからな」

雨季に参加?

「雨季になるとなんかあるんですか」

親父さんのにやけた顔が気になる。

「雨季といえばアレだろ」

「アレ?」

アレって何、嫌な感じはするけど。

「アレの大発生だろ、何処の国でもアレでみんな困ってるだろ」

この世界の常識?じいちゃんからはとくに聞かされてないんですが。

知らないと変に思われるかもしれないけど聞くは一時の恥っていうし、この先のことを考えればすっとぼけた感じで聞いといちゃおう。

「アレって何でしたっけ、ハンターになってから色々ありすぎて月日が流れるのも早いッスね」

僕のキャラってこんなんだったか。

「若い内は苦労は買ってでもしとけってな。大変なのはいいことじゃないか」

のってきたよ、この手の親父さんはこうゆう話が好きなんだよね。

「それでアレっていうのは?」

「ほれ、雨季の後にはスライムの大発生があるだろ」

なるほど、アレとはスライムですか。

「そういえばスライムの出る季節でしたね、忘れてました」

はっはっはっ、笑ってごまかそう。

「スライムはどのハンターも嫌がるが駆除しないわけにいかないからな」

スライムってザコの中のザコじゃないの?子供の頃はよくテレビゲームしてたけど、大学でサバゲー同好会に入ってからやってなかったからスライムの地位が向上されていたのを知らなかったのかも。

それともこの世界のスライムは全部メタルとかはぐれなヤツばかりなのか?

ゲームなら経験値ウハウハなんだけどハンターのランクはレベル制度じゃないからな、はぐれを倒しても一気に緑や橙色にはならんだろ。



それだ。

硬いし逃げ足が速くて倒すのに苦労するけど、倒したところでオーブの色も変わらないから嫌われてるのか。


「そうですよね、スライムは割りに合いませんもんね」

これぞ自然な異世界人トーク。

「全くだぜ。弱っちいくせに酸の体液で装備はボロボロ、触れたら火傷だから率先して駆除してくれるダニロ達はみんな感謝してるんだぜ」

はい?

「今年はお前さんも頑張ってくれよ。新しい武器は安くしといてやるからな」

ガハハハ。

はっはっはっ。



この世界はヤバイよ。


スライムなめてた。



二週連続の雪掻きで腰痛がツラいです。

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